([ひ]5-1)失せ物屋お百 (ポプラ文庫 ひ 5-1)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 199
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591166086

作品紹介・あらすじ

<プロフィール>
神奈川県生まれ。『水妖の森』で、ジュニア冒険小説大賞を受賞し2006年にデビュー。主に児童書で活躍しているが、一般小説も手掛けいる。作品に、「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」「十年屋」「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。

<内容>

薄気味悪い住人が集い、怪しい大家が取り仕切る、この世の果てのような長屋―-通称「化け物長屋」に住む女・お百は生まれつき左目が青い。
その目は青いだけでなく、不思議なものを見つける力、人には見えないものが見える力を宿している。それゆえに実の親からも疎まれ、様々な苦労をしてきた。
行き遅れたまま三十路近くになった今では、すっかりひねくれ、やさぐれ、かつ開き直っており、不思議な目を使って「失せ物屋」を営んでいる。

ある晩、死にかけていた子狸・焦茶丸を助けたところ、お百を見るや、「主様の鱗を返せ!」と言う。
三十年ほど前、山神の鱗百枚がばらまかれた。山神の浮気を怒った女神のしわざで、鱗はあちこちに飛び散ったという。山神は家来達に鱗を集めるように命じるが、まだずいぶん欠けたままだという。そして、子狸の言うことには、その鱗の一枚が、お百の左目に宿っているというのだ。

自分が苦しんできたことの発端が、神様の痴話喧嘩だと知り、お百は激怒。「この目で千両稼ぐまでは、絶対に返さない!」と宣言する。目を離すわけにもいかないと、焦茶丸も一緒に暮らすことに。
以後、一人と一匹は、江戸に満ちる様々な因果や失せ物を見つけることとなる――

感想・レビュー・書評

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  •  不思議な青い左目で人には見えないものを見る力のあるお百は、いわく付きの捜し物を請け負っている。そこに失われた主の鱗を探す化け狸の焦茶丸が居着く。
     死にかけた老人の忘れた記憶から隠した物を探したり、水死した娘が落とした簪を探したりと、次から次へ不思議な依頼が舞いこむ。
     生きている人間が一番怖いというわけで、真相は人間の狂気を垣間見せるもので重苦しい。しかし、お百の威勢のいい啖呵や焦茶丸の健気さで読後感は悪くない。

  • お百さんいいキャラですね。この設定だと鱗を探す展開になりそうですが、そうならないあたり焦茶丸は不憫ですが。
    あまり時代ものっぽい感じが強くないので、このまま現代ものにも置き換えられそう。巻数の表示はないですが、シリーズ化しそうな感じですね。

  • 序章というべき1作目なのでしょうが、安定感抜群、軽く読める割りに重厚感あるストーリー。
    きっと千両箱は隙間だらけなんだろうけど、これからの展開、二人の掛け合いに期待が大きい。

  • 初読みの作家さんです。

    ミステリーとファンタジーを合わせたような作風はよく見ますが、一気に読み終えてしまうくらい面白かった。
    続きが楽しみですね(^^)

  • 人には見えないものが見えるお百と化け狸の焦茶丸が、色んな依頼に対応していく、ラノベ的時代小説。

    子どもなのに世話好きでお母さんみたいな焦茶丸がとに可愛い!

    化け物長屋の個性的な面々も魅力的だし、ストーリーもまだ中途半端だし、シリーズ化されていくのかな?というかんじ。

  • 目が青い事で色々あったお百ですが、今は凄くさばさばと自分の力で強く生きていて格好良い。お百と焦茶丸のでこぼこコンビが可愛くて楽しい。

  • 2021.11.13

  • 978-4-591-16608-6
    C0196¥640E.

    失せ物屋お百

    ポプラ文庫

    作者:廣嶋玲子(ひろしま れいこ)
    2020年2月5日 第1刷発行

    発行所:株式会社ポプラ社

    裏表紙より
    「化け物長屋」に住むお百の左目は、人には見えないものを見る。お百はその力を使っていわくつきの捜し物を行う「失せ物屋」を営むが、そこに化け狸の焦茶丸が転がり込んできて・・・。
    忘れた記憶、幽霊が落とした簪。奇妙な依頼に隠れた江戸の因果を、お百と焦茶丸が見つけ出す。
    -------------------------------

    プロローグでは焦茶丸との出会いを、エピローグでは受けた依頼を無事に成功させ、お山へ里帰りしていた焦茶丸が化け物長屋へ帰ってきたところで終わる。
    依頼を受け、それを成し遂げる。次の依頼が来る。という運びなんだけど、目次が無いし、まえがきもあとがきも作品に含まれる。
    この作者さんの他の作品は目次があって、章立てしてあるんだけど、出版社の意向なのかな?奥付も「廣嶋玲子」の名前の記載はあったけど、作者とも著者とも書かれていない。あまり見たことのないスタイル。今後はこんな感じの記載が増えるのかしら?
    ----------------------------
    プロローグの後、1から6まで有って、最後エピローグで、焦茶丸が帰ってくる。
    長屋の住人は 拝み屋の藤次郎と年齢性別不詳の役者崩れの猿丸、そのほかに大家の銀子とその孫の双子の巨漢。
    この次の作品(2020年9月5日発行)も楽しみです。
    作者さんは児童書:ふしぎ駄菓子屋銭天堂シリーズや妖怪の子預かりますのシリーズも書いてます。
    充分楽しめました。

  • 面白かった!
    お百と化け狸の焦げ茶丸のコンビが最高。
    焦げ茶丸の命名の経緯もw
    お百は、その目の色と能力故に悲惨な過去を背負っているけれど、焦げ茶丸と過すことで少しでも癒されていってほしい。
    最終話、お百のピンチにはどうなるかと思ったけど、ああいう結末で本当によかった。
    2人の活躍の続きが楽しみ。

  • 「化け物長屋」に住むお百の左目は、人には見えないものを見る。お百はその力を使っていわく付きの捜し物を行う「失せ物屋」を営むが、そこに化け狸の焦茶丸が転がりこんできて―。忘れた記憶、幽霊が落とした簪。奇妙な依頼に隠れた因果を、お百と焦茶丸が見つけ出す。業と人情の詰まった、江戸あやかし物語。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』、『おっちょこ魔女先生』、『盗角妖伝』、「怪奇漢方桃印」シリーズ、「秘密に満ちた魔石館」シリーズ、「十年屋」シリーズ、「鬼遊び」シリーズ、「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。

「2023年 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂1・2・3(3冊セット)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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