現象学的人間学

  • みすず書房
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622022084

作品紹介・あらすじ

ルートウィヒ・ビンスワンガーは20世紀の精神医学に「現存在分析」という新しい道を切りひらき、1966年、85歳の生涯を終えるまで、つねに前衛的な研究活動をつづけてきた。本書は、その代表的な講演と論文をまとめたもので、フッサールの現象学を精神医学のなかに方法としてとり入れ、人間存在の根本構造への探究をテーマとして、広い人文的教養に裏づけされた明晰な思考を展開している。1922年より20数年にわたるそれぞれの講演・論文は、その時点における精神医学界の動向を背景としつつ、時代を超えて生きつづける新しい知見の提出となっている。

感想・レビュー・書評

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  • フッサール、ハイデガーに由来する現象学的精神病理学の代表者、ビンスワンガーの講演・論文集。
    フーコーがやたら長い序文を書いた「夢と実存」(フーコーの文章は収められていない。ちくま学芸文庫フーコー・コレクション1巻に所収)、フロイトに対するスタンスの微妙さが興味深い「人間学の光に照らして見たフロイトの人間理解」などがおもしろい。
    ただし、この本を読んだだけではビンスワンガーの精神病理学の具体はつかめない。かろうじて最後の論文に垣間見えるが…。
    それを理解するためには、「精神分裂病」あたりを読まなければならなさそうだ。

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著者プロフィール

1881-1966。スイス、クロイツリンゲンに生れる。家は代々高名な内科医や精神科医を送り出している名家。コンスタンツのギムナジウムを経て、1904年以後ローザンヌ、ハイデルベルク、チューリヒの各大学で医学を学ぶ。学生時代思想的にはカント、ナートルプ、リッケルト、精神医学に関してはボンヘッファー、E・ブロイラー、ユング、フロイトの影響を受ける。1911-56年私立精神病院の院長。フッサールの現象学、ハイデガーの現存在分析論に立脚した人間学を研究。主な著書に『精神分裂病』I・II(みすず書房、1960-61)『現象学的人間学』(みすず書房、1967)『うつ病と躁病』(みすず書房、1972)『妄想』(みすず書房、1990)『思い上がり ひねくれ わざとらしさ』(みすず書房、1995)がある。

「2020年 『妄想 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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