その本は

  • ポプラ社
3.65
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591174326

作品紹介・あらすじ

本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。王様は二人の男を城に呼び、言いました。
「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。
お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。
そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」

旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、王様のために夜ごと語り出した―。

芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケによる、抱腹絶倒・感涙必至の本の旅!

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りました。
    さすが図書館の所蔵本らしくうすぎたない…(関係者の方々、失礼…)と思ったら、そういう装丁・デザインのようだ。

    話題になっている本、というだけで全く前知識なく本を開いてみて…なんとも不思議な本だこと。
    つかみどころもなく。

    心を空白にして読み進めていくと、第7夜でガツンとやられる。
    そのまま、ざわつきが静まることもなく。

    そして、最後のオチ…

    うまく言葉にできないけれど、「本」の可能性をとても感じました。(もちろん、それは必ずしも「紙の本」である必要はない。)

    たまには、こういう訳のわからない本(絵本でもある)を感じるままに読むのもいいですね♪

    ♪永遠のブルー/羊文学(2023)

  • がっちりとした表紙と裏表紙のある豪華な本です。
    高級感があります。

    ヨシタケシンスケさんのいいところと、又吉直樹さんのいいところが中和されたような感じで、いい感じだと思います。

    1回読んだだけでは意味不明なところもあり、何度も繰り返し読むうちに味がしみてくるスルメのような本かと思いました。

    第5夜の3話目と第12話がよいと思いました。

    最後のオチは面白かったです。



    第6話より引用します。ヨシタケさんのパートです。


    (前略)
    父が作ろうとし、私が完成させ、世に出したその本は、
    父自身を救うことはできなかったけれど、
    父の努力と、父が集めたたくさんのストーリーと
    父の人生は、たくさんの人を救った。

    どんな人も、自分自身を救うことはできない。
    できるのは、自分以外の誰かを救うこと
    だけなのだ。

    だからこそ、誰かを救う
    努力をしなければいけないのだ。
    他の誰かに、自分を救って
    もらうために。

    この本にメッセージがあるとすれば、
    そういうことなのかもしれない。

    • ☆ベルガモット☆さん
      まことさん、おはようございます☆

      ヨシタケさんも又吉さんも大好きなので、どちらのいいところも中和された、スルメのような本とはとても気になり...
      まことさん、おはようございます☆

      ヨシタケさんも又吉さんも大好きなので、どちらのいいところも中和された、スルメのような本とはとても気になります!
      最後のオチも読んでみたくなりました。

      ヨシタケさんの、『誰かを救う努力をしなければいけない』という言葉にドキッとしました。
      読みたい本リストに加えたいと思います♪
      2022/08/14
    • まことさん
      ベルガモットさん。おはようございます♪

      この本は作りが凄く豪華です。
      紙の質にまでこだわっています。
      内容はレビューした通りです。...
      ベルガモットさん。おはようございます♪

      この本は作りが凄く豪華です。
      紙の質にまでこだわっています。
      内容はレビューした通りです。

      ヨシタケさんも又吉さんも大好きならば、読まない手はないですね。
      レビューに載せなかった、文章にもよいと思う話が何話かありました。
      楽しまれてください♡
      2022/08/14
  • 先日読み終えた「あるかしら書店」が面白かったので手にしてみました♪

    思わず吹き出しそうになるストーリーもありましたが、全体としては☆3.3ってとこかな。


    本の概要

    本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。王様は二人の男を城に呼び、言いました。 「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。 お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。 そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」 旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、王様のために夜ごと語り出した―。 お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケによる、抱腹絶倒・感涙必至の本の旅!

