- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591130377
感想・レビュー・書評
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決して人前で読んではいけない本。電車の中で、目に涙をため、鼻をすすりながら読んでしまった。
亡くなった人と残された人が心をつなげて向き合えるように、遺体の損傷を生前と同じように復元していく納棺師である著者。
ページをめくればめくるほど、改めて東日本大震災の壮絶さを感じさせた。
また、著者の仕事への姿勢と優しさが伝わってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
電車で読んではいけない、、、
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個人の表情をなるべく生前に近づけるように整え、遺族とのつながりを持たせる参加型納棺を生業とする筆者。彼女が経験した多くの現場での出来事をスケッチし、優しく温かい筆致で綴った前半からは、死が決して悲しいことではなく、心をつなげて送ってあげる大切さを感じる。そして震災から被災地で遺体の復元ボランティアを始める後半には言葉がなかった。しかしどんな状態になっても、個人を遺族の元に迎えられるようにして、送り出せることは同じ。自分の大切な人が最期を迎えた時はどうだろうか、ということも考えてしまった。
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泣ける。
人前で読んではダメ。
震災を体験した自分でも、改めて辛い出来事だった事を思い返しました。 -
震災ボランティアに、おもかげ復元師なる職業があることを初めて知った。
震災のことを生々しく思い出した。あの日から二年ちかくたつけれど、初めて知ることもあり。
知ること、忘れないこと、これからも続けていこうと思う。 -
電車の中で読み始めたのだけど、最初から涙がボロボロでてきて、ハンカチで涙を拭きながら読んでいった。
人との別れはいつも辛いもの。
過去の別れ、そしてこれから来るであろう別れのことを思うと胸が痛い。
後半は地震後の東北でのボランティアの活動のことが綴られている。彼女がどれだけの人を救ったことか。
そして、どれだけの人が大切な人を突然亡くし涙したのか想像を絶する。 -
人間の死というものは必ずつきものです。
表面的にはわかってはいるのですが、いざ!という心の持ち方は必要なのかもしれないなぁ・・・
なんて感じてしまいます。
こんなお仕事をなさってる方もいらっしゃるのに学びでした♪ -
「おもかげ復元師の震災絵日記」で知った笹原さんの働き。震災後の過酷な遺体安置所での精魂込めた働きに頭が下がる。執念ともいえる、その凄まじさなのに、それを遥かに超える温かさ、やさしさ、思いやりに満ちている。自分の弱さを知りつつ、強くあろうとする、素晴らしい人だと思う。そして、その働きは。多くの人に支持され、支えられる。そのことへの感謝も、もちろん忘れない。人と人、心と心の繋がりの大切さと希望を心に灯してくれる1冊。
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第一回静岡書店大賞・特別賞受賞作(賞の対象は小説と児童書の二部門だったが、それでもこの本を推す声が多いことから特別賞となった)。死者とそれを見送る人々の間を取り持つ納棺師の仕事を通して、取り返しのつかない喪失となんとか向き合うための大切なことが語られている、と思った。実を言えば、手記というのはどうも我田引水な感じがすると個人的に思っていて読むのは苦手なんである。しかし東日本大震災の被災地で死者の復元ボランティアに携わった日々を綴った第六章以降には、只々圧倒された。
(現実を直視させることが一概にいいとは言えなくて、辛さを抱え込んでいる人の気持ちにより添ったケアがその心をほぐしていくんだな、と感じた。) -
673.93 サ 登録番号9678