世界の夜は僕のもの

著者 :
  • 扶桑社
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本棚登録 : 134
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594089542

作品紹介・あらすじ

『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』『渋井直人の休日』の渋谷直角による最新漫画は90年代の東京が舞台!

『i-DJAPAN』『CUTiE』『オリーブ』『コミックキュー』、渋谷パルコ、ソニープラザ、アフタヌーンティ、ボディショップ、ヒステリックグラマー、アニエスベー、ダウンタウン、ナチュラルハイ、魚喃キリコ、岡崎京子、安野モヨコ、ジャミロクワイ、フィッシュマンズ、サニーデイ・サービスetc. 90年代を彩ったカルチャーと、当時を生きた若者たちの夢や恋愛、友情を綴った、懐かしくそして新しい連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 90年代の若者文化を余すところなく描いた連作短編コミック。90年代に20代だった私には、一つ一つのネタが刺さりまくりで懐かしいの何の!通ぶってイキッてた当時の自分を思い出し、恥ずかしさでのたうち回りたくなる箇所多数だが(汗)、それでも今の自分は間違いなくこの時代に様々な文化に触れて、形作られたんだということを再認識した。
    Olive、CUTIE、スタジオ・ボイス、ヒロミックス、岡崎京子、魚喃キリコ、安野モヨコ、ソニプラ、ガロ…。その他、懐かしい固有名詞が沢山登場!個人的にツボだったのは、モスモス(モスバーガー発行のフリペ)、PeeWee(ソニーマガジンズ発行の女性誌)、jive(キリンの缶コーヒー)等々。サブカルに踊らされ、自意識過剰でスベったり拗らせたりな若者達が、痛々しいけどいじらしい。とにかく、隅々まで読みごたえアリ。この時代を通り過ぎた世代には、ああ~こういうのあったあった!と懐かしんで欲しいし、この時代をリアルで知らない今の若者達には「新鮮だな」と感じてもらえたらなと思う。

  • 文筆家・木村綾子が月10冊を選書 多彩な企画と本を届ける書店「コトゴトブックス」の挑戦|Real Sound|リアルサウンド ブック
    https://realsound.jp/book/2022/02/post-958875.html

    渋谷直角「世界の夜は僕のもの」 固有名詞が誘う90年代の高揚感|好書好日
    https://book.asahi.com/article/14477186

    世界の夜は僕のもの|書籍詳細|扶桑社
    https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594089542

  • 私より少し上の年代。 そして、東京。 今の10代後半~20代前半と、どう違うかな。

  • 渋谷直角さんの最新刊。
    90年代のリアルな人間を抉り出している。まさに自分もあの時代を生きて、あまりにも心臓に突き刺さるようなヒリヒリする痛みを覚えながらページを捲らずにはいられない。サブカルの実態を痛切に描く作品なのに、本屋ではサブカル棚にひっそりと置かれていた。これもまた皮肉な現実。

  • 90年代版、ガールズブラボー!!
    珍しく、希望、とゆうか、ほのかな未来への期待を感じさせるラストだったなー。いつもはカルチャー地獄変なのに笑。
    これはきっと、作者の若かりし頃の思い出語りの側面があるからなんだろうなー。今までの筆者のメインテーマであった、サブカルを抱えたまま中年になってしまった者の苦悩、悲哀。これは作者が描くそういったヤツらの前日譚にあたる作品なんだろうなー。
    ただ、サブカルとゆうか、時代(あと、青春)の暗黒面もしっかりと描いているので、個人的にはこのバランスが好きである。

  • いつの時代の若者文化も、過ごした人にとってはかけがえないもの。私にとっても90年代のサブカルチャーは、今の自分を形作ったに違いないかけがえないもの。
    オリーブ時期もcutie時期もあったし、渋谷に行けば必ず寄ってたPARCO。yellowではないけどクラブでの思い出もたくさんある。
    あの頃のフリマの様子もまさに!だし、岡崎京子やなななんキリコの漫画も読んでたし。トランスコンチネンツ、ワールドワイドラブ、ドゥファミリーとかもう懐かし過ぎて誰かと懐かしトークしたーい。
    刺さる人には刺さる要素盛り沢山。
    新高円寺の美術系専門学校って…。もしや。
    ノスタルジーに浸れました。

  • うわっ、この雑誌の表紙覚えてるよ懐かしいっっ。PARCOブックセンターに降りていく、あの階段の踊り場とか、BEAT UKのオープニング映像とか、あの頃を鮮明に思い出させるパーツパーツが丁寧に描かれていて、懐し死にしそうでした。登場人物たちの喋り方なんかも、あの時代らしい感じで、痛々しくて愛おしいです。あの頃に戻りたいとも思わないけれど、間違いなく自分を作った90年代カルチャーと、その洗礼を受けた人への愛情を感じました。

  • 地元にいた10代の頃に憧れて追いかけていたトーキョー!って感じで、懐かしくもあり、当時の自分を思い出して恥ずかしくなったり甘酸っぱかったりで、面白かった!!!

  • 90年代って本当に記号の嵐!!!映画や音楽の固有名詞がファッションの一部だった頃。
    今と違って系統がキッチリと分かれていたよね。
    どの雑誌を読んでいたかで、その人の通ってきたカルチャーやファッションまでだいたい把握できる。
    お笑いは関西では天素派と2丁目派で分かれていたな。

  • 90年代東京のカルチャーと、かっこよくなりたい、モテたい、好きなものをきわめたい若者たちを描いた作品。正直当時の東京にいたわけでないので、その空気感は遠くからかんじ、流行もおくれて入ってきてたんだなあと思いつつ、自分なりに90年代の流行の受容を思い起こすよすがになったり。i-D JAPANに「なんだよこの雑誌!?こんなこと知りたい人いんの!?」ていった主人公のひとことが、カルチャー全般に言えるとは思うけど、だからこそ知りたい、という思いも一方ではあり。フランス映画、ブックオフ、モスのフリーペーパー「モスモス」、渋谷系、ハッピーマニア、テクノ、フィッシュマンズ、Jリーグ、小室ファミリー、ミスチル、ビョーク、岡崎京子…今もあるもの、勢いのあるもの、そうではないものを眺めつつ。

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