銀婚式

著者 :
  • 毎日新聞社
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本棚登録 : 370
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107752

作品紹介・あらすじ

「男の本分は仕事」。それは幸せな人生ですか?歳月を経て、夫婦がたどり着いた場所。働くとは。結婚とは。幸福とは。直木賞作家が描き出す、激動する時代の「家族」の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 男が仕事を重視したが故に、離婚を言い渡される。これは世の中の離婚原因としてありふれ過ぎている話であります。
    篠田節子さんの本としては珍しく男目線の話で、部分的にはおっさんが書いたんじゃなかろうかと思うおっさんドリームな部分があり、それが面白かったり背中が痒かったりしました。
    エリートサラリーマンが、離婚、倒産、子供の進学、介護問題、恋などに奮闘するという文字にすると古臭くて面白くもなんともない話なのですが、これが妙に先が気になる本でした。特に恋に関する部分は年が自分と近い所もあり、大人のファンタジーという感じでわくわくする部分もありました。

    なんで銀婚式?と思いながら読みましたが最後にはなるほどという感じでありました。

  • 読み始めてしばらくすると離婚、銀婚式って題名はどうなるの?と思って読んだら
    最後に「あのまま続いていれば、今年、銀婚式なのね」と由貴子がつぶやく。
    この先復縁が待っていそうな余韻で物語は終わる。
    主人公の父親が亡くなる前に言う「人生、うまくいかないからおもしろいんじゃないか」。いろいろあって人生、いろいろあって家族 と思う。

  • 私にとって、心にピタッと吸い付くような作風。それが篠田節子だ。今回も水が頭に沁み込むように入ってきた。もし、30歳の時に読んでいても何の感動もなかったと思う。主人公と年が近いからこそ、共感がわいた。最後に主人公が仰いだ月が私にも見えるようだった。

  • 銀婚式というタイトルからしていた想像をあちこちで裏切られる内容。でも辻褄は合う。
    主人公は男性。いつもの篠田作品の女性目線がないのも私が感じる物足りなさの原因か。

  • 高澤さんは、少し要領が悪いもっと適当なところで止めればいいのにと思う。しかし高澤さんのような不器用でまっすぐな人が少ないから小説になるのだろう。なかなか、こうした生き方は、したくても自分の場合出来ないなぁ。

  • 50近い男性が主人公。この年代の人が誰でも向き合わなきゃいけない、もしくは直面する身近な問題がいろいろ出てくる。エリート社員だった主人公。海外転勤先での生活に妻が馴染めず離婚。妻との関係が悪くなりながらも必死になって働いてきた会社は倒産。再就職した先では身体を壊したら、さりげなく辞職を勧められ。。そんな中でも真面目に正義感を持って何事にも取り組む主人公の姿が地味にかっこいい。でも15歳年下の恵美が主人公をフッタ理由がわからない。主人公と同世代だからか共感できる部分も多く一気読み。面白かった。

  • 題名が銀婚式ということはまた元妻と再婚するのかしら?面白かったけど他の題名の方が良かった気がする。

  • 2016年 11月19日の今 この本を5年前に読んでいたことを忘れてしまっていた。

    9.11を思い出させる内容の所もあり、ほんの少しのことが、生と死を分けるものだと、、、

    そして、会社破たんから、その事務処理で、エリートの仕事と共に、離婚、子供も別離、等、生きていて辛いと感じるまで仕事をしないといけないのか?

    生きているというのに、貧乏くじをひいたような生活からの脱却は?

    人世の立て直しをするには、、、、
    息子の結婚式で、離婚した妻と、出席した主人公高澤は、、この後、ハッピーエンドになれるのだろうか?
    余韻を持っての終わり方であった。

  • #読了。
    仕事が第一のエリートサラリーマン高澤だったが、ニューヨーク勤務中に妻と離婚し会社は倒産してしまう。帰国後再就職するも鬱病に悩まされ、心機一転田舎の大学に勤務することに。
    銀婚式ってそうくるんだと納得。面白く読めたが、サラリーマン問題、離婚した元家族との関係、大学問題、介護問題などそこまで広げなくても十分楽しめたのではと。

  • 「銀婚式」という題名から、私くらいの年代の夫婦の苦労話か幸せ話か・・と予測していましたが、早い段階で二人は離婚。
    その後も倒産やリストラ・・と銀婚式とはかけはなれた内容へ。
    それでも、親の介護や病気など、まさに私世代にどんぴしゃな内容で、さすがの篠田さん。ぐいぐいと物語に引き込んで、ほとんど一気読みでした。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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