ライオンのおやつ (ポプラ文庫 お 5-5)

著者 :
  • ポプラ社
4.21
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本棚登録 : 9877
感想 : 644
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591175064

作品紹介・あらすじ

人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
2020年本屋大賞第2位。

感想・レビュー・書評

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  • うーん
    自分が好きな食べ物はいくつもあるが

    オヤツで言うなら…
    クリームソーダですね
    現在44で普段は水かノンアルコールビールしか飲みませんが…

    ドリンクバーやハンバーガー買うときも選べるならメロンソーダを選ぶ

    あの身体に悪そうな色
    決してメロンじゃない味
    それにアイス乗ってる感じ

    少年心にドッカンドッカン来ます(笑)

    ふとした時に気づくと
    母親と食事をした時も、選ばしたらクリームソーダを頼んでいて…

    さらに成人した娘と食事をしてても…やっぱクリームソーダ頼んでる…

    結局似てくるのかもね…

    この作品は余命わ宣告されたような方々が主人公でしたが

    そもそも 生き物はオギャアと産まれた時点で
    始まってるのだから、その時点で余命だと自分は思う

    自分は生き物も大好きなので(昔ペットショップで働いてた)
    色々飼育してきてますが、毎回出会いや別れの向き合い方、見方も
    マドンナさんと同じだと思います

    人の事は言えませんが
    なんとなく生きてはいけないと思います。

    ※だから話は変わるけど…結局俺が何を言いたいかって言うと
    【川口春奈CM出すぎじゃない?】って事!!

  • 若くして余命を告げられた主人公が、人生の最後を瀬戸内のホスピスで過ごす物語。
    暗い話かなと思って読み始めたけど、全く違った!
    限られた人生をとても前向きに過ごす物語で、読んでいてほっこりして前向きな気持ちになれた。

    『病気になって良かったとは、まだ心から言えない。でも、たくさんのギフトを恵んでくれたのは事実だ。』
    『私が私の人生を祝福しなくて、誰が祝福するの?』
    という言葉はとても心に響いた。

    毎週日曜日の"おやつの時間"のおやつの背景にあるエピソードには涙が出た。
    読後は"ライオンのおやつ"というタイトルに心がしみた。

    多くの方に読んでほしい小説です。

  • 良かったです
    死ということに対して、堂々と真正面から向き合った話
    必ず訪れる死に対する恐怖と不安、人は死んだらどうなるんだろう、きっと後悔だらけなんだろう
    思う事はあっても、深く考えた事はありませんでした

    しかし、作品を読んでいると自分が描いているイメージと違って前向きになっていきます
    勿論、病気と闘う現実は重く悲しく甘くないでしょうが、それよりも生きる喜びや人生の振り返りを小川さんの温もりのある言葉で包み込んでいるからです

    心と体の痛みを和らげるお手伝いをしてくれるホスピスでの生活は、余命僅かな患者達を支えてくれます
    穏やかで優しく煌めく瀬戸内海
    そこに浮かぶレモン島
    柑橘の畑
    目の前に海が広がる葡萄畑
    毎朝食べる違う種類の優しいお粥
    昼のバイキング
    夜の一汁三菜
    ゲスト希望の日曜日のおやつ
    マスターが淹れてくれる美味しい珈琲
    お世話してくれる人達
    そして、六花という愛おしい犬
    全てが。。。
    読んでいる私もとても癒されました

    生きている事の喜びや温もりを感じる
    死を受け入れる事は、死にたくない、もっと生きていたいとう感情も含めて認めてあげる事、と作中にありますが、そんな風に自分が考えられる様になるかは全くわかりません

    しかし、歳は食っていても健康な身体を持った今
    もっと自由に、もっと欲深く我儘に生きてもいいのではないかと、ちょっと立ち止まって考えてみる機会が出来ました

  • 食べたものは生きてきたことの証
    描写から情景が浮かんでくる
    五感で感性をくすぐられる作品

  • こんな素敵な場所で最期を迎えれたら理想ですね。
    にしてもマドンナさん素敵すぎます!最期の時にマドンナさんが側にいてくれたら心強いだろうなぁ…
    お父さんが雫に会いに来た場面はもう涙が止まりませんでした!
    ワンちゃんを飼っているので、雫が六花に抱く
    「かわいい、という言葉を、百個並べても、千個並べても、一万個並べても、私の中に沸き起こるかわいいの感情には追いつけない。」のところを読んだ時には共感度100%で分かるー!!と何度も頷きました。
    ずっと読みたいと思っていたので、読了できて大満足です。

