図書館のお夜食 (一般書)

著者 :
  • ポプラ社
3.30
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  • (20)
本棚登録 : 5754
感想 : 329
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591178249

作品紹介・あらすじ

「三千円の使いかた」「ランチ酒」の原田ひ香が描く、
本×ご飯×仕事を味わう、心に染みる長編小説。

東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、開館時間が夕方7時~12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。

すべてをさらけださなくてもいい。
ちょうどよい距離感で、
美味しいご飯を食べながら、
語り合いたい夜がある。

感想・レビュー・書評

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  • 私立で午後7時から12時まで開いている夜の図書館。
    その図書館で起こった話。

    そこの図書館に新入社員としてオーナーの面接をスカイプで受けた樋口乙葉。
    図書館には寮があり、乙葉は東北の書店を退職して入社して寮に入ります。

    図書館には食堂があり、本にちなんだ賄いが出されます。


    第一話 しろばんばのカレーでは、おぬいばあさんのライスカレー。

    第二話 「ままや」の人参ご飯
    「ままや」とは向田邦子が妹にやらせたお料理屋。
    ままやのコンセプトは女が一人でおかずで一杯飲んで仕上げに一口ライスカレーが食べられる。

    第三話 赤毛のあんのパンとバタときゅうりではサンドイッチ。

    第四話 田辺聖子の鰯のたいたんとおからのたいたん。

    最終話 森瑤子の缶詰料理ではオイルサーディン丼。



    職員の篠井弓弦の伯母の話は嘘みたいな信じられない話でした。
    出てくる料理は確かに美味しそうでしたが、ストーリーには惹かれませんでした。
    乙葉が抱いた最大のこの本の謎の答えは面白かったです。
    でも、一体何の物語だったのかよくわかりませんでした。

  • お久しぶりの原田ひ香さんm(__)m

    開館時間17:00〜0:00の図書館で働く乙葉
    寮もあります、まかないもあります
    もちろん、避けては通れない人間関係も
    原田ひ香さんの定番の『ご飯と仕事』物語です

    『ランチ酒』の雰囲気に似ているな〜と思いながら読みました♪
    題名にお夜食とありますが残念ながらご飯の描写は少なめです。

    原田ひ香さん特有のしっとりとした感じ。
    ちょっとした明るさと、少し陰な部分もあって。
    この方の作品を読んでいるな〜と感じます。

    そしてこれは続編が出そうですね^ ^
    というか、続かないと納得できない展開なのよ。。

    ところで、
    ランチ酒の続編を心待ちにしているのですがまだでしょうか。。そろそろ出ても良いのでわ。涙

  •  夜間の17:00~0:00に開館する私立図書館、亡くなった作家の蔵書を閲覧することができるけれど貸し出しはしていないというちょっと変わった図書館が舞台です。そして、お夜食というのはこの図書館に勤務する職員に対して、様々な作品にちなんだメニューをまかないとして提供するというものでした。ここに勤務するのは、元は書店員や図書館司書、古書店員など、本に関わる仕事をしていた人が多く、採用を決めたオーナーの正体は誰も知らず謎に満ちているのだが…。

     読んでみて、私の読解力が足りないせいか、あまり入り込めませんでした。図書館を舞台にしているのだから、これから読みたくなるような作品と巡り合えるのではないかと期待しましたが、私にはそれもなく、原田ひ香さんといえば美味しいお料理の描写と思っていたけれどそれも少な目でしたね…。

     エンディングまで読んでみても、その後の展開が予想できないんですね…。ただ、こんな夜間に開館している図書館があれば、貸し出しはしてなくとも行ってみたいなぁ~とは思いました。お夜食という、まかないにも惹かれました。

