私にふさわしいホテル

著者 :
  • 扶桑社
3.61
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594066833

感想・レビュー・書評

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  • 野心家の小説家、加代子の豪快な生き様。
    「スポットが当たらなかったら、スポットの前に飛び出せばいい。そう、それが成功する最速のルール!」

    アイドルと同時に受賞し注目されなかった屈辱のデビューから名前を変え、様々な手法でベテラン作家を陥れ、文壇をのし上がっていく。
    戦いを重ねた結果、陥れたベテラン作家とはお互いを刺激し合える友人となる。
    自身の作品が原作となった映画に同時デビューした落ち目のアイドルを起用するものの、それは主役に見せかけて脇役だったりと完璧な復讐も行う。
    なりふりかまわず突き進む加代子にも、途中でしょげたり勢いをなくしたりする人間らしさがあるから話にもついていける。
    大学時代の先輩である編集者に「自分が落ちる時は同じところまで一緒に落ちてきてほしい」と願うところは特に良かった。
    実在する作家が実名で出てくるところも面白い。

  • おもしろおかしく読める。
    いまいち主人公には共感出来ずといった所か。

  • 主人公の上を目指す姿に元気をもらいました。落ち込んでばかりで何もしていない自分はダメだなと反省しました。最後はそうつながるのかと復讐劇にびっくり。また元気のない時に読みたいな

  • 最初の1章2章は疾走感があってとても面白い。
    「スポットが当たらなかったら、スポットの前に飛び出せばいい!」という文言など読んでいると爽快な気分になる。
    しかし、主人公は野心だけでモノを書いていて、成功した後に残るものはなんなのだろうか?終章の「私にふさわしいダンス」を読んだ時に、主人公から受けた印象が1章とは年齢がかなりかけ離れて老け込んだように感じられた・・・。

  • 一話目は読んだことあったらしい。表紙のかわいい絵とあわない野心家の女性作家のはなし。朝井リョウさんのキャラがおかしかった。

  • ホテル業界の話かと思ったら、意外や新人作家の出世すごろく。主人公の針が振り切れそうなガッツと目を見張るような行動力は有り得ないと思いながらも、次に何をやらかしてくれるのか期待でワクワク。きっと東十条先生も深層ではこんな心理だったに違いない。女優・島田かれんのその後はどうなったのだろう?第2の樹李に生まれ変わるのか?なったらなったで怖さ倍増。いろいろ実名が出てきたり、あの人・この事と思い当たるフシがあって想像たくましく読了。面白かったです。

  • おもしろかった。自分勝手なのに憎めない。好き勝手するのって大変だけど、できたらすごーく楽しい人生になりそう。

  • 図書館より。
    予想外にぐいぐい読んでしまった。
    主人公、イイ性格してるよね。

  • こんな復讐話とは知らなかったからびっくり。装丁に騙された(笑)

  • この人の作品初めて読んだけど、面白い!!!

  • なんだか面白かった。
    なんてやけっぱちな。終始テンションが高くて、登場人物の感情や立場がくるくると変わりながら進むのが、油断ならない。「文壇」と呼ばれるものへのあからさまで痛烈な皮肉と批判があり、書店員へのほのかな愛と媚び(これさえも手法?)があり、思わずにやりとする。
    柚木麻子の小説は小物、洋服、店など実名で数多く登場するが、今回は山本文緒、朝井リョウなど有名作家が実名で登場して、時代感がある。実名は出ないが、有名作家や書評家がモデルか?と思われる登場人物達やエピソードもあり、最後まで退屈しない。
    amazonや読書メーターなどの書評がこき下ろされているのも痛快。

  • 前半は面白かったが、後半はちょっと…特に最終話は読まなくても良かった。
    東十条のキャラが救い。

  • 1話でどんなことをしてでも成功者になりたいと、かなり強引な手段で夢をつかんだ加代子が、やりすぎ感はあるにしてもかっこよく思えたのに、回が進むにつれて強引な展開に。

    大御所作家は東十条氏とモデルと思われる作家とはかけ離れた名前にしたかと思えば、「朝井リョウ」と実在の人物名がそのまま登場していたりで、これは現実でもこういったことがあるんですよ。という軽ーい告発本なんだろうかと思ったりする。まぁ違うだろうけど。