  • 本が好きな王様に、二人の男が呼び出される。
    「珍しい本について知っている者を探し出し、その本について教えてくれ」と。
    お金を渡された二人は旅立ち、一年後に戻る。
    二人は一夜ずつかわりばんこに王様に語る。
    「その者が言うには、その本は…」と。

    夜な夜な王様に語るところが、千夜一夜物語みたい。うまい構成だ。
    笑いあり涙あり、ホラ話・ワケ分からない話あり。オチも良い。
    又吉さんはいい話を書く。そしてヨシタケシンスケさんは、言うまでもなく絵も話もとても良い。
    妄想好きにオススメ。またヨシタケシンスケ著「あるかしら書店」が好きな方は、あの感じをまた楽しめるのではないかな。
    作者二人が楽しんで手掛けたのが伝わってくる。本を書くのも読むのも語るのも手にするのも好きなんだろうな。本への愛情が感じられる。

    特に良かった話
    【第7夜】(又吉直樹)
    クラスメイトとの交換日記。そこに綴られていく物語。
    【第9夜・6話】(又吉直樹)
    まっしろな本には、私の人生が書かれている。しかしこれは同時に父の人生でもある、という話。
    わずか4ページなのに、涙を誘う。
    【第10夜】(ヨシタケシンスケ)
    自分と本が入れ替わる話。
    【第12夜】(ヨシタケシンスケ)
    本は誰かへの想いを載せている。しかしその想いは奇跡的に届いたり届かなかったりするだろう、という話。

    • aoi-soraさん
      おはようございます
      この本ずっと読みたくて、本屋さん行く度にパラパラみてるの(笑)
      妄想好きにオススメなのね^⁠_⁠^

      「あるかしら書店」...
      おはようございます
      この本ずっと読みたくて、本屋さん行く度にパラパラみてるの(笑)
      妄想好きにオススメなのね^⁠_⁠^

      「あるかしら書店」大好き!
      2023/03/07
    • なおなおさん
      あおいさん、コメントをありがとうございます。
      私もずっと読みたく思っていたところ、市の図書館では未だに約500人待ち。…のところ、子どもの学...
      あおいさん、コメントをありがとうございます。
      私もずっと読みたく思っていたところ、市の図書館では未だに約500人待ち。…のところ、子どもの学校の図書室にポンっと普通に置いてあったのです。親も利用可なので、お持ち帰りしちゃいました(^^)v
      あおいさんも「あるかしら書店」がお好きなんですね。私もあの世界観が好きすぎて購入したくらいです。
      あおいさんも本書は楽しめると思います(^^)
      表紙カバーをとってみると……ってところまで凝っているらしいです(借りた本はコーティングされでいるので未確認(;_;))。
      ぜひ!!(っ ॑꒳ ॑c)ゎ‹ゎ‹
      2023/03/07
    • aoi-soraさん
      いいなー
      親も借りられて。
      私は子供にお願いして借りてもらった事はあるけど、面倒な顔されるからさぁ…(^_^;)
      あるかしら書店は、私も購入...
      いいなー
      親も借りられて。
      私は子供にお願いして借りてもらった事はあるけど、面倒な顔されるからさぁ…(^_^;)
      あるかしら書店は、私も購入ですよ(⁠◠⁠‿⁠◕⁠)
      この本も是非読んでみたいです!
      ありがとう♡
      2023/03/07
  • 又吉さんとヨシタケシンスケさんのコラボ作。
    絵本と短編小説の間くらいの本。
    第7夜交換日記のストーリーとエピローグのオチが良かった。

    ヨシタケシンスケさんのやさしい絵と又吉さんのあたたかいストーリーに心が癒されます。

    短編ストーリーの繋がりはあまり感じられなかったです。

  • 『その本は』私にとってはもう読む前から、
    面白いに決まっている……本でした。
    なぜなら……又吉直樹さんの書く文章は、「火花」も(なぜか?w)好きだったですし、好みでして…。
    ヨシタケシンスケさんも「あるかしら書店」など読んでいてイラストや文字も、ゆるっとほのぼのと可愛くて、内容も癒され系だったりシュールだったり哲学っぽい雰囲気もして好みなのです………。
    そして『その本は』を読んでみて私の直感通り。
    私好みの本でした!!ブク友の皆様のレビューにも、とても心誘われていて読みたくなりました。
    ありがとうございます。

