新・幸福論

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591126950

感想・レビュー・書評

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  • ぼんやりとした不安

  • 一杯のホットコーヒーにひと息つく一瞬に、幸せを感じる柔軟な心持ちが人を生かすのではないかと実感を語っていた。本当にその通りだと思う。私もささやかな日常のささやかな幸せを見逃さないように、小さな気づきを積み重ねて、自分なりの幸せを築きたいと思った。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/57859

  • 2012年頃読了。
    ★は当時付けたもの。

  • 「青い鳥」の去ったあとを生きなければならない。
    格差と、ふとしたときに感じる喜び。命を食べること。
    盲目であることが幸福なら、私は盲目ではありたくない。

  • 現代人の常識にとらわれず、人間関係の多様性のなかで幸福とはなにかを探求している。

  • 五木寛之 著「新・幸福論」、2012.3発行です。芥川龍之介が、昭和2年、「ぼんやりした不安」で睡眠薬自殺をした。東日本の大災害のあとの日本、そんな時代ではと著者は感じてます。一億総中流、原子力の平和利用、福祉社会、高度成長・・・、そんな「青い鳥」が去ってしまった今、私たちはどうするのか、冬の時代の幸福、希望とは?! 「幸福は遠くに夢みるものではない。生活の身近なところに、日常の平凡な片隅にある」本当にそう思います(どんな時代であれ)健康であることが幸せの一つだと思いますし、社会のお荷物にならない長寿も。

  • 「青い鳥」の飛び去った空しい日常の中で、自分なりの幸福を探す事ができるか。探す自由がある事そのものが幸福と思えるか否か。そのために必要なのは人間の情感・センチメントであると。

  • 読んでいて「ふ~ん。なるほどね~」と思いながらも内容がピンとこなかった。
    私の心に添うような話がなかった。

    幸福のイメージは、時代とともに変わる。
    百万人の人間がいれば、百万通りのちがう幸福がある。
    としながら、
    幸福の国ブータンを、金子みすゞの詩を、タイトルにあるメーテルリンクの「青い鳥」を、「星の王子様」を、「カモメのジョナサン」を取り上げて、そこから幸福とはどういうものか、という作者の考えを述べた本。

    まず、序盤に取り上げられた金子みすゞの詩「大漁」という詩から語られる幸福論。
    「なるほどね~」と思いながらも私は違う考えだな・・・と思った。
    その詩というのは、鰯が大漁に捕れて、人間たちは喜ぶ。浜は「祭だ」と喜ぶが、その影では、海の中では魚たちのお弔いがされているだろうという詩。
    ここから作者は、
    『金子みすゞは、人間にとって大事な感覚をもって生きていた詩人です。
    しかし、世俗的な意味では、必ずしも幸福ではありませんでした。』
    『人生のあらゆることに、残酷な真実を見てしまう。そして素直に幸福をよろこべない。そんな心を病める心というならば、魚がかわいそう、というのはまさしく病める心の状態です。』
    と書いている。

    確かに、素直に「大漁だ!大漁だ!」と目に見えるものをただ見て喜ぶというのが素直で健やかな感覚かもしれない。
    でも、その裏側にあるものも見る、見られる繊細な感性というのは、反対の状況の時にも生きるものだと私は思う。
    人が何も感じずに通り過ぎる中にもそういう人は幸せを感じられる。
    悲しみも喜びも幸せも人の何倍も何十倍も味わえる人だと思う。

    同じように幸せというのは、そのものでなく、幸せを感じる力のことだと私は思う。
    それは、美味しいものを食べて幸せ~というのとは違う。
    何故なら、その幸せはその美味しいものがないと感じられない。
    だから、そのものが無くなったら・・・という不安と背中合わせの幸せだと思う。
    そうでなく、もっと自分の内なる中にある動かない幸せ感が幸福なのだと思う。

    所で、この本のサブタイトルに使われている「青い鳥」の原作では、青い鳥は見つかるものの、最後に逃げてしまうのだそうです。
    そして、エンディングは「どなたかあの鳥を見つけた方は、どうぞぼくたちに返してください。ぼくたち、幸福に暮らすために、いつかきっとあの鳥がいりようになるでしょうから」というチルチルの悄然としたセリフでしめくくられる。
    何てはかなくあっけない幸福でしょう。

  • 家にあったので読んでみました。おもしろかったです。
    さすが、五木寛之氏。落ち着いた文体で、しみじみと幸福について語っています。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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