日本国史 世界最古の国の新しい物語

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594079826

作品紹介・あらすじ

【内容紹介】
歴史は正しく修正しよう!
最新の歴史研究を踏まえた「田中日本史」の決定版。

歴史とは国家の「来歴」を語る「物語」である!

高天原は関東にあった!?
天孫降臨はフィクションではない!?
・神武天皇の実在を示す日本独特の巨大な前方後円墳
・法隆寺は日本人の精神性の結晶
・白村江の戦いを契機に生まれた日本の対外的国家観
・社会福祉活動を政治に反映させた光明皇后の功績
・東大寺の再建によって結びついた天皇家と源頼朝
・外国人を巧みに利用して外交方針を定めた徳川家康
・明治維新最大のポイントは律令制の復活にあった
・三島由紀夫の死と日本人のあるべき生き方……他

【目次より】
第一話 日高見国――縄文・弥生時代、関東にあった祭祀国家
第二話 天孫降臨――関東から九州へ、船で渡った瓊瓊杵尊
第三話 大和時代――神武天皇と日本の統治
第四話 飛鳥時代――日本人の神髄「和」の思想の確立
第五話 白鳳時代――律令国家の誕生と国家意識の確立
第六話 奈良時代――日本の古典を成熟させた天平文化
第七話 平安時代――貴族が極めた宮廷文化の頂点
第八話 鎌倉時代――武家政治が生み出した仏教美術
第九話 室町時代――現代に継承される日本文化の誕生
第十話 戦国・安土桃山時代――西洋文明との邂逅
第十一話 江戸時代――百万人都市が育んだ庶民文化
第十二話 明治維新――西洋文明との格闘、そして独自性の追求
第十三話 日清戦争から大東亜戦争まで――近代化された日本の戦争
第十四話 現代に続く日本文化の財産

本書は平成24年刊行の田中英道著『日本の歴史 本当は何がすごいのか』(小社刊)をもとに、最新の歴史研究の成果を踏まえ、大幅な加筆を行い刊行するものです。

感想・レビュー・書評

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  • 国の歴史を今の価値判断で見てはいけないということですね。
    その時の時代背景を考えて国の行動が
    本当に自国を守るという観点から見ないと。
    勝者からの自慢の歴史ではまたは自虐の歴史とでは
    見方が反対になることも。

  • 日高見国、天孫降臨、大和時代、飛鳥時代、白鳳時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、戦国・安土桃山時代、江戸時代、明治維新、日清戦争から大東亜戦争まで、現代に続く日本の文化遺産。
    文化、美術史的な観点が多く語られ、違った角度からの見方が得られる。
    日本文化史:アルカイスム→クラシシスム→マニエリスム→バロック
    写楽が葛飾北斎だった。(他の研究では写楽は別人物 ある藩のお抱え絵師でバイトで書いてたので数カ月のみ活躍)

  •  かなり無理というか、ツッコミどころがあったような気はするが、言いたいことはわかる一書。
     著者の史観は二点。まず第一に、天孫降臨は大陸からのイメージがあったり、天からという抽象的な印象があるが、関東に日高見国があり、そこから九州に移り、東征が行われたのではないかという考え方だ。しかし、黒潮の流れを考えれば、九州にたどり着くのは難しいのではないだろうか。そのあたりの細かい議論はなされていない。ただ、関東・東北に古墳や三内丸山遺跡などの大規模な集落・国家らしきものがあることは、忘れてはならないことだと思う。
     二点目は、神道帰結史観だろう。なんでもかんでも結局は自然道としての神道に価値観が吸い込まれていく。どんなものが入ってきても、密教だろうがなんだろうが、あれも神道、これも神道となっていく。結局日本は厳しい自然環境のなか、現世利益的に生きていくしかないのであり、そのしたたかさと神道=天皇と結びつけるのは、日本人を信じすぎとも考えられる。
     神道や自然道といった言葉ではなく、「したたかさ」とは何なのか、という、ずるさと捉えてそれをあえて「やるやんけ」と褒めるような書き方をすればバランスが取れたのではないかと思ったりもする。天皇の信仰と、民衆の信仰のズレについての検討が今後の課題だろう。

  • 2019/03/05:読了
     美術史の人。
     多くが、文化的な話で、無理に保守的な感じにすることもないと思った。
     高天原は関東(常陸)にあり、日高見国の人々が、九州に移り、そこから東征が行われたという見解は少し、新鮮だった。最近分かった、
     弥生人、母系は渡来系、父系は縄文系か DNA分析で判明 https://ameblo.jp/sakura-ke/entry-12444297972.html
    と、つじつまが合う。
     それにしても、旧石器時代の遺跡が、日本で多く発見されるのはなぜなんだろう?

  • 文化、特に美術関係がわかりやすかった。
    日本の文化・伝統は、縄文時代から現在までの積み重ねであり、事実として存在する。日本の生き方は自然な生き方である。

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著者プロフィール

昭和17(1942)年東京生まれ。東京大学文学部仏文科、美術史学科卒。ストラスブール大学に留学しドクトラ(博士号)取得。文学博士。東北大学名誉教授。フランス、イタリア美術史研究の第一人者として活躍する一方、日本美術の世界的価値に着目し、精力的な研究を展開している。また日本独自の文化・歴史の重要性を提唱し、日本国史学会の代表を務める

「2024年 『日本国史学第20号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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