レッド・クイーン 4 暁の嵐 下 (ハーパーBOOKS)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541369

感想・レビュー・書評

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  • カルは父親の夢によって作られ、メイヴンは母親の悪夢によって作られている。

    奴隷の少女が革命を起こすシリーズだが、最後はカロア兄弟をどうにかする話で終わったなという印象。三巻辺りからアイリス、エヴァンジェリン視点が入り、W王女の戦いの様子は面白かったものの、面白かったがために一兵卒に過ぎないメアの存在感が薄くなってしまったように感じた。

    能力者が天候を操り、戦闘機や軍艦が入り乱れる戦争はど派手で良い。銀色の血を持つ能力者の設定が、化粧をすればレッドと見分けがつかない、レッドの突然変異が大勢いる等々の理由で異種族感が薄れ、ただの貴族と変わらなかったのは残念。エルフと人間のような種族の壁が感じられた方が盛り上がったと思う。

    メイヴンはニュー・ブラッドを処刑していた頃がピークで、母親が死んでからは薄笑いを浮かべて人を煽るだけの痛い子になっており、ファーレイに襟首をつかまれ蹴っ飛ばされた時はざまぁと思ったが、死ぬところを見たくないとメアに言われて「僕にはふさわしくないほど素晴らしいさよならだ」と返すところは所はホロリとした。

    メアの愛情を求める惨めな子犬だの、哀れな単細胞の獣だの、各人からボロクソ言われているカルは、自由を手に入れたエヴァンジェリンに背中を押される形で自分の道を選ぶ決意をし、それを表明するのに「もう手遅れかい?」とメアに聞くのが軟弱王子らしくて良かった。弟を殺されて恨んでいるとメアが言っているが、カルは死ぬまでメアの尻に敷かれ続けると思う。

    「あらすじ覚え書き」
    アイリス率いるレイクランド海軍がハーバー・ベイを襲うも、エヴァンジェリン達の活躍によりスカーレット・ガード連合軍は勝利を収める。中立地帯で首脳会談を開いたカルはメイヴンに降伏をうながすも、メイヴンはそれを拒否。裏でアナベルと取り引きをしていたアイリスは、レイクランド王殺害に関与したリフト国王と引き換えに夫であるメイヴンを捕らえて引き渡す。

    ノルタ国王となったカルに、玉座を捨てなければ同盟を解消するとモンフォート、スカーレット・ガードが選択を迫り、亡き父を裏切れないカルは要求を拒んで同盟を失う。正式に戴冠したカルはレッド達の解放を宣言。兵役をなくし、労働の対価を支払うことを約束する。

    同盟と奴隷を失い、窮地に立たされたノルタ国をレイクランド海軍が急襲する。レイクランドの動きを読んでいたスカーレット・ガードは、地下鉄の通路を使い首都アルケオンに侵入。奇襲をかけレイクランド海軍を退ける。カルには弟を殺すことはできないと悟ったメアは、逃亡したメイヴンを探し出し息の根を止める。ようやく自分の道を選びとる決意をしたカルは、玉座を捨てメアの傍にいることを選ぶ。

  • 途中、「えー」と中だるみしましたが、おもしろい物語でした。

    エヴァちゃん、主役乗っ取ったって感じでした。
    最高のキャラだと思います。

    やっぱ最後まで王子様がきらいだったなぁ。

  • 『もう冠は要らないよ』
    いやぁ、この言葉が出るまで長かった。しかし、重い言葉だから仕方ないね。よく言えたね、と、ちょっぴりカルを見直したw
    複雑と言えばこれも仕方ないのだけど、弟を殺してくれ、と言って送り出しておいて、瞳に怒りと恨みを浮かべてるとはね~。自分では出来ないことをメアにやらせておいて、それはないんじゃない?と思ったw
    返す返す、何故にシェイドを殺してしまったんだ・・・・・・と悲しくなった。生きてて欲しかったよ。メアの家族には幸せになって終わって欲しかったな。ファーレイとクララという、新しい家族を加えて、ね。
    離れて過ごす時間は必要だと思った。
    そうじゃないと、カルの瞳に宿る怒りと恨みは、いつまで経っても消えることはないだろう。
    うまくいくといいね。そう思った。

  • ようやく、ようやく。
    長く積んでいたメアちゃんの闘いを見届けたよ。

    個人的にはもうこれのヒロインはエヴィだったから(彼女のラストには胸熱だよ。よかったのう。)、メアがどこまでいってもメアで変わらないのがよかったんだろうな、と。

    最後は結局互いの能力を使うことなく素手とナイフで戦って、ちょっと拍子抜けだけど、たぶんこのほうが全てを失った感が際立つんだろうな。

    考えてみれば拗らせ男子界金メダルのメイヴンはまだ19歳かそこらの少年なんだもんな。絶賛拗らせ期でも仕方ない。

    メアが愛する家族となんやかんやとハッピーでよかった。

  • 読了。

  • やっぱりそうなるよね。

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