その本は

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591174326

感想・レビュー・書評

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  • テレビで作者二人が紹介していて、面白そうだと思って読んでみました。

    又吉さんの作品では、古本屋のボロボロの本の話が好きです。
    ほとんどの本は1回、多くても3回読まれるだけなのに、その本は持ち主に100回も200回も読まれボロボロです。でもその本は、そこに書かれた物語とはまた別の、もう一つの物語を持っていました。
    その本は、とても幸せでした。
    これが「好き」ってことなんだなーって思います。
    何度も聞く音楽、何度も観る映画、暗記するほど何度も読んだのにまた読みたい本。

    ヨシタケさんの作品では、父が作ろうとした本の話が好きです。
    志なかばにして叶わなかった夢、
    思った通りにいかなかった人達の話、
    未来を失って、別の未来を見つけるまでの話、
    立ち直る方法を見出すため、勇気づけるため、、、、
    それって、たしかに「本」だなーって思います。
    絵本でも小説でも、すべての本は、なにかしらのメッセージが込められていて、人それぞれの解釈で受け取っていくのでしょう。。
    「どんな人も自分自身を救うことはできない、出来るのは自分以外の誰かを救うこと」という言葉が、
    ハッとさせられるものでした。

    古書のような色合いと厚みの紙で、ヨシタケさんの独特の挿絵が面白いです。いろんな人が思い思いに本を読む姿とか、靴や、身の回りの絵が好きです。
    王様の葬儀で、大広間に立ち並ぶ本棚、すごいなあ。
    こんなふうに、読んだ本の話を誰かにしたり、聞いたりできたら、それは「読む」だけじゃない別の楽しみになるだろうと思いました。

  • 本屋で見かけ、表紙(夏限定バージョンだった)に惹かれて手に取った。
    ヨシタケシンスケさんの名前は以前から聞いたことがあったけれど、じっくり絵を見たことはなかった。

    本書でじっくりヨシタケシンスケさんを堪能。
    線が細かいのね。
    細かい機械の絵とか、男子心を刺激しそう…(想像に過ぎないが)
    ヨシタケさんの絵が人気なのが分かる。

    一番好きなのは、本がたくさん波打ち際に打ち寄せられている絵。本好きにはたまらない。

    絵ばかり褒めてしまったが、話も面白い。
    ちょっとシニカルだったり、感動的だったり。又吉さんの交換日記の話、好きな人が多いと思うが私もその1人。
    結末は寂しいんだけどそれだけじゃない。

    私だったらどんな本を語るだろうか。
    「その本は…」

  • ヨシタケさんと又吉さん。

    どちらも好きなので、
    買ってしまいました。

    ヨシタケさんのパートは、
    ヨシタケワールド全開の絵本

    又吉さんパートは、
    こちらも軽い方の又吉ワールドです。

    ちょっと唐突感もありますが、
    竹内春の話が好きでした。

  • 「その本は」で始まる物語集。クスッとするものやホロっとするものまで、いろいろ。第7夜は本当に誰も死ななかったのか…2人が絵本作家になっていてほしいと願ってしまう。しおり…そりゃないぜ、優しいのに。ちょっとブラックなものもあり、ヨシタケさんの絵も可愛い。

  • 「その本は」
    という書き出しから始まる本にまつわる様々なエピソード

    又吉直樹さんとヨシタケシンスケさんの2人が作り出す世界観に引き込まれる一冊でした。

    本と一口に言っても様々な本があり、それを読む人、読まない人も千差万別の中である人がある本に出会うことは奇跡に近いように感じます。
    その本はこれから出会うかもしれないし、もしかしたらもうすでに出会っているかもしれない。これからも読み続けるかもしれない。
    人も本も一期一会を大切にしたいと思うことができる一冊でした。

  • この2人の作品という事で、もっと凄い仕上がりを期待してしまった。

  • ある国の本が大好きな王様が、年を取り目が悪くなり身体も弱ってしまい自分ではもう読めないからと、ヨシタケシンスケさんと又吉さんに世界中からいろいろな本の話を集めて話して聞かせよ、と命令を出し、収集のためのお金も渡すプロローグから始まります。それぞれ自分のやり方で、集めたいろいろの本のことを王様に語ってゆきます。二人とも大好きな作家さんなのでとても楽しく読み進みました。最初はどういう趣向なのかなと迷いながらでしたが、だんだんとお二人の独特の世界観に魅了されて夢中になりました。あっという間に読み終わってしまうのですがもっとずっと読んで居たかったです。エピローグもとても気が利いていました。

  • うかつにも娘の前で泣いてしまった。

    (よくすっぽかされるが)娘達(中一、小五)と週に一度本読みをしている。食事後、自分の寝室で一人リラックスしていると、珍しく中一の娘がこの本を持ってきて、話を読んでくれた。以前から読んでいて本日は第9夜。トランペットの話が父として悲しくて、うっかり泣いてしまった。お酒を飲んでいたのもある(飲むと泣きやすくなる)娘は少しびっくりしていたようだが、話を最後まで読んでくれた。

    面白い話もあり、不思議な話、子供だましだなと思う話もあるが、本好きな私としては本に関し自由に空想を広げ楽しい本で面白いと思う。10夜の本になってしまう話も好き。本好きとしては幸せそうに聞こえる。

  • 何も考えず読めるので気分転換によい一冊。
    装丁が「どこかの王国が作った本」をイメージしてるのか重厚な感じでおしゃれ。

  • 茶目っ気があってかわいい本だった。時々ほろ苦い話が挟まれててそれも良かった。オチも好き。親和性の高そうなコンビだ…

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著者プロフィール

1973年神奈川県生まれ。絵本作家。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。スケッチ集や、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど、多岐にわたる作品を発表。2013年に初の絵本『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)を出版し、第61回産経児童出版文化賞美術賞、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位を獲得。その後、『もう ぬげない』(ブロンズ新社)『りゆうがあります』『なつみはなんにでもなれる』『おしっこちょっぴりもれたろう』(PHP研究所)『あつかったら ぬげばいい』(白泉社)『あんなに あんなに』(ポプラ社)で7度にわたりMOE絵本屋さん大賞第1位に輝く。

「2023年 『しかもフタが無い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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