旅は終わらない 紀行作家という人生

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.60
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620327310

作品紹介・あらすじ

日本の鉄道雑誌の黎明期から「旅」を描いてきた旅行作家の人生。
それはそのまま鉄道ブームの歴史となる。そんな貴重な人生の旅の記録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  私は本書の著者とほぼ同じ頃、大学受験で上野から寝台夜行で札幌に向かい、その後も日本各地を貧乏旅行していたので、本書を読んで、当時旅先で声を交わしたカニ族仲間に何十年ぶりかで再会したような気がした。
     本書を読むと、我々は日本の鉄道が絶頂に向かい、衰退してゆく過程を良くも悪くも身をもって体験したのだと改めて思う。そして、それが日本の繁栄と衰退の軌跡と重なり合うところが、我々の世代が歩んできた時代ということになるようである。
     

  • この作者のことは知らなかったが、旅そして紀行文が大好きな私にとって、行きつけの本屋でこの本を見つけて迷わず購入した。表紙の色もデザインも魅力的。立派なハードブックというところも気に入った。1946年生まれなので敬愛する沢木耕太郎と同年代ということになる。鉄道中心の出版社に勤務し編集者をしばらく行っており、職業からして旅と紀行文と関わりある人生を送っている。私は自分でも無類の旅好き紀行文好きだと思っているが、ごく平凡なサラリーマンの身としては、ある意味羨ましい思いもあるが、とても楽しく興味深い本だった。

  • 紀行作家、73歳。会社経営の役を退き元の専業作家に戻り自己の作家人生を振り返る。

    学生運動の時代の北海道行や海外旅行全盛時代、編集プロダクション、IT化。紀行作家の人生はそのまま日本の出版の歴史それも大手ではない中小の会社の生きた歴史でもある。

    18歳までの生活が結果として偶然ながら1人の紀行作家を作り上げる重要な要素になっている。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1946年生まれ。ノンフィクションライター、紀行作家。北海道大学文学部卒業。1972年鉄道ジャーナル社入社。「旅と鉄道」誌創刊期デスク。2007年、出版社「天夢人Temjin」設立。代表取締役社長等を経て2019年退職。日本文藝家協会、日本ペンクラブ、日本旅行作家協会会員。著書に『被災鉄道――復興への道』(講談社、第40回交通図書賞受賞)、『へるん先生の汽車旅行』(集英社、第10回開高健ノンフィクション賞最終候補作品)、『60歳からの青春18きっぷ』(新潮新書)、『鉄道エッセイコレクション(編)』(ちくま文庫)、『新にっぽん奥地紀行――イザベラ・バードを鉄道でゆく』(天夢人)、『ラストカムイ――砂澤ビッキの木彫』(白水社)ほか多数。

「2022年 『北海道廃線紀行 草原の記憶をたどって』 で使われていた紹介文から引用しています。」

芦原伸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×