11の秘密 ラスト・メッセージ

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 344
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591172186

作品紹介・あらすじ

最後に届けたかったのは――。

隠された幻の家訓、ある一族の謎めいた掟、読まれるはずのなかった遺言……
さまざまな形で残された<ラスト・メッセージ>とは?


秘められた思いが届くとき、驚きの結末に心揺さぶられる……
各ジャンルで活躍する実力派女性作家11名による、豪華アンソロジー!

大崎梢/近藤史恵/篠田真由美/柴田よしき/永嶋恵美/新津きよみ/ 福田和代/松尾由美/松村比呂美/光原百合/矢崎存美

感想・レビュー・書評

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  • もうひとつある鷹宮家四訓/大崎梢
    大切な人を思いやる気持ちが温かくて良い話だった。

    孤独の谷/近藤史恵
    言葉を使えば使うほど死に近づいていくなんて、なんと恐ろしい。。。本当に孤独で寂しい。ラストがちょっとホラーだった。

    猫への遺言/柴田よしき
    コロナで急逝した夫が隠していた秘密が、読まれるはずのなかった遺言書によって妻が知ることになってしまう。なんとも言えないが、夫に共感できるところはあるなぁ。

    十年日記/新津きよみ
    良い話。すごくホッコリした。真央さんにまんまとやられた。ってか勝手に勘違いした。

    そのハッカーの名は/福田和代
    ネタバラシの前に見抜けなかったのめっちゃ悔しい!

    青い封筒/松村比呂美
    手紙って良いよね。不器用な男子高校生の純朴な一面にほっこりする。父親ってのはほんといいかっこしぃだな。

    久々に短編集読んだ。たまにはいいかも。

  • 【収録作品】「もうひとつある」 大崎 梢/「孤独の谷」 近藤 史恵/「扉を開けて」 篠田 真由美/「猫への遺言」 柴田 よしき/「キノコ煙突と港の絵」 永嶋 恵美/「十年日記」 新津 きよみ/「そのハッカーの名は」 福田 和代/「みきにはえりぬ」 松尾 由美/「青い封筒」 松村 比呂美/「黄昏飛行 時の魔法編」 光原 百合/「たからのちず」 矢崎 存美

    さまざまな形で残された「ラスト・メッセージ」を巡る短編集。どれも味わい深い。
    「もうひとつある」隠された幻の家訓。鷹宮家には4つの家訓が残されていたが、もう一つ隠れた家訓があるという。大学院で歴史を研究する高校時代の先輩に請われて、鷹宮家の傍流に属する絵茉は共にその家訓を探す。
    「孤独の谷」ある一族の謎めいた掟。誰かが謎めいた死を遂げると、一族は離散しなければならないという。教え子から相談を受けた大学講師がその謎を探る。
    「扉を開けて」『万国古物取扱 銀猫堂』を訪れた「私」。店主に、鍵の掛かった遺品を見るために開けようとする女性を止めてくれと頼む。
    「猫への遺言」コロナ禍で死んだ夫の遺言状を読んだ妻の思い。
    「キノコ煙突と…」戦時中の樺太から話が始まる。そして現代へ。
    「十年日記」九十歳で亡くなった祖母がずっと付けていた日記。心残りは拾った指輪を返せなかったこと、と書かれていた。
    「そのハッカーの名は」警視庁サイバー犯罪対策課の増崎はハッカーの「豆歌」を追い、自給自足の生活をしている老人の元を訪れる。
    「みきにはえりぬ」亡き母が歌っていた歌に隠された秘密。
    「青い封筒」真穂子は、高校生の息子と頻繁に夕食を食べに来る友人たちとの距離感を図りかねている。
    「黄昏飛行」コミュニティFMに勤める永瀬真尋の元にはさまざまなリスナーから手紙が送られてくる。
    「たからのちず」亡くなった祖母の遺品から出てきた、自分が書いたと思しき「たからのちず」。覚えのない香月はその場所を探す。

  • 2021年12月ポプラ社刊。書き下ろし。シリーズ8作目。大崎梢:もうひとつある鷹宮家四訓、近藤史恵:孤独の谷、篠田真由美:扉を開けて、柴田よしき:猫への遺言、永嶋恵美:キノコ煙突と港の絵、新津きよみ:十年日記、福田和代:そのハッカーの名は、松尾由美:みきにはえりぬ、松村比呂美:青い封筒、光原百合:黄昏飛行時の魔法編、矢崎存美:たからのちず、のラストメッセージわテーマにした11編。近藤さんの病気の伝奇的な話が興味深い。篠田さんのファンタジックなオチに感動。永嶋さんの場所と時を越えたダイナミックな展開は見事。新津さんのラストに脱帽。福田さんの推理が秀逸。松村さんは良い話だが、家族にやや無理感あり。

  • 今回も楽しませてもらいました!アミの会(仮)のアンソロジー。
    近藤史恵さんの「孤独の谷」はこわい話でしたが最後に見事にやられました。
    新津きよみさんの「十年日記」は心温まる話でよかったです。
    松村比呂美さんの「青い封筒」はうちでは絶対にないかもと思いました。

    232ページの静まり帰ったは静まり返ったでは?