  • 既に単行本を読破しているので、文庫本に置き換え。
    また記憶が薄れたら再読したい良作です。

    〜以下は単行本読了時の感想です〜
    タイトルから「童話かな?」と思ってしまいますが、内容は迫りくる死との向き合い方を綺麗な情景と人々とで綴られた、とても優しいお話でした。

    小川糸さんの作品を読んだのは「ライオンのおやつ」が初めてでしたが、終始読みやすく、言葉に温かみがある印象を受けました。「ライオン」、「おやつ」という言葉がなぜ出てくるのか?
    と、読み進めていく中で次第とわかり、そして登場する人が皆、とても個性豊かで愛らしく、文章だけでもイメージがすんなりと浮かぶ筆力に驚かされました。

    また数年後に読み返したくなる、そのような一冊だと思います。

  • 年の瀬にとても良いものを読んだ。
    フレーズに残したい言葉もたくさんあって、来る新しい年にはこの本から得た気付きを胸に、感謝の気持ちをもって日々を送ろう。

    33歳でステージⅣの病に冒され、あと半年もない命の海野雫が、終の住処に選んだ瀬戸内海の島のホスピスにやって来たところから始まる物語。
    そのホスピスでは、自由に時間を過ごすことだけが唯一のルールで、頑張ることも無理することも強がることもしなくて良くて、豊かな自然環境やおいしい食事もあり、生きていることの幸せを満喫させる。
    人生の終わりには申し分ないようなところに思えたが、一方、おいしいコーヒーを淹れてくれたマスター、幼い頃の思い出の台湾菓子をみつめていただけのタケオさんと、次々と知り合った人が亡くなっていく環境でもあるのだな。
    そんな生と死が背中合わせになった、人生がぎゅっと凝縮されたような場所での雫の心の揺れに、私の中の自分の人生に対する思いやいつかは迎える死への畏れなどが綯い交ぜになり、マスターが亡くなったあたりから涙なしに読むことが出来なくなった。

    ゆるゆると体力が落ちていき、体調の悪化に従い色んな緩和ケアが施される。
    『私の目標は、じゃあね、と手を振りながら明るく死ぬことだ』とか『私の死後の、具体的な段取りや遺骨をどうするかに関しては、弁護士さんや、NPO法人のスタッフ、もちろんマドンナにも伝えてある』って、もう切な過ぎる。

    百ちゃんのアップルパイ、しまさんの牡丹餅、雫のミルクレープ、先生のレーズンサンド、おやつの時間に出されるおやつとそのエピソードに詰まったそれぞれの人生の思い出にまたウルウル。
    自分の中で、これまで生きてきたことに対する歓びとか悔恨、残された人生に対する楽しみや漠然とした不安など、物語を追いながら色んな思いが渦巻いて、哀しくなったり反省したり慰められたり元気づけられたり、年末の休みに家で読んでいて良かったが、通勤電車の中だとえらいことになってた。

    終章はバッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら読んでみる。
    三日目の夕方、約束のビーチで手を振るタヒチ君と六花の姿が美しかった。

    • マメムさん
      初コメです。
      今の私のおやつは、雪見だいふくですが、来年以降も色んなおやつと思い出と共に、その時を迎える時に、じゃあね、と手を振りながら明る...
      初コメです。
      今の私のおやつは、雪見だいふくですが、来年以降も色んなおやつと思い出と共に、その時を迎える時に、じゃあね、と手を振りながら明るく死ぬことが出来たら良いなと思ってしまいます。