    話が都合よく周りすぎたりして、読んでいて無理があるよなと思う部分もあったけれど、東十条と加代子の関係性が回が進むにつれて面白いことになっていく。結局二人は似た者同士で、同じ場所に向かう同志でもあるんだろうな。


    【「元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらに「単行本出版を阻止される」「有名作家と大喧嘩する」「編集者に裏切られる」etc.絶体絶命のトラブルに次々と襲われる羽目に。しかし、あふれんばかりの野心と、奇想天外なアイデアで加代子は自分の道を切り拓いていく―。何があってもあきらめない不屈の主人公・加代子。これぞ、今こそ読みたい新世代の女子下剋上物語。 】

  • 表紙のようなさわやかな女子ではありませんね.くだらない男の思いも打ち砕き、上昇気流に乗って行く元気な女子に、ただただ笑うしかありませんね。

  • 柚木先生の冷静に感情を分析しているところに震えます。

  • 加代子、東十条宗典、遠藤先輩の3人の視点が入り乱れて話が進む。
    (最終話だけは島田かれん視点が絡むけど)
    とにかく加代子の鬼気迫るまでの貪欲さには圧倒される。
    このパワフルさに東十条も遠藤先輩もだんだん影響されて変わってくるのが
    面白くもあり恐ろしくもあった。
    特に遠藤先輩は加代子のことが好きなのか嫌いなのか
    その都度違って見えてしまって若干困惑。

    この本を読む前に柚木さんと窪美澄さんと朝井リョウ氏の飲み会対談を読んでいて
    その中でこの作品の裏話的なエピソードが語られていたので
    なんとなくモデルがいるということを判ったうえで読んでいた。
    そこには出てこなかったけど、さしずめ島田かれん=水嶋○ロというところか。
    東十条先生もあの方だなということは判る(読んだことはない)のだが
    個人的には『宗典』という名前に引っ張られて原田先生を思い出していた。
    絶対違うはずなのに(笑)。
    吃驚したのは実在の作家さんが何名か実名で登場したこと。
    その中には主人公と深く絡む人もいてそれも吃驚。
    朝井リョウ氏があのまんまの人だったら可笑しい(爆)。
    ご本人の名誉のために、ヴァンショーの会計は
    朝井氏に付けた方がよかったんじゃないかと思うのは余計なお世話か(笑)。
    というかご本人の承諾は得ているのだろうか。

    ひとことで言うと『怖い話』だった。
    何が怖いってひとりも性格のいい人が出てこないのが怖い(爆)。
    今年の年頭に座右の銘に掲げたのが『貪欲』だったのだが
    貪欲も度を超すととんでもないことになるってことを実感した。

  • こういうのメタフィクションってゆうのかしら?
    実在する小説家さんも多数登場。
    順風満帆でイケイケモテモテなんやろなーと思い込んでた朝井リョウ氏、実際こんなやったら好きやわ。とりあえず桐島読んでみよ。
    京極先生の新刊を万引き犯に投げつけるところ好き。アレは鈍器や。
    女のこわーい部分を書かせたら天下一品ですな柚木さん。
    これからも楽しみにしてます。

  • 加代子のタフさでこちらまでどんなこともなんとか切り抜けてみせる!という気持ちになります。痛快!

  • 最初は実在の作家さんが出てくるし、これはエッセイかと思いきや、はじけたコメディっぽい小説だった。「私にふさわしい○○」の○○の中に私だったら何て入れようかと呑気な気分で読み始めたら、加代子大暴れ。でも「私にふさわしい○○」と思うことは大事なこと。生きる力になる。

  • ホテルやワインの蘊蓄が多い内容かと期待しつつ読み進めていたのですが、そうではなく。
    デビューした作家がいわゆる売れっ子作家になるまでの道のりの物語でした。これはこれでとても興味深い!後半にいくにつれてますます面白くなります。
    途中、朝井リョウまで出てくるし!

    高畑充希ちゃんでドラマ化してもらえないかなぁ。東十条先生は松重豊さんで、島田かれんは、最近話題の松本若菜さんだったら絶対面白いと思うんだけど。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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