    本好きな王様はもう年寄りで本が読めなくなったことから…二人の男に命令して珍しい本についての話を世界中から探して持ち帰らせ、そして夜毎、王様に語らせたお話。
    沢山の「その本は……」から始まるお話はやっぱりクスッと笑えたりして面白かったです。隙間時間にも良いし、気楽に読めるような感じでもあり癒し本だとも思いました。
    ・「一歳の息子にグチャグチャにされた本」は捨てられずにとってある訳にクスッと。
    ・「しおりを食べて成長する本」はちょっとホラー?
    ・「誰も死なない。」交換日記のお話は、ちょっと胸キュン的でもあるけど…切なくもあり…辛くもある…
    ・「ゾンビが怖くなくなる方法についての本」楽しい
    ・「その本は真っ白である」感動的な泣けるお話。
    ・本が頭に直撃して本と体が入れ替わるお話…好き。
    ・「ボトルに手紙を入れて海に流すような事を人間は本という形に託してずっと作り続けてきたのである。そんなことに気づいたお話…」は、イラストからも内容からもちょっと良い心に残るお話……。

    最後のオチもまた、少し笑えて脱力感あって、二人らしくて良かったです。本好きな二人の発想力、妄想力は見事で、そのバリエーションの多さに一冊でいろんな感情を引き出して貰いました。

    そして、本の装丁の高級感あるところや、紙の1ページ1ページにしても、日に焼けたような色みを付けたり、コップを置いてしまってシミになったような跡までが付いてあったりするところ……。その拘り具合は、本好きな二人が、きっととっても楽しんで作ったのだろうなぁと想像もできて、そんなところも愉しく思えました。ありがとうございました~



    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      楽しいことは、良いことです~♪
      v(´▽`*) ハイ!
      楽しいことは、良いことです~♪
      v(´▽`*) ハイ!
      2023/03/26
    • なおなおさん
      チーニャさんのヨシタケシンスケさん本のレビューを改めて読みたくてこちらを訪問したら…
      悪口が聞こえてきたーー(*´>д<)笑
      1Qさんも是非...
      チーニャさんのヨシタケシンスケさん本のレビューを改めて読みたくてこちらを訪問したら…
      悪口が聞こえてきたーー(*´>д<)笑
      1Qさんも是非ヨシタケシンスケさんの本を!
      特に「あるかしら書店」は読んでいただきたいなぁ。ね!チーニャさんヾ(❛ᴗ˂ *)
      2023/03/27
    • 1Q84O1さん
      なおなおさんの地獄耳w(´-﹏-`;)
      だって、またそうやって絵本勧めてくる〜w
      これ、やっぱり陰謀ですよ!
      絶対!







      けど、楽...
      なおなおさんの地獄耳w(´-﹏-`;)
      だって、またそうやって絵本勧めてくる〜w
      これ、やっぱり陰謀ですよ!
      絶対!







      けど、楽しい陰謀(⌒▽⌒)
      2023/03/27
  • 本好きの王様に珍しい本の話を語るのは、芸人で作家の又吉さんと絵本作家のヨシタケシンスケさん。

    又吉さんは、お笑いセンスがあるし、ヨシタケさんもなるほど〜と唸るセンスがあるのでとても楽しめた。
    交互に物語を進めていくのだが、どこから読んでもいいし、何度も飽きずに読める。

    又吉さんのは、第7夜のその本は、だれも死なない。
    がとても印象に残った。
    絵本作家になるのが夢である小5の交換日記だが、動物の絵に吹き出しがあり、それに何か言わせてがセンス抜群である。
    最後にはひとりだけの日記になるのだが…。

    ヨシタケさんのは第12夜のその本は、評判が悪かったが印象的だ。
    誰に向けての本なのか、
    作者はどんな思いで書いたのか、
    とかいろんなことがあっての
    誰かへの想いを載せたまま「届かなかった」本たちが、世界には星の数ほどある。ということ

    そうなんだろうな。

    誰も読まれていない本もあるのだろうか、とか思ったりした。
    ブクログで知ったり、本屋だったり、図書館だったりで読みたい本を読むけれどまだまだ埋もれている本ってたくさんあるのだろうな。


  • 皆さんの評価は高いんですが、私には「この本」の面白みがピンとはこなかったです。
    又吉さん&ヨシタケさん
    お二人のからみ合いがないところがたいへん残念に思いました。

