当て屋の椿 (4) (ジェッツコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784592145844

感想・レビュー・書評

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  • 今回は養蚕を営む豪農の旧家を舞台にした愛憎劇。
    売れない絵師・鳳仙のもとを訪ねた美しい女・深山は、彼に養蚕の守り神の猫の絵の執筆を依頼するが……
    相変わらず事件は陰惨で猟奇的、美麗な絵がグロい描写に悲愴な残虐美を付与する。今巻では蚕に萌える(笑)鳳仙の包容力、人としての優しさが際立ちました。しかし深山の心は頑なで……いや、主従ものが好きな私は大いに楽しめましたが!
    ギャグが雰囲気を壊すとおっしゃる方もいますが、私はこれでいいと思います。
    扱うテーマが暗く重いだけに、合間合間に挿入されるユーモラスな掛け合いがちょうどいい緩衝材として機能する。
    シリアスに徹しようと思えばいくらでもできるのでしょうが、コメディ部分と緩急が付いてこそ、個々の登場人物が背負った闇の深さや立場のシビアさがリアルに立ち上がると思います。蚕や蛾と触れ合う鳳仙にはとても和みました(笑)

    しかしこの巻最大の見所は若く美しき当主・深山と使用人・藤の関係。
    ネタバレになるので詳細は控えますが、互いを想い合うあまりに生まれた行き違いの悲劇が胸に迫る。村を去る鳳仙が残した絵に託したメッセージと、その絵を拝み泣く満作の姿に貰い泣きしそうになりました。

    花や幼虫の成長速度が早過ぎるなど矛盾点もあるのですが、それらを差し引いても面白かったです。

  • 何となく謎だらけのまま終わってしまった。
    どこまでが現実でどこからが幻想なのか、境目が無くシーンが繋がっていったから余計かも。
    いつ誰かどのようにこれを仕込んだのか、という部分で最後まで分からぬ謎が残ってしまった。

  • もしかしたら一番好きな話かもしれない。蚕編。丸々1エピソードでとても読みやすいです。
    蚕と花をモチーフにお屋敷、美男美女とミステリ要素もバッチリです。
    どんどんイケメン度が増していく主人公。また失恋ですけど。
    複雑な事件て程でもないのですが、深山と藤、男女2人の人間関係が切なく、最後の最後で結ばれるエンドが救いに見えました。
    深山の過去は飛び抜けて胸くそだったから余計に。。天国でお幸せに!

  • 喰う者、喰われる者‥蚕の桑の葉を食べるかさかさいう音が不気味

  • この巻は「蚕の家」編でまるまる1冊使ってます。
    今までの話と比べると、かなり呑み込みにくくて苦労しました...人の心の理屈があるとは言えど、なかなかに複雑で、自分なりに咀嚼するには何回も読み直さなきゃならなさそうな。
    深山の、藤に対する気持ちと...藤の、深山に対する気持ち。
    ううん...難しかったです。

  • 全部蚕編です。
    虫嫌いなんで、蚕も蛾も気持ち悪いし、藤が蚕を食べるところはもっと気持ち悪くなりましたけど、この気持ち悪さがないと、話がつながらなくなるんでしょうね。

    深山の父のやったことは、本当に実の親とは思えず、子供を産んだその日から毎日殺してしまうまでやるって信じられない。それが発端で、深山も藤もおかしくなってしまったようで、ほんとやるせなさが残ったお話でした。

  • 酷評されてると噂の「蚕編」。わたしは結構好きでした。この話が当て屋中で1番人間の醜さが出ていると思う。藤の母親もひどいけど、深山の親父、その上をいく最低ぶりだわ…。
    ただ、深山の「私の本当の傷に触れていいのはあなたじゃない」というセリフの意味や、深山の噛み傷(結局あれは誰がやったの?)を理解するのにものすごぉおおおく時間がかかった。あそこはもうちょっと説明あってもよかった気がします。
    個人的に蚕が大の苦手で、普通に描写されてるだけでもキツイのに、藤が何をトチ狂ったのか蚕を食べるシーンがあって、それもかなりキツかった、です…。でも、結末が気になって気になって最後まで読んじゃったわけですが…。

  • ミステリーなので絵的にはグロいですが、面白いっちゃー面白いです。
    あとまぁ…あまり生き残る人がいないので( ´・ω・`)ってなります。

  • 今までのなかで一番面白かった巻。ストーリーも絵もとっても美しかった。あんま椿は登場しなかったけど。

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