冬の童話 (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 89
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591126974

作品紹介・あらすじ

たとえ明日が世界の終わりであっても――。
大ベストセラー『天国への階段』、『竜の道』を凌駕する白川道の真骨頂!


暗い過去と孤独を糧に出版界でのし上がった男・稲垣聖人。
マスコミの寵児として生きる華やかな日々の中、理想と現実の挟間で疲弊していた。
大いなる才能と美しい心を持て余し虚無的に生きる女・名高そら。
ひたすら懸命に働かざるをえない慎ましやかな日々の中、夢などとうに捨てていた。
出逢うはずのなかった二人が運命的に出逢った冬の夜、あまりにも過酷な運命の歯車がまわりだす――。

人を愛したことがあるすべての人へ、
大人気ハードボイルド作家・白川道が満を持して贈る「永遠の愛のかたち」。
渾身の筆であぶり出された衝撃の結末に涙がとまらない、
一気に読めて一生のこる傑作が遂に文庫化。

第18回島清恋愛文学賞候補作!

感想・レビュー・書評

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  • 冬の童話というより大人の童話という感じがしました。
    こんな純愛があって欲しい。
    現実にあるわけないから童話なんですよね。
    そう思うのは自分だけかな。

  • 白川道が死んだ。偶然手にした「流星たちの宴」、「海は涸いていた」以来、熱心に読んできたつもりが、「冬の童話」だけ読み漏れていたことに気づき、書店に注文するよりも早いので図書館で借りて、朝起きてから半日で一気に読み終わった。泣いた。白川さん、あんた自分が死ぬときの理想を書いてたんだね。出自がどうであれ、功成り名を遂げて若い美人に看取られて死んでいくなんて、男が誰も願うことだよね。そりゃ、話があまりに都合良く出来すぎというありきたりの批判めいた言い方はあるだろうけど、どうせ死ぬなら、こういう死に方したいよね。あんたの5歳下だけど、波瀾万丈、好き放題の生き方、俺にはできなかったけど、あんたの小説、大好きだったよ。

  • 白川道の小説はあまりにうまいことことが運びすぎるところはあるけれど嫌いじゃない。

    人生に何度かそういう時はある。

    そして、普通に生活していたら出会わない二人が何かの拍子に出会ってしまうこともある。

    そういうところから始まったお話。


    ハッピーエンドでないほうが純愛でいられるのかもしれない。

    本人が幸せならそれが一番。


    恋愛も人生も密度って大事だと思う。

  • あの白川道先生が書く恋愛小説です。稲垣聖人と名高そらの恋愛の行方に久しぶりにこの手の小説を読んで胸が熱くなりました。そして合間合間にはさまれている『小ネタ』にも白川道ファンにはにやりとさせられました。

    おそらく主人公の稲垣聖人のモデルはあえて名前はここでは書きませんが、出版界の風雲児といわれたあの方なのでしょう。できることなら僕ももし本を出すならここで出したいなんて不埒な夢を持っています。それはさておいて、ヒロインの名高そらは白川道小説のヒロインらしく、主人公よりもかなり年下の21歳です。そういったものをさしひいても、この人の小説は僕を物語の世界にぐいぐいと引っ張っていくんですね。

    聖人はそらを最初はデリヘルでよぶんですけど、そらの持つ美しさと気高さに心を奪われてそこから物語は展開していくんです。本が売れないといわれる出版界の裏事情や、白川道先生が実際に小説のタイトル変更を勧められたこと、そして自分の小説の変更前のタイトルがあるところで使われていて、白川道ファンには思わずにやりとさせられました。そして、後半の聖人のそらへの全てを捧げつくす「無私」ともいえるハイライトの場面には思わず目頭が熱くなりました。

    重要な登場人物の石田宏ではありませんが、彼と同じように、聖人とそらの愛の行方に涙しました。そして、歌手になるという夢に歩き出したそらの気高さがなんともいえず美しくて、この小説では本来ラストに持ってくる場面を最初に持ってきているので、最後まで読んだ後にもう一度最初のほうに戻ってくると、二人が辿った愛の軌跡が理解できます。

    何かの雑誌で白川道先生が
    「気持ちのいい読書をしてほしい」
    と語ってたのを見たことがありまして。この小説はその言葉を裏切らないものであると確信を持っています。

  • 設定されるハードルとかがどうもありきたりな気がする。それに序章を読んんでしまうと大筋の物語がわかってしまうのも残念。しかもページ数のわりに内容薄いような...

  • 童話。アリだと思う。
    あっという間に読み終えた。

  • 鮨店の若い板さんが「イチ押し」だというので読んでみる、初・白川道。
    小生はおじさんだし心が汚れているため恋愛小説が苦手なので、「愛してる」の連発にお尻がムズムズ。
    その上、「新しく出版社を立ち上げるに際して大御所作家数名の同時刊行」という男性主人公のモデルが明らかに幻冬舎の見城徹さんで、読書中ずっと見城さんの強面が浮かんでしまい、没頭できませんでした。
    こういう小説は若者が読んで涙するものだと思いまする。板さん、ごめんなさい。

  • これはちょっと…

  •  48歳と21歳か〜…うーん、まぁあるっちゃあるか。と、まぁそこはヨシとして。この文庫、嵩が結構あるので、読了まで時間かかるかな? と思っていたのですが、スラスラと一気に読めました。ということは、なかなかおもしろく読めたということの気がしますが、「恋愛小説」は主人公の二人のどちらかを病気にしたり殺せば(病気で死なせればの意)良い。「お涙頂戴!」みたいな慣習はなんとかならないものか…。
     そして21歳の女性に自分のことを自分の名前で呼ばせるのはちょっとキモチワルイ。いるっちゃいるんですけどね。。。小説でまでやられるとやだなぁ。

  • う〜ん、あまり響かない恋愛小説。

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