    • かなさん
      チーニャさん、こんばんは!
      いやいや、びっくりしました!!
      私がダマされているんじゃないかと
      疑ってかかって何度も見直したり(^-^;...
      チーニャさん、こんばんは!
      いやいや、びっくりしました!!
      私がダマされているんじゃないかと
      疑ってかかって何度も見直したり(^-^;
      でもでも、やっぱり私??みたいな…
      そんなことを繰り返して、やっと嬉しさを感じることができました。
      これからも、自分のペースは守りながら
      楽しくブクログ続けていきたいので
      チーニャさんも引き続きよろしくお願いします(#^^#)
      2024/01/30
    • かなさん
      aoi-soraさん、こんばんは。
      そうなんです、原田ひ香さんといえば美味しい描写ですもんね!
      この作品ではそれが抑えられている感じで、...
      aoi-soraさん、こんばんは。
      そうなんです、原田ひ香さんといえば美味しい描写ですもんね!
      この作品ではそれが抑えられている感じで、
      でもストーリー全体が読み応えのあるものだったら、
      満足できたんですけどね…
      私的には消化不良的な(^-^;

      ブクログユーザーアワード、しかもシルバーって…
      私、目を疑いました!!ホント自分のことじゃないみたいで…
      でも、嬉しいです(#^^#)
      ありがとうございます。
      私のレビューなんか、
      皆さんのレビューに比べたら拙いものなんですが…
      私なりに続けていきたいと思っています。
      aoi-soraさん、引き続きよろしくお願いします!
      2024/01/30
    • かなさん
      どんぐりさん、こんばんは!
      私も図書館大好きなんで、
      こんなコンセプトの図書館があれば
      ぜひとも行ってみたいです♪

      それから、お...
      どんぐりさん、こんばんは!
      私も図書館大好きなんで、
      こんなコンセプトの図書館があれば
      ぜひとも行ってみたいです♪

      それから、お祝いのコメントをありがとうございます。
      まだ、正直実感持てなくって…
      えっ?私??みたいな…
      でも嬉しくってふわふわしている感じ(#^^#)
      これからも、変わらずブクログ続けて
      読書も楽しんでいきたいと思っているので
      これからもよろしくお願いします。
      2024/01/30
  • 東京の郊外にある「夜の図書館」には、本に関わって、傷付いた人たちが不思議なSNSで集められ、働いている。

    「夜の図書館」は、普通の図書館とは違い、亡くなった作家の蔵書が集められた、本の博物館のようなところだった。

    公の図書館ではないので
    入館料 1,000円
    月間パスポート 10,000円
    年間パスポート 50,000円
    が必要である。
    基本、貸し出しはしない。
    開館時間は、夜の7時から夜中の12時。

    本の中に出てくる料理が賄いで作られる。

    樋口乙葉は、勤めていた東北地方の書店をやめ、「夜の図書館」のオーナーからもらったSNSを頼りに、「夜の図書館」で務めることにしたが・・。

    題名から、本に因んだ料理がいっぱい出てくるかと思ったけど、賄いは、あっさりしていた。

  •  うちの子どもたちが通っていた、保育園の給食を思い出しました。なんか体によさそうで、シンプルで、ちょっと変わった感じです、「お夜食」は。私は原田さんの本が初めてなので分からないのですが、皆さんの感想を読むと、お夜食の描写が控えめ、と感じる方が多いようです。そうだとすると、たぶん参考にされた本を読んでくださいということかなと思いました。

     私は楽しく読めました。謎多く、ちょっとブラックな夜の図書館、そこで働くのはこんな感じ、というのを味わえました。
     お話は、謎が多く、謎のまま終わってしまうものが多かったです。図書館の主役は本なので、図書館員さん・オーナーさんのお話は「従」ではないでしょうか。そして、架空の登場人物と現実の作家さんが混在しています。私には、この作品は「読書案内」のように感じられました。それを一番感じたのが覆面作家の高城瑞樹さんですね。高城さんのエピソードは田辺聖子さんのためのものなのかな、と思いました。気になったので、読もうかな。

     作家さんの本の量は大変な数ではないでしょうか。車2台くらいでいけるのかな?ドラえもんのスモールライトでもないと、蒐集は難しいのではなかと思いました。本棚公開ならブクログでもできますが、現物を触るのがいいんでしょうね、マニアの方には。

  • 原田ひ香さんの本は三冊目。
    この本は読み始めが、展開イマイチと
    思い投げだしそうになった。
    でも、我が儘な作家の来館でその思いは
    吹き飛んだ。

