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- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622070757
作品紹介・あらすじ
寛容は差異を可能にし、差異は寛容を必要不可欠なものにする。ポストモダンの多元社会は、集団よりも個人の自由と自己決定を優先する傾向をもつ。だが「集団のコミットメントが崩壊したとしたら、いったい個人は何から逃れるというのだろうか。」近代性は個人と集団とのあいだの永続的な緊張を欠かすことができない。多元社会における寛容とは、個人の行動を動機づける普遍的な原理ではなく、さまざまな社会集団の差異を折衝するための政治的な実践として考察される。現代の政治理論への入門書としても最適な一冊である。
感想・レビュー・書評
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アメリカのユダヤ人である著者による、多文化主義社会における寛容の考察。公共の場で目につきやすい宗教や文化習慣については不寛容さが目立つ一方で性や階級といった、普段の生活で見えにくいものは寛容あるいは見過ごされる傾向。多文化共生のすすむ国家は今やアメリカだけでなく全世界。思い浮かべたのは日本と中東。労働者として受け入れは進むものの寛容とは言いがたい。
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寛容のあり方について、歴史的に俯瞰しつつ、5つの政治体制を例示して、その位置付けを論じた本。
差異はどの政治体制でも出てくるが、それを可能にするのは寛容であるとする筆者の立場から、国際社会、移民社会、宗教など、それぞれにおいてどのような形で寛容が実践されているかを論じているところが、この本のオリジナリティ。性的少数者や移民の問題もあるので、この手の議論は貴重であると思う。
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