一瞬の雲の切れ間に

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 439
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591147979

感想・レビュー・書評

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  • 意図せず大切な命を奪ったモノと奪われたモノの間には何故だか同じ様な感情が去来する様に思われた。助けを呼ぶ少年の笛の音が青い空に響き渡る。

  • 初めましての作家さん。

    砂田さんは映画監督なのですね!

    連作短編集。

    じわじわと心にしみる良い本でした。

  • 交通死亡事故の加害者、加害者の夫、その愛人、被害者の母、事故の目撃者の視点での連作短編。

    運転する身としては加害者になりうることもあり、母としては被害者遺族になることもあり得るため、そのどちらの立場も辛く悲しい気持ちで読みました。

    吉乃の気持ちを思うと、胸が苦しくなります。
    罪を刑を受けることで償う機会を得なかった美里は、今後もそれを背負って生きていくのでしょう。
    健二のダメっぷりは、このストーリーの中では必要悪だったように思いました。女としては許せませんが。

    決してすっきりすることのないストーリーばかりではありましたが、最後の目撃者の手紙で、吉乃が救われることを祈ります。

  • 自動車事故で加害者と被害者のその周辺。

    編集者との不倫、別れ。
    息子を事故で亡くした母親。

    妻が事故を起こし、不倫に溺れた夫。
    生まれてくる命、事故をきっかけに自分の意思で決断した命。

    生きることに嫌気がさしていた矢先に目撃した自動車事故。

    なんとも、切ない。

    いろいろ矛盾?疑問点?もあったんだけど

    まあそんな細かいところまで気にしてたらきりがないよな、ってなった。

    車の運転には気をつけよう。

  • 最近、角田光代さんの『森に眠る魚』、芦沢央さんの『悪いものが、来ませんように』、真梨幸子さんの『5人のジュンコ』、などとどろどろとした人間関係崩壊ものを読んでいました。

    8歳の少年の交通事故死を中心に、加害者の女性・その夫・その夫と不倫している女性・被害者の母・事故現場に居合わせた男性、とそれぞれの視点から話が始まる……ときたらもうこれは!と思って手に取ったところ全然違いました。

    うっかり感動してしまいましたが私はどろどろを求めていただけに自己嫌悪です。面白いんだけど裏切られた的な。

  • あるできごとを中心に描かれる複数人の視点の物語。最後の一遍、世界から息を消そうとする男性が息が消えようとする少年によって人生を変える結末に震える。

  • 17/03/11読了
    子どもを轢いた妻、その夫、その不倫相手、子どもの親、そして他人の連作短編。というのか群像劇か。どの編もよかったけれど、最後の一編がとても鮮やかだった。

  • 不倫、交通事故、生き方、夫婦
    吉乃の話、美津子に惹かれた。
    自己中のはっきりした物言いは同僚たちから疎まれてるけど、手のハンディも自己責任と思えば心が軽くなると言い放つ、裏がなく強い個性が潔い。
    子供を失った吉乃には、なにより気楽だったのではないかしら

  • 一篇ずつ面白いのだけど最後の一篇のためにある小説。連作だけれどもなんだか俳句のように一瞬を切り取る。

  • 静かな本。
    心の中を覗き込んで書き付けたもののように思えた。
    交通事故の起こす大きな波紋を、改めて感じた。
    気をつけなくては、と思う。

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