- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593503889
感想・レビュー・書評
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ひとりぼっちのうさぎが、友達を見つけるために、同じ仲間でいっぱいだという、「イースター」を目指して、旅立つ物語。
「イースター(キリストの復活祭)」における、うさぎと卵は、繁盛力旺盛なことから、その象徴とされておりますが、元々は、冬の間死んだように見えた大地から、新しい命がよみがえる、春を祝う日なのだそうです。
そして、うさぎの旅は思いの外、長いものとなり、四季折々の自然を、読み手は眺めることができるのですが、その絵は、ヘレン・クレイグの淡い色彩ながら、葉っぱの一枚一枚まで丁寧に描かれた、繊細な優しさに包まれた美しさであることに加え、場面毎の展開も効果的で、特に、夕立の大雨で霞んで見えるシャクナゲの後に現れた、雨上がり後のしずくを纏ったシャクナゲの美しさは、その対照性もあって、いちだんと映えて見えました。
また、うさぎの旅において、密かについて来ている、ねずみがいるのですが、これがまた、色々と考えられそうで興味深く、ねずみにとっては、独りではないことを、実感できる嬉しさもあるのかもしれないし、単純にうさぎのことが心配だったのかもしれませんが、私は、ひとりぼっちだと思っていても、実は見守ってくれている人がいるんだよといった、希望の存在に感じられました。
そして、長い旅の後に、うさぎが実感したその思いには、春という季節の素晴らしさを教えてくれたようにも感じられ、それは、イースターの、新しい命がよみがえる季節のお祝いとも、見事に合致しており、春が来るのが待ち遠しくなる素敵な絵本だなと思って・・ちょっと読む時期を間違えましたね(^^;)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館本。
原題『The Bunny Who Found Easter』
原作:シャーロット・ゾロトウ
絵:ヘレン・クレイグ
訳:松井 るり子
ある日、ひとりで目を覚ました兎。静まりかえった森にいると、友達が欲しくなりました。梟に「他に兎のいるところを ご存じですか?」と聞くと「イースターは 兎だらけじゃないか」とのこと。イースターってどこ?たぶん イースト(東)だろうと、探しにでかけます。探している間に季節は巡り… -
絵がとても素敵な本です。自然描写が美しく、目を奪われます。ただ、話の内容が「イースターを探しにいく」という概念的なものだったので子供には少し難しいのではないかと感じました。
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一人ぼっちのうさぎがいた。
うさぎは友達が欲しくなり、物知りのフクロウに聞いてると、イースターにはうさぎがたくさんいると言われる。
フクロウはイースターというのだから東の方に行けばうさぎがたくさんいるのでは、と教えてくれる。
暑い夏の池、野原、夕立。
秋の紅葉した木、リンゴの木。
寒い冬、一面の雪、リス、鹿。
どこをみてもイースターらしきものはない。
ところが、とうとう、辺りが暖かくなり春が来た。
そして、1匹のうさぎの足跡を見つける。
メスのうさぎに出会ったうさぎは元来た道を戻り、たくさんの子供が生まれる。
うさぎはイースターは場所ではなく、たくさんの命が生まれる春、時のことだと気づくのだった。
フクロウがイースターとイーストを関連付けて考えたせいで東へ東へ1年間の旅。
最初からうさぎの横や後ろにはねずみがいて、ずっとついてきて、うさぎがメスのうさぎと出会ったときにねずみも相手のねずみを見つける。
本筋に関係ないらしく、画家が勝手に付け加えただけらしいけれど、ねずみと友達になるかと思っていたのでならなくて残念。 -
高田弘子さんからいただいた絵本です。
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2011年8月11日
<The Bunny Who Found Easter>
日本語版装幀/湯浅レイ子(ar inc.)