- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591166086
作品紹介・あらすじ
<プロフィール>
神奈川県生まれ。『水妖の森』で、ジュニア冒険小説大賞を受賞し2006年にデビュー。主に児童書で活躍しているが、一般小説も手掛けいる。作品に、「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」「十年屋」「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。
<内容>
薄気味悪い住人が集い、怪しい大家が取り仕切る、この世の果てのような長屋―-通称「化け物長屋」に住む女・お百は生まれつき左目が青い。
その目は青いだけでなく、不思議なものを見つける力、人には見えないものが見える力を宿している。それゆえに実の親からも疎まれ、様々な苦労をしてきた。
行き遅れたまま三十路近くになった今では、すっかりひねくれ、やさぐれ、かつ開き直っており、不思議な目を使って「失せ物屋」を営んでいる。
ある晩、死にかけていた子狸・焦茶丸を助けたところ、お百を見るや、「主様の鱗を返せ!」と言う。
三十年ほど前、山神の鱗百枚がばらまかれた。山神の浮気を怒った女神のしわざで、鱗はあちこちに飛び散ったという。山神は家来達に鱗を集めるように命じるが、まだずいぶん欠けたままだという。そして、子狸の言うことには、その鱗の一枚が、お百の左目に宿っているというのだ。
自分が苦しんできたことの発端が、神様の痴話喧嘩だと知り、お百は激怒。「この目で千両稼ぐまでは、絶対に返さない!」と宣言する。目を離すわけにもいかないと、焦茶丸も一緒に暮らすことに。
以後、一人と一匹は、江戸に満ちる様々な因果や失せ物を見つけることとなる――
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
お百さんいいキャラですね。この設定だと鱗を探す展開になりそうですが、そうならないあたり焦茶丸は不憫ですが。
あまり時代ものっぽい感じが強くないので、このまま現代ものにも置き換えられそう。巻数の表示はないですが、シリーズ化しそうな感じですね。 -
序章というべき1作目なのでしょうが、安定感抜群、軽く読める割りに重厚感あるストーリー。
きっと千両箱は隙間だらけなんだろうけど、これからの展開、二人の掛け合いに期待が大きい。 -
初読みの作家さんです。
ミステリーとファンタジーを合わせたような作風はよく見ますが、一気に読み終えてしまうくらい面白かった。
続きが楽しみですね(^^) -
人には見えないものが見えるお百と化け狸の焦茶丸が、色んな依頼に対応していく、ラノベ的時代小説。
子どもなのに世話好きでお母さんみたいな焦茶丸がとに可愛い!
化け物長屋の個性的な面々も魅力的だし、ストーリーもまだ中途半端だし、シリーズ化されていくのかな?というかんじ。 -
目が青い事で色々あったお百ですが、今は凄くさばさばと自分の力で強く生きていて格好良い。お百と焦茶丸のでこぼこコンビが可愛くて楽しい。
-
2021.11.13
-
面白かった!
お百と化け狸の焦げ茶丸のコンビが最高。
焦げ茶丸の命名の経緯もw
お百は、その目の色と能力故に悲惨な過去を背負っているけれど、焦げ茶丸と過すことで少しでも癒されていってほしい。
最終話、お百のピンチにはどうなるかと思ったけど、ああいう結末で本当によかった。
2人の活躍の続きが楽しみ。 -
「化け物長屋」に住むお百の左目は、人には見えないものを見る。お百はその力を使っていわく付きの捜し物を行う「失せ物屋」を営むが、そこに化け狸の焦茶丸が転がりこんできて―。忘れた記憶、幽霊が落とした簪。奇妙な依頼に隠れた因果を、お百と焦茶丸が見つけ出す。業と人情の詰まった、江戸あやかし物語。