      一日一日を大事に過ごそうと思わせてくれる作品ですね。
      2022/12/31
    • ニセ人事課長さん
      マメムさん

      明けましておめでとうございます。
      コメントありがとうございました。

      おやつで私の頭に浮かんだのは、幼い頃に家で両親...
      マメムさん

      明けましておめでとうございます。
      コメントありがとうございました。

      おやつで私の頭に浮かんだのは、幼い頃に家で両親が作ってくれたドーナツとミルクセーキでした。
      我が家流のものでレシピも分からないため、かの姉妹に作ってもらえそうにはないですが。

      今年もブクログライフを楽しみたいですね。
      2023/01/01
    • マメムさん
      ニセ人事課長さん、お返事ありがとうございます。
      明けまして、おめでとうございます。

      ご両親手作りのドーナツとミルクセーキですか、美味しそう...
      ニセ人事課長さん、お返事ありがとうございます。
      明けまして、おめでとうございます。

      ご両親手作りのドーナツとミルクセーキですか、美味しそうな組み合わせですね♪

      今年も本に食にと、充実した一年にしたいですね。よろしくお願いいたします。
      2023/01/01
  • 死という重くなりがちなテーマながら、爽やかに読み終えることのできる物語だった。

    主人公の雫は33歳という若さにして、病魔に侵され、最期を瀬戸内の島にある「ライオンの家」というホスピスで過ごすことにする。
    「ライオンの家」では、入所してくる人をゲストとよび、日曜日にゲストがリクエストするおやつを振る舞ってくれる。ゲストがリクエストするおやつにはそれぞれの思い出があり、「ライオンの家」を取り仕切るマドンナによって、その思い出と共におやつが提供される。
    雫は、島の穏やかな景色、瀬戸内の美しい海、「ライオンの家」での出会いと別れを、人生最期に堪能する。

    これまでいくつか読んだ小川糸さんの作品は実はあまり私に刺さらなく、どれも他の人の評価が高いだけに「う~ん・・・なんか残念だぁ、私にはあまり合わない・・・」と思ってしまうことが多かったが、この作品は今まででは一番良かった。なんとも「上から目線」のように聞こえて申し訳ないけれど、「私にとっては」今まで読んだ小川糸作品の中で一番だったということ。
    本屋大賞2位ということで、テレビドラマ化されたのには大いに納得。映像としてすごく映えそうだし、ストーリー的にもテレビドラマにピッタリな気がした。

    評価が高いのは、やはり「死」をこうも爽やかに書ききったからだと思う。思わず涙してしまう場面がありつつも、決して泣かせるためだけのお話ではない。できるだけたくさんの人の最期がこんなふうだったらいいな、と思える。もしも今、死への恐怖に立ち向かっている人がいたとしたら、その恐怖をそっと和らげてくれるお話だった。

    ただやはり、私にはどうしてもいくつかの場面で違和感があって、雫以外の登場人物にはそこまで感情移入できなかった。「じゃあ、どう書けばいいのか」と聞かれたら全然わからないのだけれど、うーん、なんでだろう、物語は美しく、ほどよく感動もできて、テーマ設定も舞台設定も多くの人が好みそうにうまく書かれているけれど、奥行きがないというか・・・
    終盤にかけて少し冗長に思えてきたけど、タヒチ君とち立花とマフラーのラストシーンは美しかった。

    あぁぁぁぁぁ、またまた皆さん高評価の作品を上から目線でレビューして申し訳ない・・・。好みの問題です!(←雑にしめた!)

  • 生きることと死ぬことが表裏一体でありそのことがとても丁寧に描かれている作品です。

    どのページを読んでも丁寧な文章で心が洗わされる気持ちにさせてくれます。

    どの登場人物も個性的でありながら、死を迎える準備は、皆思いが等しく同じように感じられました。また、見送った者にもその気持ちが伝わっていて、本当に涙無しでは読めない作品です。

    死をテーマにした作品でありながら、とても爽やかな読後感と生きることに勇気を与えてくれる、とても愛おしい作品です。

  • 難しい話だったと思う。
    あの年齢で癌であること、もう残りわずかしか残されていないこと、人間関係の整理。
    とてもじゃないけど受け入れられない…

    そのあたりを乗り越え(?)
    安らかな最期を描くあたりが素晴らしかった。

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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