世界を救うパンの缶詰

著者 :
  • ほるぷ出版
4.31
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本棚登録 : 181
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593535231

作品紹介・あらすじ

阪神大震災の被災者の声から生まれた「パンの缶詰」。これを作ったパン屋の秋元さんは、賞味期限が切れる前にこの缶詰を回収し、海外の飢餓地域へ届ける仕組みも作り上げます。あきらめない心が生み出した、奇跡の缶詰の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 改善点、問題点が出てもそれを乗り越えていく姿が素晴らしかった
    保存ができるパンを作るには?どうやって知ってもらうのか?災害のとき以外にどうやって売り上げを伸ばすか?賞味期限が近いパンはどうするのか?
    行動をしたらなにかしらのリアクションがある
    それに対して臨機応変に対応していた
    夢を持つことも大切だし諦めない姿
    日本だけではなく海外へにも目を向ける

  • 災害のときに、柔らかくて美味しいパンが食べたい、という声にこたえて、長期保存できるパンの缶詰を発明してくれた社長の話です。
    物事を発想し、実行し、リアクションを見て、リ・リアクションを起こす、という彼の考え方は小学生にはいいモデルになるでしょう。
    文章も上手くて読みやすいです。
    学校、買い!

    2023/03/16 更新

  • 読んで、学ぶことがたくさんあるなって感じました。震災がきっかけだったけど、ミッション、パッション、アクションを大切に失敗と成功を繰り返す。それでも、諦めずに前を向いて進んでいく姿が、かっこいいなって感じます。アクションがマイナスなことであっても受け止めて、解説策を見つけ出す。始まりから最後まで無駄の無いシステムだと思います。
    先代のお父さんとの関係とか留学させてもらった経験、子ども達も同じ経験をさせてあげる。外に目を向ける発想と経験が今に生かされてるんじゃないかな。那須から日本、そして世界に向けて必要だった準備期間。本当に感動しました。家族や仲間で支え合っていくこと、それが成功が生まれているのかもしれません。あと、沖縄にも工場があるなんて知りませんでした。3.11以降、基地中は本当に色々と厳しくなったと聞いているので、許可が貰えたことに凄いと思います。
    災害だけではなく、飢えに苦しんでる国や地域にも貢献している写真なども一緒に掲載されていて、お顔が本当に幸せそうでした。
    この本に出会えて、本当に良かったです。

  • 挑戦し続けるジャムおじさん!!
    〜一歩を踏み出す勇気が大事〜

  • 2021.6.7 5-1 誰かのために

  • 小さな町のパン屋さんが作った防腐剤無添加で3年間おいしさをそのまま保存できる奇跡の「パンの缶詰」の物語。
    (カウンター担当/アメリ)

  • とにかくこのパンを食べてみたい。
    パンの缶詰のシステムが結果的にすごくよく出来たものになっていて感動する。

  • 2020年6冊目。

    「グローバル」で「社会貢献」ができるところで働きたいと考えるとき、思い浮かべるのは名だたる大企業だろうか。あるいは国際機関やNPOだろうか。もしそんな就活生がこの本で紹介される「パン・アキモト」を知れば、那須塩原にある「町のパン屋さん」が、NASA(NASUではない)に認められ宇宙へと旅立つパンを開発し、そのパンによって防災と世界の飢餓問題にアプローチしていることに驚くかもしれない。

    それを可能にしたのは、世界初の「パンの缶詰」。「乾パン」ではない。缶詰のなかに、正真正銘ふわふわのパンが入っていて、その状態で3年程度備蓄できるという優れもの。実際に食べたが、甘くて本当においしく、僕も備蓄に使っている。

    開発のきっかけは、阪神淡路大震災の被災地から「日持ちする美味しいパンが食べたい」というリクエストを受けてのことだったという。そこから本業の合間を縫っての開発が始まり、トライアル&エラーを繰り返しながらついに完成させた。

    この商品自体の素晴らしさに加えて、本を読んで驚かされるのは、パン・アキモトの対応力と応用力。

    残りの備蓄期間が少なくなると、自治体や企業はそのパンの缶詰を捨ててしまっているということを、ある日知る。そこで社長の秋元さんは、期限が短くなった缶詰を下取りし、新しい缶詰を少し安く提供するサービスを開始。下取りした缶詰は、連携機関を通じて発展途上国の飢餓地域に届けられる、という仕組みを開発した。名付けて「救缶鳥」プロジェクト。

    この例に限らず、パン・アキモトは常にお客さんの声とリアクションに耳を澄ませ、それに対する更なる「リ・リアクション」として、商品やサービスを進化させていく。その際に、決して自分たちだけでそれをやろうとせず、力のあるパートナーに声をかけ(名だたる大企業含む)、惚れ込ませてしまい、協業を成立させてしまう。その姿は、大企業のようなリソースには恵まれていなくとも、事業を進化させ、世界にチャレンジしていけるという希望だと感じる。

    缶詰事業だけでなく、ベトナムから受け入れる研修生に対しては貯蓄を支援し、彼らが帰国後に自分でパン屋さんを起業できるようなサポートも展開(本の後日談になるかと思うが、実際に卒業生がベトナムでパン屋を創業し、そこで雇用を生み出すまでになっていると聞いた)。

    この本自体は小学生くらいを対象にしているため、大人であれば小一時間で読めてしまうと思う。ただ、そこで知れるエッセンスは決して侮ってはいけない。仕事や世界と向き合う上で大切な姿勢を、たくさん教えてもらえると思う。

    著者の菅さんは『小さなパン屋が社会を変える 世界にはばたくパンの缶詰』(ウェッジ)という大人向けのビジネス本も書かれているが、両方読んだことで、読者対象に合わせた言葉選びの素晴らしさも感じた。僕は普段子ども向けの本を読まなかっただけに、繰り返したりかみ砕いたりする工夫に大きな刺激を受けた。

    パン・アキモトが、これからどんな新しい仕掛けを生み出していくのか、楽しみでならない。

  • パンの缶詰、初めて知った。
    大局的に物事を見ること、経験や人脈がいつか役に立つことがあること。そんなことも教えてくれる良書。

  • ・世界を救うっていう大げさに思うけどその缶詰で世界を救うってことはとてもすごいと思って興味があるから。
    ・このお話では、缶詰のパンができたきっかけなどが書いてある。最後には作者の感謝の言葉もあります。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。『世界を救うパンの缶詰』(ほるぷ出版)で第65回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『山をつくる:東京チェンソーズの挑戦』(小峰書店)『山里にダムがくる』(山と渓谷社)他多数。

「2022年 『世田谷・大平農園 けやきが見守る四〇〇年の暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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