    • koalajさん
      アールグレイさん、こんにちは!
      いえいえ読んでみてください。ほかの方達の評価は高いですしね。又吉さんとヨシタケさんのコラボってことで話題にな...
      アールグレイさん、こんにちは!
      いえいえ読んでみてください。ほかの方達の評価は高いですしね。又吉さんとヨシタケさんのコラボってことで話題になってたし期待が大き過ぎたのかも。ぜひ読んでレビュー書いてください〜♪
      2022/09/25
    • アールグレイさん
      こんばんは★コアラさん

      先程マイページを開いたら、もう削除されてました!それに、今予約本20冊まで入ってました!
      予約できな~い
      ( ̄□ ̄...
      こんばんは★コアラさん

      先程マイページを開いたら、もう削除されてました!それに、今予約本20冊まで入ってました!
      予約できな~い
      ( ̄□ ̄;)!!
      2022/09/25
    • koalajさん
      アールグレイさん、こんばんは。
      あら〜今回は縁がなかったのかな?少し落ち着いた頃にまた予約してみてください!私が利用している図書館は予約10...
      アールグレイさん、こんばんは。
      あら〜今回は縁がなかったのかな?少し落ち着いた頃にまた予約してみてください!私が利用している図書館は予約10冊まで。人気の本を待つと長いし雑誌はひと月動かないし…一旦予約して待ってる間に他の本を入れたくなることもしばしば。いつも頭を悩ませています。買えばいいんですけどね(汗)物を増やしたくなくて。
      2022/09/25
  • 本をこよなく愛した王様…今まで様々な本を読んできたが、年を重ね視力も低下し本を読むことはできなくなっていた…そこで2人の男に、世界中を回って「めずらしい本」についての話を調べた上で聞かせてほしいと命じる。2人の男は、世界中を放浪し1年後寝たきりになった王様の枕もとで、『その本は…』と語りだす…。

    この作品の装丁にまずは心を奪われました!!すごく凝っていて読んでいて楽しい気持ちになりました。様々な「その本は…」が紹介されています。しおりを食べる本、やさしい本、ボロボロな本、夢がかなわなかった本、悪魔が封印されている本、評判の悪い本…など、本に対するエピソードが沢山描かれています。エンディングのオチも面白いものでした。王様はもちろんだけれど、2人の男も本好きなんでしょうね!そして、この本を読んでいる私もすでに読まれた方も、これから読もうと思っている方もみんな本好きと言えるのはないでしょうか?読めば作者のメッセージを誰でも感じることができる…本に対しての深い愛情を感じ、ますます本好きになりました(^^)

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、こんばんは(^^)
      面白かったです~この本。
      読んだら私もますます本好きになりました~(*´▽`*)
      かなさん、こんばんは(^^)
      面白かったです~この本。
      読んだら私もますます本好きになりました~(*´▽`*)
      2023/03/25
    • かなさん
      チーニャさん、こんにちは♪
      面白かったですよねぇ~この本!!
      本って楽しいっ!
      本に対しての愛着が増すような、そんな作品で(^^)/
      ...
      チーニャさん、こんにちは♪
      面白かったですよねぇ~この本!!
      本って楽しいっ!
      本に対しての愛着が増すような、そんな作品で(^^)/
      ますます本読むことにハマりそうです。

      チーニャさん、コメントありがとうございます(^^)
      2023/03/26
  • あはは。
    最後はそうくるかとビックリ!!
    でも二人共、作家なんだから、そうだよねって妙に納得。
    最後まで読んで、ヨシタケバージョンだけ、続けて読んでみた。
    ヨシタケさんの本への愛が伝わってきた。
    今日、私はどんな奇跡と出会えるのか…。
    ワクワクしている


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著者プロフィール

1973年神奈川県生まれ。絵本作家。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。スケッチ集や、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど、多岐にわたる作品を発表。2013年に初の絵本『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)を出版し、第61回産経児童出版文化賞美術賞、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位を獲得。その後、『もう ぬげない』(ブロンズ新社)『りゆうがあります』『なつみはなんにでもなれる』『おしっこちょっぴりもれたろう』(PHP研究所)『あつかったら ぬげばいい』(白泉社)『あんなに あんなに』(ポプラ社)で7度にわたりMOE絵本屋さん大賞第1位に輝く。

「2023年 『しかもフタが無い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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