    ある日主人公の樋口乙葉の元に「夜の図書館」への就職勧誘メールが来た。
    図書館という所に、それは乙葉の夢だった。でも、特別な図書館だった。
    亡くなった作家の蔵書を扱っていた。
    あの作家はどんな本を好んで読んだか?
    乙葉は興味を持った。

    この本は、五話の連作短編集。
    「図書館のお夜食」という題名通り、図書館は夜七時開館、十二時閉館と変わっている。お夜食、とは食堂で作家に因んだ
    メニューが出る。
    私は、向田邦子さんに因んだ“人参御飯”
    というメニューに謎を感じた。

    登場人物は様々で、事情を隠し務めていたりする。
    最後が良かった!
    やはり、途中で投げださずに読んで
    良かったと思う。★3、7かもね。


    2023、11、20 読了

    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、
      作家さんにちなんだ夜食、ニンジンご飯は面白いね。
      21時に寝てしまう自分の夜食はないね。。。
      残念。
      原田ひかさ...
      アールグレイさん、
      作家さんにちなんだ夜食、ニンジンご飯は面白いね。
      21時に寝てしまう自分の夜食はないね。。。
      残念。
      原田ひかさん全然読んでいないなぁ。
      何か読んでみようかな。
      2023/11/25
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、
      作家さんにちなんだ夜食、ニンジンご飯は面白いね。
      21時に寝てしまう自分の夜食はないね。。。
      残念。
      原田ひかさ...
      アールグレイさん、
      作家さんにちなんだ夜食、ニンジンご飯は面白いね。
      21時に寝てしまう自分の夜食はないね。。。
      残念。
      原田ひかさん全然読んでいないなぁ。
      何か読んでみようかな。
      2023/11/25
    • アールグレイさん
      ポプラさんヾ(^▽^)ノ
      コメントありがとう♪
      原田ひ香さんの本は、三冊目。
      この本はイマイチでした・・・・「財布は踊る」の方が良かった!
      ...
      ポプラさんヾ(^▽^)ノ
      コメントありがとう♪
      原田ひ香さんの本は、三冊目。
      この本はイマイチでした・・・・「財布は踊る」の方が良かった!
      次は、伊坂幸太郎さんに挑戦です!
      2023/11/25
  • 原田ひ香さんの新作ということで
    手に取りました


    亡くなった作家の本を貯蔵する図書館の話

    なかなか面白い設定と
    読みやすい文体で
    するする読めました


    でも、内容はちょっと薄め
    あれはどうなったの??がちらほら。
    もう少し深掘りして欲しかったです
    主人公もそうだし、従業員の抱えた悩みも
    もう少しじっくり読みたかった
    なかなかいい人たちだったので
    もったいない気がしました


    そして終盤の展開に驚く笑
    なんか違う作品になったのかと思いました笑


    でもお金の扱いというか
    そういうのが出てくるのが
    原田ひ香さんっぽいなと思いました笑

  • 「夜の図書館」は、普通の図書館とは違って亡くなった作家の蔵書が集められた図書館である。
    開館時間は、夜の7時から12時迄。
    まかないとして、実在の本に登場する料理が出てくるというのも珍しい。

    この図書館で働く人たちのそれぞれの秘密が連作短篇となっている。

    第一話 しろばんばのカレー
    東北の書店員だった乙葉の事情とは。

    第二話 「ままや」の人参ご飯
    有名作家の田村淳一郎が、白川忠介の本を見たがった理由と図書館司書の非常勤として働いていたみなみの事情。

    第三話 赤毛のアンのパンとバタときゅうり
    第二話で田村淳一郎のお世話をしていたベテランの図書館司書だった正子さんの事情。

    第四話 田辺聖子の鰯のたいたんとおからのたいたん
    蔵書を引き取りに行った先で過去を振り返っていた古本屋の徳田の事情。


    第五話 森瑤子の缶詰料理
    蔵書整理のチェックと休暇で篠井が思い出す過去のこと。
    実はオーナーがだれなのか?判明する。


    食×本×仕事を味わうかたちの小説だが、短篇なのでサラッと味わう感覚になってしまった。
    もっとがっつりと人間味を感じさせるドラマが欲しかったかなという思いである。
    食にしても『ランチ酒』のような美味しさがイマイチ伝わってこなかった。
    もしかしたら、自分が疲れているせいなのかもしれないが…。

