- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591118955
作品紹介・あらすじ
ベートーヴェンへの憧憬が貧しい青年音楽家をウィーンへと駆り立て、感動の対面をはたす『ベートーヴェンまいり』(ヴァーグナー)。素晴らしい美声を持つ愛娘に、父はなぜ歌うことを禁じたのか?変人といわれた男の胸に秘められた想い(ホフマン『クレスペル顧問官』)。幼い浮浪者だった「私」を救ってくれた少女ニネット。前途に輝く成功のため「私」は温かい思い出を捨てた…(ダウスン『エゴイストの回想』)。音楽にまつわる、至福の、あるいは物狂おしい若き日の回想。
感想・レビュー・書評
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有名な音楽家たちの作品は面白かった。翻訳に「ん?」と首を傾げるところもありましたが……
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大作曲家同士の邂逅を描いた実録かと思いきや、なんとフィクションであることに驚かされた『ベートーヴェンまいり』。100/100
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どの作品も、音楽に対する情熱・想いにあふれていた。
「ベートーヴェンまいり」
イギリス人の煩わしさと厚かましさが面白いとともに、ひやひやしながら読んだ。
最後が痛快だった。
憧れの音楽を理解している者と、うわべで浮かれているだけの者との対比が面白かった。
「クレスペル顧問官」
非常に変人で危険な面もありそうに見えたクレスペルだが、人の真実は外から推し量れるわけではないのだな、ということをしみじみ感じさせる作品だった。
多分親子だな、ということは想像がついた。
ラストは、きれいにできていた。
え、でも、Bも死んでいたってことだよな?
「エゴイストの回想」
なんだか、すごく音楽家的な小説だったのに、この作者だけ音楽家じゃないのか。
でも、だからこそ、こういった天才音楽家の話が書けたのかもしれない。
心のやわらかい部分は、ニネットが司っている。
生活のために音楽をひいていた、お母さんみたいなニネット。
そのニネットに支えられて今の彼はあるのだけれど、子供は元気なうちは、死が近づくまでは、母のぬくもりを忘れて駆けるのだ。
どの作品もとても面白かった。 -
音楽にまつわる三作品。
『ベートーヴェンまいり』はヴァーグナーが小説も書いているとは知りませんでしたがイギリス人の扱い方がひどく、ドイツ人から見たイギリス人のイメージはこういうものなのかと思いました。 -
ヴァーグナー『ベートーヴェンまいり』
ヴァーグナーってあのヴァーグナーさんですよね。小説も書いていたのですな。意外と面白い。
ホフマン『クレスペル顧問官』
ドストエフスキーやポーに影響を与えた人だと。歌劇めいたというか、回想を軸にしたいかにもドラマチックな物語。
ダウスン『エゴイストの回想』
著者は早逝のロリコン。世話になった女性を乗り越えて(見捨てて)出世していく男というモチーフ。よくあるがけっこう沁みる。 -
2013.3.25
『ベートーヴェンまいり』ヴァーグナー
イギリス人のいわれよう。
『クレスペル顧問官』ホフマン
きれいに作ったはなし。
『エゴイストの回想』ダウスン
哀愁。
みなさん絵やら音楽やら詩やら小説やらなんでもできてすごいこと。ただどうも重みはない。 -
ヴァーグナー『ベートーヴェンまいり』
ホフマン『クレスペル顧問官』
ダウスン『エゴイストの回想』 -
110929読了
コミカルな最初、顧問官が奇怪なまんなか、ひんやりとかなしい最後とどれもよかったなあ
顧問官のエキセントリックな動きは読んでておもしろかったのと実際いたらこわいってきもちがまじる
最後のは名器の魅力にとりつかれた天才の代償とか、うすぐらい感じで好きだ
全員外国作家ってちょっとめずらしいな
この本の翻訳の文章のずっしり感すきだ