芸人迷子

  • 扶桑社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594076122

感想・レビュー・書評

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  • アツい。芸人へのリスペクトが深まるし、自分の仕事への熱を取り戻させてくれます。3人の先輩の言葉がどれも素敵でした。「何か新しいことやってるか? 誰もしてないこと探してるか?」、「解散したら0になる。また地べたから這い上がってこい!」、「面白いやつは絶対売れる」【2020年8月13日読了】

  • *結果と周囲(主に客)からの評価を気にする、チョコマカした方向へ。ずっと北風と太陽の北風な感じ
    (どうしてこうなった?)

    →結局は美意識(センス)と深淵に向き合う事から逃げた事と運

    もともと神経質で小心者な性格、緊張しいで真面目、存在感ではなくスキラー、絶対結果を出さなくてはいけない「貧ずれば」の場面に追い込まれた、父や芸人仲間やケンコバに自分を認めさせる手段としてのお笑いになってきた、復讐心と焦燥感と自己嫌悪がガソリンになってしまった、そうなると手段でありネタ作りが楽しくない、客ウケに走ってしまったがその流れから育ったファンやライブも捨ててしまった、受け身を取れなかった、しかし芸人や吉本という肩書きへの矜持や執着は人一倍。ケンコバとのコンビの形or相方に物足りなさを感じる二つの道しかなかったのでは(自分を受け入れられなかった)?しかし自分を受け入れられないという強い自我がなければそこまでもいけなかったのでは?本当に周りは認めていなかった?beよりもdoに寄り過ぎた、出役よりプロデューサーが向いていた?でも結局は時代や巡り合わせ次第?

    今でも最高なのにもっと最高な未来
    を描けなかった

    「見返してやる」という毒な復讐心と、「何クソ」というスパイスな反骨心の違いはどこか?
    周りからの評価に焦点:復讐
    周りに対する自分の生体反応:反骨
    いや結局運と結果次第かも。何事も中庸が一番。

  • 90年代後半から00年初頭にかけて、お笑いブーム(ほぼイコールエンタの神様)の少し前のお笑い好きが観る番組と言えば、"爆笑オンエアバトル"でした。

    その中でも常にハイスコアを叩き出し、若者の人気をかっさらっていたのが本書の著者であるハリガネロックです。30歳中盤移行〜ダウンタウン世代のホープでした。

    哀しくも、解散してしまった(時代性とか選んだ道の厳しさとか)このコンビが解散するまでの履歴を辿る一冊です。

    今では南海キャンディーズやぺこぱよろしく"m1王者、プロ漫才師≠お茶の間の人気者"と言う図式は浸透しているように見えます。ただ、この当時は芸、コンテンツ至上主義みたいな風潮が強かったのがユウキロックさんを漫才にドライブさせる要因だったのかも。

    哀しくも色々と学びにもなる一冊です。

  • 居続けるためには、代わりのいない存在にならなければならない。俺がいなくても地球は回り続けている。所々にずしっと響く重たい言葉があった。

  • 新聞で大上さんがアイドルの運営に携わっているのを知り、そこからつながって読んでみました。

    松口VS小林。の頃から、大ファンとはいえないけれど定点観測でみてきたので、いろいろと考えさせられた。

    笑いとは何か、芸人とは何か、考えれば考えるほど迷路にはまっていく様子がよく書けていると思った。

    筆者は漫才だけではなくて、話す技術が高いと思っていたので(アメトークではいまいち発揮されていなかったけれど)、芸人を辞められたのはとても残念。

    これほどいろいろ考えた松口さんに漫才を教えてもらえる生徒さんは幸せな気がする。

  • ユウキロックがコンビを解散して裏方になるまでの話。

    まず時系列順じゃないのでわかりにくい。
    いつケンコバとのコンビを解散したのか、ハリガネロックのいつ頃がピークだったのか、よくわからない。
    で、芸人の文章は大抵オチが付いているのだけど(又吉の純文学でさえ)、これはそれが全くない。

    むしろ読んでて伝わってくるのは相方と今一つブレイクしないことに対する苛立ちと緊張感。
    本人が神経症だと思うくらい神経質だから余計に。
    特に「M-1」や「THE MANZAI」の賞レースはとことん計算しながら、相方の態度も含めて計算通りにいかないから息苦しくなるほど。

    とここまで悪いことしか書いてないけど、気持ちは凄い共感できた。
    芸能の仕事に関わってる人なら誰しもある葛藤を、余すところなく描いてた。
    彼のことはほとんど知らなかったけど、裏方になった彼の今後に幸あれ!

  • 僕は芸人が大好きだ。
    好きというよりは、尊敬に近いような感情。
    生き残るのがとても厳しい世界の中において、「笑わせること」に命をかけて、身一つで戦うその姿は、とてつもなくかっこいい。

    そんな芸人の生き様が、痛々しいほどリアルに描かれてる。

    とても真似はできないけれど、愛するものに思い切り向き合って後悔なく人生を終えられるようにしなければ。

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