もののけまもる森 (シリーズ・自然いのちひと 21)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 29
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (45ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591167120

作品紹介・あらすじ

ぼくの仕事は野生の生き物たちを写真におさめることだ。毎年のように、南のあたたかな海ぞいにある、たくさんの生き物たちにであえる森をおとずれている……
そして、夜。「ここはオレたちの森だ」と、ぼくの目の前にあらわれたのは、真っ赤な顔をしたギョロ目のおばけ? 魔物? 妖怪? 怪物? 「これからおまえに森を案内しよう」という声に、ぼくはおびえながらも、いっしょに森に入っていった。
そこでぼくがであったのは、みずからを「もののけ」となのる、さまざまな生き物たち。怪しい声で叫ぶもののけたちの話を聞いていると、みな、人間のことをきらっているよう。
そして、ぼくは、ひとはこれまで自然のありさまにおそれと感謝の念を抱き、いのりをささげ、ともに生きてきたことを思い出す。しかし、いまひとはおそれを忘れ、とりかえしのつかない破壊をくりかえしている……。
世界中の森で生き物たちに出会い、森林破壊のようすに心をいためてきた環境ジャーナリストの藤原幸一が、インパクトある写真と構成で、森とひとがともにくらすための心のありようをわかりやすく語る、新しい切り口の写真絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の写真が印象的ですよね。
    中身も、人の住む世界とは違う世界のような森の写真が出ています。



    もののけに案内されて夜の森に入ったカメラマンの著者の前に現れたもののけたち。
     人間は来るな。
     森の命は自分達が守る。

    著者は森の主である巨木の前に出る。
     むかし人間は豊かな自然の恵みをもたらす森に精霊や神の存在を感じて大切にしていた。
     森は死んだ生物、倒れた植物を土に還す。その土から新たな生命が芽生える。
     だが今は人間は森の仲間ではない。
     
    人々が森に神やもののけを感じ畏れ敬っていた。
    人間も生と死のサイクルの一員として、自然の森と共生してきた。
    今では人間は精霊信仰をなくし、自然は人間のための道具だとみなすようになっている。

    人間も自然の一部として、”違うもの”を敬う気持ちを持っていたいですね。

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著者プロフィール

生物ジャーナリスト・写真家・作家。
:ネイチャーズ・プラネット代表。学習院女子大学非常勤講師。秋田県生まれ。日本とオーストラリアの大学・大学院で生物学を専攻し、グレート・バリアー・リーフにあるリザード・アイランド海洋研究所で研究生活を送る。その後、野生生物の生態や環境に視点をおいて、世界中を訪れている。日本テレビ『天才!志村どうぶつ園』監修や『動物惑星』ナビゲーター、『世界一受けたい授業』生物先生。NHK『視点・論点』、『アーカイブス』、TBS『情熱大陸』、テレビ朝日『素敵な宇宙船地球号』などに出演。
著書に、『えんとつと北極のシロクマ』(少年写真新聞社)、『環境破壊図鑑』『南極がこわれる』『アマゾンがこわれる』(以上ポプラ社)、『地球の声がきこえる』(講談社)、『森の声がきこえますか』(PHP研究所)、『きせきのお花畑』(アリス館)、『ヒートアイランドの虫たち』(あかね書房)、『小さな鳥の地球たび』『地雷をふんだゾウ』『ガラパゴスに木を植える』(以上岩崎書店)、『森の顔さがし』(そうえん社)など多数。

「2018年 『砂漠が泣いている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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