ミステリアム (ハーパーBOOKS)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541529

感想・レビュー・書評

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  • ホラーというほど怖くないかもしれない。実験所で古細菌に侵された男が未練のある女性の所へ、怪物に変化しながら迫っていくのだが、どうも悠長な感じかな。その女性にはIQは高いが自閉症の男の子がおり、遠く離れたところにいるゴールデンレトリバーとテレパシーのようなものとつながっていて、邪悪な怪物が近づくとともに、男の子の所にやってくる。男の子と母親には、その怪物だけでなく、別の危機も迫っていた。とまあ、ハラハラドキドキの展開になるところだが、なんだか先が見えてしまってちょっとつまらない。男の子と犬の触れ合いや、人と犬の新しい関係などが示されるのだが、なんだか唐突感は免れない。アメリカの長編小説らしく、状況や登場人物たちの心理描写、作者の思想などが長々と述べられていて、結構読むのに体力がいる。

    • goya626さん
      ikedazuさん
      私も、またクーンツ、読んでしまうかもしれません。
      ikedazuさん
      私も、またクーンツ、読んでしまうかもしれません。
      2021/08/25
    • ikezawaさん
      それはなんだか嬉しいです。
      わたしも積読にしてる「戦慄のシャドウファイア」などを読んでみようと思います。
      それはなんだか嬉しいです。
      わたしも積読にしてる「戦慄のシャドウファイア」などを読んでみようと思います。
      2021/08/25
    • goya626さん
      ikedazuさん
      体力が回復したら読んでみようかな。「ウォッチャーズ」ももう一度読んでみたい気がします。
      ikedazuさん
      体力が回復したら読んでみようかな。「ウォッチャーズ」ももう一度読んでみたい気がします。
      2021/08/27
  • 「ミステリアムとは何なのか」を調べず、前作を読んだ直後に読み始める。
    ここ2週間ほど仕事が忙しく、落ち着いた時間も取れずつらつらと読み進めるがこの本がどうにも面白く、少しずつだと読後感にも影響が出そうで読むのがもったいなくなり「読みたい」けど「まとまった時間でドップリ読みたい」という葛藤を繰り返していました。

    何故かはわからないが人間の言葉を理解し、そんな自分のことを理解してくれている飼い主と暮らす犬のキップ

    高機能自閉症であり、言葉を発しないが特別な頭脳を持ち「事故死した父親の謎」を調査する少年、ウッディ

    その彼を愛し、苦難に立ち向かう
    ウッディの母親、メーガン

    キャンプ地で虐待を受けそうになっているキップを助けた元軍人で作家のベン

    突如莫大な遺産と不思議な犬を預かることになった女性、ローザ

    ある研究で事故に遭い、身体能力が劇的に飛躍した企業のCEO、シャケット

    もう、ひとりひとり主人公で作品描いても成り立つ感じなんですよね、濃いな…
     研究の事故として生まれた邪悪な存在に、危険を知った賢い犬と人々が協力して立ち向かっていくのは前作と同様ですが、現代版に仕上げられています。

     単純に「賢い犬なら見世物にしてどうにか金に変えてやろう」みたいな考えでサイコな殺し屋とかは出てこないのですが、いつの時代も変わらず短絡的に仕事として暗殺を行う人や、より賢く冷酷に人を支配しようとする人々が出てきます。

     自分達も経緯はわからぬまま進化やそこからの地球に暮らす生命としての発展にまで想いを巡らす者達、他者よりも強く素早く凌駕しようと駆け上っていく者達の対比が描かれているように見えました。

     犬を飼っている人が読むと、またちょっと深く楽しめる部分もあるのかもしれない。(私も飼っていたが逃亡し、のちに意外な形で再開を果たすが、それはまた別の話) 作者の犬への想いが伝わってきます。

    「ウォッチャーズ」について「前作」と書いているけれども「正統継承作品」と言った方がしっくり来る。
    読んでると感動が大きくなる部分はある。ネタバレではないのだが、ある者たちがたどり着けない謎(過去の出来事)=ウォッチャーズでの出来事というだけで「読んでいると更に楽しめる!」というやつでした。

