みつばの泉ちゃん (一般書)

著者 :
  • ポプラ社
3.52
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本棚登録 : 637
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591177877

作品紹介・あらすじ

自分がいやな人間だってことはもうわかってんの。わかってんのに直せないんだからダメな人間だってことも――。そう思っている片岡泉は、本人の自覚に反して出会う人に鮮やかな印象を残していく。小学生時代を知る近所の大学生も、中学の友だちも、アルバイト先の店長も、喧嘩別れした元カレも――誰もが後から、あの正直さに背中を押されていたことに気づくのだ。欠点だらけの「泉ちゃん」が巻き起こす、素晴らしき出会いの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃から大人になるまでの泉ちゃんを彼女と出会った人たちが語っていく物語。

    近所のコンビニのお姉さんから中学時代のクラブの友だちにバイト先の店長に元カレなどなど。


    沿線や地区名などを盛り込んで、会話形式にテンポよく進んでいくのは小野寺さんらしい。

    中学時代の泉ちゃんは、同級生だったらちょっと苦手なタイプかなぁと思いながらもはっきりしすぎるくらいのストレートさにカッコ良さすら感じた。
    元カレとのやりとりは、ちょっと度が過ぎた感あり。
    だけど彼も泉のことは好きな感じ、と思ってたはずで。
    くだけてて、時にちょっと無遠慮で。でも根っこのよさは伝わるから憎めない。ってところ。

    最後は、2歳下の彼氏と長い付き合いのあと結婚し、出産する。
    泉子ちゃん⁇で思わず笑ってしまった。

    さあ、会うよ。泉子。

    ラストなのに泉子の物語ができそう⁇

  • 「お二人、お子さんは?」
    「まだです」

    「結婚して太る嫁、になりたくないし」

    主人公が結婚、出産するラストを読み終え、静かに本を閉じ、未読の松田青子に手を伸ばす。

  • 2023年5月ポプラ社刊。書き下ろし。みつばの郵便屋さんシリーズにでてくるあの片岡泉さんでした。途中まで全く気づかずに読んでましたが、読了後、はたして郵便屋さんの片岡さんとこの本の泉ちゃんは同一人物なのか?というのを考えてましたが、どうも違うような気がして、うーん。でもスピンオフだしな。郵便屋さんに登場してない時の片岡さんはやはりこうなのかも。

  • タイトルで著者の読者なら連想してしまうのでは?ひょっとして!?と…
    まさかまさか!!先日完結した小野寺版アベンジャーズ「みつばの郵便屋さん」シリーズに登場するあのアパートの女性!!??
    本家アベンジャーズの「ブラック・ウィドウ」のようなポジション的な作品。小野寺先生久しぶりの快作。

  • 275ページ
    1600円
    4月23日〜4月25日

    泉ちゃんの成長をその周りから描いている新しい視点の物語だと思った。郵便屋さんの話をこちら側から描いていて、また読み返したくなった。1つ1つの章の中で、登場人物がそんなに多くなくて、混乱せずにスムーズに読み進められた。前の章に出てきた人があとから少しつながってたりするのがおもしろかった。

  • 泉ちゃんを取り巻く人たちと泉ちゃんの思い出と共に綴られる連続短編集。

    泉ちゃんが裏表がなく、賢くて、ナチュラルでとても魅力的。
    そしてみんなに愛されているし、きっと泉ちゃんもみんなを愛してる。
    その空気感や温度感が心地よい。

    読む前は期待していなかったけれど、読んでよかったと思った!

    みつばの泉ちゃん。
    みつばは、みつばね。

  • さまざまな年齢の「泉ちゃん」と出会った人たちが語る泉ちゃんについての短編集。

    泉ちゃん好きだった~♪
    正直もっと読んでいたかったし、現実に泉ちゃんと友だち・同僚でもいいからなってみたい。

    一緒にいると居心地がよくて楽しくて明るい気持ちになる。なぜか人を惹き付けてしまう。
    こういう人いるよなぁ。
    ハッキリものを言うところも、他愛ない会話すらも愉しげ。リラックス感がすごい!

    こちら『みつばの郵便局』シリーズに登場の泉ちゃんに焦点をあてた作品。あいにく未読ですが、「絶対シリーズも読みたい!」って思いました。

    近所のお姉さんから見た小学生の泉ちゃん。
    部活の友だちから見た中学生の泉ちゃん。
    アルバイト先の店長、元カレから見た泉ちゃん。
    いつの時代も、泉ちゃんは泉ちゃん。
    自分の気持ちに正直で自然体で良いなぁ。

    小野寺さんの描く特別でもなんでもない「日常」も「ひと」もやっぱり素敵。
    ほっとする作品でした。
    みつばシリーズを読まれた方はもっともっと楽しめると思います。

  • 泉ちゃんの小学生から子供を出産するまでの人生のお話。

    泉ちゃんはみつばの郵便屋さんという話に出てくる人物らしい。知らずに読んでだけど普通に楽しめた。でもまぁ淡々と綴られていく感じ。嫌いじゃない。

    いつか郵便屋さんも読んでみようと思いました。

  • 年末年始 忙しく 読み終わる迄にいつもより時間がかかってしまった。でも 逆にそれが 泉ちゃんの成長の時間を感じる事が出来た気がします。

    最初にアイスを食べてた泉ちゃんと その後の泉ちゃんが 印象が変わった感じ。
    人には色んな側面があるし 付き合う人に寄って感じ方も違うかな
    只 泉ちゃんはいつも自分に正直。 
    泉ちゃん どんなお母さんになるのかな

  • 小野寺さんの淡々とした文章が私は好きです。

    ちょっとイライラするけど憎めない泉のような子、いるいると思いながら読み進めました。

    みつばの郵便屋さんシリーズ、読んでないので読んでみたい。

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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