パラドックス13

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 778
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107394

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読みふけってしまった作品。
    人類がある日、数人を残して全ていなくなってしまったらというSFというかIFストーリー小説。
    どうやって生き残るのかを必死になって考えたり、尊厳死の場面があったりと生き残りサバイバルの描写がかなりリアルで目が離せませんでした。
    人間の心の移り変わりも丁寧に描かれていて、私はとっても楽しめました。
    しかしながら、主人公の兄(もはやダブル主人公と言っても差し支えないほどの超重要人物)の誠哉さんが漫画に出てくるような堅物というか冷静沈着な男で、文章からイケメン度合いがビシビシ伝わってきて、惚れてしまいそうでした。
    しかし、生き残った人類を存続させるために女性たちに「アダムとイブのイブになってほしいんだ」と言い出した時は思わず吹き出してしまいました。
    どんな発想?
    それを女性に言ったら非難殺到するであろうことが分からなかったのかしら、いやでも、そこが誠哉さんらしいっちゃ誠哉さんらしいのかもしれませんが…。
    最後、生き残ったメンバーが現実世界に戻り、亡くなった人々もちらほらと描かれているのを見てぞくりとしました。
    自分がパラドックス13の世界に行ったらすぐ死ぬだろうなぁなんて読後はしばらく考えていました。

  • 作者にしては珍しいSFな作品。 13時13分13秒。突然の宇宙の歪みで一瞬にして地上から13人が消え去った。極限状態での人間の心理、善悪の観念、死生観、 追い詰められた人達の心理描写もすごく描かれているがラストがいまいちだった。

  • 面白い

  • 「強くなんかないです。とても弱い人間です。弱いからそれをごまかすために、少しばかり突っ張っているだけです」
    「他人と関わりを持たない方が得をする世の中にしてしまった。その結果、1人で生きていかねばならない老人が増えたわけだが、その事態を国は文明の力で対応しようとした。で、老人はそれらを頼り、1人でも生きていけると錯覚する。私も錯覚していた1人だ。真の老人福祉とは、手すりをつけたりバリアフリーにすることではない。手を貸してくれる人なんだよ」

  • 東野センセらしくないなぁ。SFだからかなぁ。けど時生とかともまた違うしなぁ。面白くなかったわけじゃないけど、なんだかなぁ(;´Д`A 誠哉さんもなぁ、冷静沈着だったはずが後半に村の話おっ始めたときから、ちょっとう〜ん(´・_・`)だったし、んで最後死んじゃうんかぃ(ーー;)!って感じで。ゆり戻し後も微妙(´Д` )

  •  映画の脚本みたいでした。太一が死んだ時よかったと思い、ゆうとは何の役にも立たないのに、生きて欲しいと思った。少人数なのでキャラがわかりやすくふりわけられていた。
     現実的にこの天変地異の中生き抜くには10倍くらいは人数必要な気がしますが…。

  • 久我冬樹
    久我誠哉
    中原 明日香
    山西繁雄
    山西春子
    戸田正勝
    こみねよしゆき
    富田菜々美
    新藤太一
    白木恵美子
    白木みお
    勇斗河瀬

  • 運命の13秒間

    他の場所にいた人は、当然生き残れなくて死んだのだろうか?
    なんてヤボな疑問を持ちつつ…。

    こういった限界状態の話を読んで思うのは、
    環境や置かれている状況が生き抜くためのルールを作る。
    誠哉が言った「11つの国」の例えが印象的。

    あと、誠哉は自分が現実世界で死んだことを自覚しているのかも、とか、
    超エリートだけれど、エリートなりに色々な苦悩と後悔があって、
    もう一度生をもらったこの世界では後悔しないために必死に生きようとしていたのかな、、、
    など、本文では出てくることのない、
    誠哉のこれまでの人生の影の部分を、色々妄想しながら読んだ。
    スピンオフで誠哉の視点からの話も読んでみたいと思った。

  • 13時13分からの13秒間、地球は“P‐13現象”に襲われるという。
    13時13分13秒、東京に残されたのは赤ん坊から老人まで、年齢も境遇も異なる13人の男女。
    断続的に豪雨と地震に襲われながらも生き抜こうとする人達の共通項とは。

    面白かった!! さすが東野圭吾。
    災害、飲料、食料、怪我、病気、性欲など様々な現代の課題が織り込まれた小説。
    13秒の謎はとても面白かった。

    「自然はバリアフリーではない」という老人の言葉はその通り。
    社会的に地位を築いた男性が状況を受け入れられずどんな思いをしてここまで上り詰めたんだと嘆くシーン。ここでは上司も部下もない、若者も老人もすべて平等と言われたら、若い頃なら共感したと思うが、今ならこの男性の気持ちがよくわかる。
    何が何でも生きようと思う若者、先も短いしもう十分と思う中高年、生きる意味・目的を問う小説だった。
    (図書館)

  •  3/13 13時13分13秒に13秒の時間跳躍が発生しその間の歴史が消滅した。
    久我誠哉、冬樹の兄弟はその時間に犯人追跡の中で殉職。同様の時間帯に死んだ
    10数人だけが生き残る世界。他の者が消えたのではなく、彼らだけが別の世界に
    跳躍された。生物以外は現世界と同様であり、しばらく食糧、電気は確保できたが、
    地震、豪雨が続き、次第に生存困難になる。
     4/18に戻しの時間跳躍の存在が分かる。それまでに困難な世界で生き延びた者
    だけが、かつての世界に生存者として戻った。(歴史が少し変わった。)
     珍しい東野ワールドを堪能した。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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