    比較すると前作には「ストーカーサイコ野郎」と「悲しき怪物」が出てきますが、今回はソレのハイブリッド版が出てきたり、キップとベンのやりとりは前作の主人公を彷彿とさせる感じがあったり
    「嗚呼、まだ物語は続いてたのね…」と、続編の良さというか喜びを感じました。
    (※本の発売は前作から30年近く経ってます。私が前作から今作を読むまでは数日しか経ってないのですが…)

    読んでて「コレどうやって終わらせるんだ???」と心配になった部分もあり、詰め込んだ感もありましたが、面白かったです。

  • やはりクーンツのワンコの話に外れなし‼️

    一気読みしてしまいました。

    愛する人を亡くしたゴールデンレトリバーのジップ。
    そして、高い IQの持ち主でありながら高機能自閉症で言葉を発したことがないウッディ。

    心で語り合う一人と一匹の友情の何と尊く美しい事か。

    見守る大人の素晴らしいこと。

    クーンツ、大好きです!

  • 「ウォッチャーズ」の正当な続編、というのはさもありなん。物語に直接の繋がりはないのですが、ここに登場する犬たちは明らかにあのアインシュタインの子孫たちなのだろうか、と思えます。犬好きは必読。ちなみにとことん猫派、「ウォッチャーズ」の一番の魅力はアウトサイダーの悲哀だろう! と思っている私でも、犬が可愛いと思えました(笑)。
    知能を持った犬のキップと、高機能自閉症の少年ウッディ。その素晴らしい出会いと、彼らを追う恐ろしい者たちの脅威。という骨組みは「ウォッチャーズ」と似ていると言っちゃ似ているのですが。今回の方が危機は大きいのでは。ウッディの素晴らしい知能、そして彼の周りに集まる人たちも素晴らしいのだけれど。敵が邪悪なものに姿を変えたあいつのみならず、プロの殺し屋集団まで来ちゃうだなんて! ま、クーンツですから。大団円は間違いないだろうと信じながらもどきどきしっぱなしです。
    しかしそれにしても。ラストの殺し屋集団を迎え撃つあの作戦は……唖然とした後、抱腹絶倒。なんてことするんだ! そりゃあ殺し屋たちも混乱するわ! 凄いことやってくれます。

  • ラストはあっさりだが、読みが止まらない犬小説。

  • 久しぶりにディーン・クーンツさんの小説を読めた喜びに浸っている。彼の作品は、想像すらしたこともないような悪と、善良な主人公が対峙する手に汗握るミステリー的なものが多い。本作も純粋な悪と善良なる主人公との戦いが繰り広げられる。テンポよく物語が展開し、ページをめくる手が止まらなくなる娯楽作品だ。
    本作品は著者の作品である『ウォッチャーズ』の続編といってもいい作品で、賢い犬が登場する。
    クーンツさんの作品は、以前は書店に多数文庫本が並んでいたが、今はあまり見かけなくなってきた。本書は書店で見かけて、声を上げそうになるのを抑えて喜びとともに手にとった。原題は『DEVOTED』、辞書によると、忠実な、献身的な、という意味とあった。本書にぴったりの題名だ。
    訳者のあとがきで、最近の作品とか紹介されるパターンを期待したが、残念ながら著者の近況紹介はなかった。
    未訳の作品があれば、ぜひ日本語で文庫化してほしい。

  • 作者の犬への愛情が、溢れ出ている作品。
    作中から好きな一節、「彼らには規律と思いやりがある。彼らは犬なのだ。」

  • 「少年と犬」のホラー版。
    善良なものと邪悪なものが出会うときのハラハラ。

  • 知性を持った犬、自閉症の少年、進化の道を辿る元CEO、ダークウェブの殺し屋たち、腐敗した悪徳保安官とこれでもかキャラクターを詰め込んでスピード感のある物語。とても楽しめた。他のクーンツ作品もぜひ読んでみたいと思わせる傑作だった。

  • 高機能自閉症で天才少年のウッディと、人語を解するゴールデンレトリバーのキップが出逢う時、新たな歴史が動き出す!
    ウッディが父親の死の真相を探る中で敵対する巨悪が、権力を持っているし残虐で容赦ない。どう切り抜けるのか?というところで”ミステリアム”が重要な鍵となります。
    無垢なる者たちと彼らと運命を共にする大人たちも魅力的。緊迫した最終決戦が圧巻でした!

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