- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591136362
感想・レビュー・書評
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2022/08/14
淡々とした報告的な文章。
著者はMさんをはじめ、ひきこもってる人たちをどう見てるのか、というか、ひきこもり問題をどうとらえてるの?という感じで、分析や自分なりの洞察が伝わってこない。他人の人生に対して、「ダメダメな人生」呼び、M君呼びも、失礼だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひきこもりの青年が生活保護を獲得するまでを描くドキュメンタリー作品。
ダメダメと言っても遊び回っているとか、悪さをしているとかそういう話ではない。
少しずつずれていて少しずつ出来ないのである。
でもそれが積み重なると生きるのも辛い。
おそらく発達障害的な行動様式であるが、発達であろうとなかろうと、生きづらさとそれを周囲に理解してもらうことの難しさを、なんとなく理解できるような気がする。
支援してあげたい気持ちも理解できるものの、当事者として関わるのもキツそうだというのが伝わってきた。 -
適応障害だか強迫神経症で、ひきこもりになっているもうすぐ40歳青年の立ち直りに向けた活動の記録
こういう場合は生活保護が必要 -
ノンフィクション
社会 -
MさんでなくM君である理由は読んでいくうちに読者にも分かる。
極めて根気強く対応する池上氏に感服しました。 -
40代ひきこもりのM君の社会復帰までの道のり
自分にはM君は不幸な星に生まれたとしか思えない。恵まれない生い立ちに、過去に何度も社会に拒絶された末のひきこもりだから同情するしかない。
なにより父親の存在が悪い影響ばかり与えている。
ひきこもりの原因とは複合的なものなのだなと改めて思う。
さらにM君の周囲の人を気にしすぎてしまう加害妄想とも言えるものは自分にも覚えがあるので共感も覚える。
そんなわけでM君にどうにかがんばってほしいと思いながらも、やはり普通の人にできることができない、コミュニケーションがうまくできない等のどうしようもなさにやるせなさも感じる。
だが何度挫けても、さらにチャレンジして、さらにサポートしてくれる人々にも恵まれ、いまだ途半とはいえどうにか社会復帰ができるところまでいけたのは本当によかったと安堵した。
そしてサポートする人々の心がまえや取り組みが素晴らしい。もっとこうした心がまえや取り組みが世間に知られれば、もっと世間は暮らしやすくなるのになと思う。
特に池上さんの距離を置きつつも拒絶しない、適度な距離感覚や根気強さには見習うべきものがある。 -
45歳で12年ひきこもっていたM君、自立を目指して奮闘した三年間のドキュメント。
なかなか、物語のようにすんなりと進まない、現実実際の状況がわかります。 -
ニート、ひきこもり、ホームレス…。増え続ける、こうした社会不適合者に社会はどう対応するのか。ベストな結末は、彼ら一人一人が訓練や経験を重ね、社会復帰し、税金を納める立派な社会人になってくれることだ。しかし、なかなかそううまくは行かないってことは容易にわかる。社会不適合者の履歴を持つ人間を社会や企業がそう簡単に受け入れるとは思えない。
こうして、社会不適合の立場から脱け出すことができないまま、彼らは年齢を重ねる。そして?
その続きは本書にて。しかし、この本は小説ではないので、劇的な大逆転なんぞは期待しないように。 -
「引きこもり」の方が外にでていくのは、本当に大変だなーとひしひしと感じた。
支えていく人や社会の役割は重要であろうが、何よりも本人の勇気は大きい。
当人、支援者が、互いに信頼できる人に出会えることを願う。 -
世間体とか偏見というものは、当事者が作ってて、勝手に空回りしてるものなのかな、と自戒を込めて思いました。
自分の中の偏見をなくさないと、生きやすくならない。
自分の中の偏見に立ち向かい乗り越えるのがスタートなのかなと。
このM君にイライラしたし嫉妬もする。
どういう状況であれ、ひきこもれる「実家」というものがあることに。
なんだかんだいって、お金が出てくることに。
ぶっちゃけ共感はできない。
ネッコの存在はよかったね。