  • アミの会の11人の作家さんによる短編集
    「アミの会(仮)」のアンソロジー第9弾

    この本で初めましての作家さんは
    永嶋恵美さん、松尾由美さん、光原百合さん

    さらさらと楽しみながら読めました。

    ところで、なぜ「アミの会(仮)」?と思っていたら
    「アミの会」の名前の由来を書かれた記述がありました。


    以前、「雨の会」という若手作家集団があり
    ”雨の会編”のアンソロジーが出版されました。
    その「雨の会」へのリスペクトも込めて、
    とりあえず仮の名を「アミの会(仮)」ということにしたら
    なぜかそれが一番しっくりきてしまったということなのです。
    網のように広がる交友関係だとか、
    フランス語でamiは友達と言う意味や
    「親しげである」という形容詞だったりもします。
    女性作家らしい花の名前の会も素敵ですが、
    このちょっととっちらかった感じや、
    「なにそれ?」みたいな引っかかりもおもしろいのではないでしょうか。


    なるほど~、そういういきさつだったのね。

    で~、
    その「アミの会(仮)」ですが、めでたく(?)、「仮」が取れて
    ≪アミの会≫となったそうです!
    パチパチパチパチ~!

  • 人気作家によるメッセージを主軸とした11つのショートストーリー集!
    あたたかいお話しもあれば少しゾッとするようなお話しもあり、一つ一つが長すぎず短すぎず読みやすい長さでした。
    私のお気に入りの作品は
    ☆孤独の谷
    ☆そのハッカーの名は
    ☆青い封筒

  • アミの会(仮)のアンソロジー。書き下ろしが毎度のことながら嬉しい。
    11人の11の話。きっとお好みがあるはず。

    私のおすすめは、「猫への遺言」「十年日記」「青い封筒」。
    「猫への遺言」は、亡くなった夫からの手紙。
    知りたくなかった秘密が明かされて、胸が痛む。
    それは妻の側からの痛みだが、一方で夫の心も少しわかる気がする。
    夫の方の胸の痛みは、甘やかな痛みと、突き刺さるような痛みの2種類。
    生きていれば、そういうこともあろうか、と思ってしまう。
    最後に伝えられる愛の言葉は、明かされた秘密への悲しみを癒してくれるだろうか。
    それとも、それはそれ、なのだろうか。
    わたしは、それも含めて、やっぱり夫を愛している、という意味だと思いたい。

    「十年日記」は、最後にひっくり返されて嬉しい驚きだった。
    これは文章だからこそ、だなぁ…
    そして、無くした指輪が収まるべきところへ収まったのは、実に胸熱。
    初っ端からいきなり日記が途切れるのでどうなることかと思ったが、綺麗な着地で、こんな文が書いてみたい、そんな野望がむくむく。

    「青い封筒」は、亭主関白な父親と、思春期真っ只中の息子と。
    夕飯を食べていくのに睨め付ける流ような目で見る息子の友達。
    これ、嫌な方向にいかないといいなぁ…とドキドキしていたが、涙あふれる展開。
    あんまりにも感動して、寝ている子供を抱きしめたり撫でたりしていた。
    嫌なこともいっぱいあるけれど、子供って良いなぁ、いい子に育っていてくれているなぁ、世界で一番可愛いなぁと胸がいっぱいになった早朝のこと。

  • 女性作家によるラスト・メッセージをテーマにした短編集。悲惨な話や怖い話はなく、ホッとする話が多かった。他の本と並行して気分転換に読んだ。

  • ①キノコ煙突と港の絵/柴田よしき
    ②そのハッカーの名は/福田和代
    ③十年日記/新津きよみ


  • だいたい10分程度で読めるものが多く、
    隙間時間に読書するなら
    いいかも。
    でもパターン化してきて、
    どれも同じような話に感じた。

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著者プロフィール

アミの会実力派女性作家集団。これまでの刊行作品は『アンソロジー 捨てる』『毒殺協奏曲』『アンソロジー 隠す』『迷 まよう』『惑 まどう』『怪を編む ショートショート・アンソロジー』『アンソロジー 嘘と約束』『アンソロジー 初恋』『11の秘密 ラスト・メッセージ』『おいしい旅 想い出編』『おいしい旅 初めて編』。執筆者は作品によって異なり、メンバー以外の作家がゲストとして参加することもある。本作にはゲストとして原田ひ香が参加している。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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