晴れたら空に骨まいて

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591152423

作品紹介・あらすじ

どう生きて、どう愛し、愛されたのか。散骨で浮かび上がる「生」が鮮やか。――宮下奈都(作家)

大切な人への想いをのせて、白い粉はふわりと舞いあがり、青い空へと吸い込まれた――セーヌ川にかかる橋、南国の「珊瑚の海」、ヒマラヤの麓など、思い出の地での散骨をはじめ、愛する故人を想いながら、軽やかに生き続ける5組の家族や友人たち。新田次郎文学賞受賞の注目作家が、深いまなざしで「生と死」をユーモラスに綴る、傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • この作品では、5組の家族(著者である川内有緒さんもですが)の、家族としての生き方と大切な人の看取りを経て、遺された家族がその後の人生をどう生きているのか…を、散骨を通して描く…。

    「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」がすごくよかったので、こちらの作品も読んでみました。タイトルにはびっくりさせられますが、心温まる内容です。また、この装丁がすごくいいですよね!この作品の装丁は作中に登場する矢萩多聞さんのものです。

    散骨ってそんなに構えなくてもできるものなんだなぁ…なら、私も家族にそう言っておけばどうか、ちょっと考えちゃいました。大切な人だから、最期の想いを叶えてあげたいって家族に思われるような自分になりたいなぁ…そう感じました。

    • つくねさん
      かなさん、こんにちはw

      パウダー状にした遺骨は散骨しても問題ないみたいですよ。
      いまは墓仕舞いされる遺族も多いようです。
      業者に加...
      かなさん、こんにちはw

      パウダー状にした遺骨は散骨しても問題ないみたいですよ。
      いまは墓仕舞いされる遺族も多いようです。
      業者に加工して貰い、父親の遺骨を故郷が一望できる山に散骨したことあります。
      千の風になって唄いながら撒きました。
      2023/04/02
    • かなさん
      しじみさん、こんばんは!
      そうなんですってね…!
      遺骨をパウダー状にして散骨することは
      法に触れることもないんですってね…
      私この作...
      しじみさん、こんばんは!
      そうなんですってね…!
      遺骨をパウダー状にして散骨することは
      法に触れることもないんですってね…
      私この作品を読むまで知りませんでした(汗)
      この作品では、異国の地にゆかりのあった方の
      散骨について描かれているので
      散骨も異国の地でされてます。
      でも、著者の川内さんは、
      日本海にお父様を散骨したようです。

      しじみさんもお父様をゆかりのある山に散骨されたんですね!
      お父様をいつも近くに感じられますよね。
      家族を想う気持ちは、
      どこにいても、もう逢えなくとも尊いものですよね!!
      散骨を機に、遺された家族もその後の人生を
      前向きに生きることができる…そんな風に思いましたよ。

      しじみさん、ありがとうございます。
      2023/04/02
  • 身近な人の死があったらどうするか。考えなければいけないけれど、不吉とかタブーな気がして話しにくい。でもそれは自分の思いであって、故人の思いではない。故人が笑ってくれるよう前向きな明るい送り方もあっていいんだ、と思えた。

  • 大切な相手 家族や友人や動物 など、を失ったとき、気丈にしなきゃいけないとか、その後も悲しみや後悔を引きずってはいけないと考えていた。
    でも、そんなことしたら心が悲鳴をあげそうで、怖いと思う自分もいた。

    がむしゃらに前向きになるんじゃなくて、自分が納得するまで何年でも振り返ること、思いつづけることが附落ちした。
    わたしも死んだら、たまには家族に思い出してもらいたい。
    今回は見送る立場で読んだが、自分がどう生きるかということも、このかっこいい行き方亡くなり方をされた方々から、刺激を受けた。もっともっと自分なりに濃く生きたい。

  • 医者ガチャ

    手術、人工呼吸器、断る。

    医者に勝手に入れられた呼吸器は外してもらう。

    死の恐怖を前に、何の書類にもサインはしない。

    今あることに感謝。

  • ちょうど分骨について考えている時に出会った本。散骨とは違うけれど、どちらにしても残された人が考え抜いてだしたやり方で送るのでいいと背中を押してくれた本でした。胸が熱くなりました。

  • 明るく表現されているけれど
    実は重い本でした。
    亡くなったどの方も実はもっと生きたかった。 
    生きてもっと成し遂げたかったことを
    ご家族や近しい方がその意をくんで
    次の世でもお続けなさいと空に骨をまく。
    それは今生きている人の心の区切りにもなって
    死者と共に生きていく新しい道が見えてくる。

    限られた命をどんな風に生きて
    死をむかえた後は
    ただの無になるのか
    生きてる人と共に生きるのか
    ただただ自由なのか
    答えは難しい。

  • 川内有緒さんのコトバはいつも瑞々しい。「今」を感じつつ一気読みし読了。

  • 大爆笑しながら読んだ。

    散骨は法律違反じゃないんだ。
    散骨という選択肢ができた。

    わたしもわたしの骨を持って短い旅をしてもらいたい。

  • 散骨を選んだ5人の遺族・近しい人への
    インタビュー。
    私も散骨とつもりで、葬儀社から情報ももらっているので、同志のような気持ちで読み始めた。

    散骨に至るまでの人生がすごい。
    型にはまる人はいない。
    2016初版ながら、インタビューは00初頭から
    はじめられたそうなので、
    散骨は特別なものだったのかもしれない。

    それが今や、私のような平々凡々な人間も選択する。

    生死についての意識も変わってきているのだろう。

  • 故人の骨を撒いた人たちの話。
    私は死んだら骨を撒いてほしくて、この本を読んだ。
    でてくる人たちはみんな違う人生だけど、好きなことやって、生きぬいた人たちだなって思った。

    1.世界中を旅した夫の骨を、世界の様々な場所へ
    (パリのポンデザール、大連の海、アメリカの友人の墓etc)
    2.妻の骨を、20年共に過ごした南の島(ロタ島)の珊瑚の海へ
    3.旅先のチェコで客死した父の骨を、チェコへ
    4.山に行きた夫(本職は医者、原真さん)の骨を、ヒマラヤへ
    5.インドで共に暮らした人を、インドのチトラヴァティー川へ

    悔いのないように、好きなことをして生きようと改めて思った。
    死者は、自分の重なっていくという考え方は、大事な人を失うことへの恐怖を少し和らげてくれた。たくさん向き合ったから、重なっていくんだと思うから、大事な人とたくさん向き合いたい。
    ヒマラヤの民族の子を養子にしたり、友人の子供を養子にしたり、知り合いを介護したりといったエピソードは、血の繋がりより心の繋がりだよなぁ...と思った。

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著者プロフィール

川内 有緒/ノンフィクション作家。1972年、東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業後、米国ジョージタウン大学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏の国連機関などに勤務後、ライターに転身。『空をゆく巨人』(集英社)で第16回開高健ノンフィクション賞を受賞。著書に『パリでメシを食う。』(幻冬舎)、『パリの国連で夢を食う。』(同)、『晴れたら空に骨まいて』(ポプラ社/講談社文庫)など。https://www.ariokawauchi.com

「2020年 『バウルを探して〈完全版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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