    第三話にあった正子さんのことばで わたしはほんがよめない。とある。
    ただただ、無心に本を読み、まわりの音が聞こえないほど熱中し、別の世界に連れて行かれ、そして、数時間後、すべてを読み終えた時には、ぽんっと世界から放り出されたようなあの……さみしくも充実したあの時を。
    私はもう二度と味わうことができない。

    自分がこのような状態になったのかと思ったほどで、
    ちゃんとこの本も最後まで読んだのだが、ワクワク感や充実感を感じなかったのは疲れていたせいにしてしまった。

  • 昔読んだ本に、「冬眠図書館」という架空の図書館のお話があって、そのことを思い出しました。この本はいろんな本に紹介されているお夜食が出てきていいですね。続くかな?という幕切れも良かったです。

  • 樋口乙葉は、亡くなった作家の蔵書が集められた「夜の図書館」からオファーがあり東北から東京の武蔵野にある夜の図書館に就職する。図書館の入館料は、1000円(月間パスポート1万円、年間パスポート5万円)です。最初無料の時に色んな人が来て大変な思いをしたので有料にした。そこでは、実在の本に登場する料理が賄いとして出てくる。乙葉は、本好きの同僚に囲まれながら働きはじめるが…。

    第一話 しろばんばのカレー
    銀座の有名な喫茶店でコーヒーを淹れていた木下さんが、図書館の2階にある「図書館カフェ」で賄い食を作る。月曜日の賄い食はカレー。井上靖の「しろばんば」を再現したもので、とても美味しくて私も食べたくなりました。木下さんが入れたコーヒーは絶品です。乙葉は、夜の図書館の寮で就職初日を振り返りながら眠りにつきます。

    第二話 「ままや」の人参ご飯
    図書館に大変な人が来て全員が振り回されて疲れたあとに食べる賄いは、人参ご飯。木下さんが、向田邦子さんが妹さんにやらせていたお料理屋さんで出されていた人参ご飯の「ままや」を再現したものです。乙葉が、一口頬張って、思わず声が出た。人参の甘み、醤油の香ばしさ。なんて優しくて、美味しいご飯だと。

    第三話 赤毛のアンのパンとバタときゅうり
    「アンの青春」にでてくる、パンとバタときゅうりを木下さんがサンドイッチしたものを食べた乙葉は、シンプルだけど本当に美味しかった。疑問、151ページから153ページに「バタ」と「バター」が2種類出てきます。なぜ・・・?

    第四話 田辺聖子の鰯のたいたんとおからのたいたん
    田辺聖子さんの本には、料理の話が多いがその中でも、鰯が炊いたものが主菜、そのお汁でおからを炊いたやつが副菜がよく出てくる。木下さんは、この組み合わせが、たぶんお気に入りだったのだと・・・。

    第五話 森瑤子の缶詰料理
    「夜の図書館」の謎が明らかになっていきます。その日の賄い食は、森瑤子(ようこ)のエッセイの中にあったオイルサーモン丼。シンプルだけどめちゃくちゃ美味しい。

    【読後】
    原田ひ香(か)さんの本を読むのは「三千円の使いかた」についで2冊目になります。私は、時代小説を多く読んでいますが、こういった物語はめったに(もしかして、はじめてかな・・・?)読みませんでした。字が薄くて読みやすい本でもないのに最後まで丁寧に読めたのに驚いています。これからも原田ひ香さんのつむぎだす物語を読んでいきたくなります。

    「図書館」
    図書館のお夜食《単行本》
    2023.06発行。字の大きさは…字の大きさは「小」だが字が薄いので、字が小さくて読めない大きさ。2024.01.09~12読了。★★★★☆

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

原田ひ香の作品

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