クレーの日記

制作 : ヴォルフガング・ケルステン 
  • みすず書房
3.63
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本棚登録 : 85
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622074342

作品紹介・あらすじ

パウル・クレーが遺した四冊の日記ノートをまとめて構成。それに加え、「付録」としてパウル・クレーセンター所蔵の日記に関連する資料を収録した。

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい装丁だけでも手にしたくなる『クレーの日記』。クレーはヴァイオリンの腕もプロ級で、文筆力を含め才人だった。そのクレーが淡々と日常を描いた日記の中からアートや音楽について抜粋をまとめてみた。クレーは絵画のみならず音楽についても造詣が深いことがこれらからわかる。

    この素晴らしい装丁だけでも手にしたくなるが、その内容も劣らず素敵。クレーはヴァイオリンの腕もプロ級で、文筆力を含め才人だった。日記を読むと、旅好きで、美食家で、大戦中の描写はしんどいけれども、読むと時空を超えた旅をすることができる。

    今でこそ、TwitterやFacebookと他者の日記、日常を手軽に垣間見る手段はいくらでもあるが、昔の人となると話は別で簡単なものではない。しかし、日記文学であれば、手軽に当時の日常に埋没でき、時代の息吹を直に感じることができる。今日食べたもの、たわいもない知人たちとの会話等々、日記に書かれることは日常すぎて、当時の状況に埋没できない場合は、退屈の極みなのだけれども、日記の描かれる状況や雰囲気に馴染んでくると楽しいものだ。そして、就寝前にまどろみながら読むのに案配がよいのが日記文学。

    そんな淡々と日常が描かれる「クレーの日記」からアートや音楽についての記述を以下に抜粋してみた。絵画のみならず音楽についても造詣が深く、プッチーニやシュトラウス、マーラーなどの記述は同時代の作曲家の音楽評論としても面白い。そして、ゴッホへの高い評価も読んでいて嬉しくなる。

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    色彩と線の画家クレーによるアーティスト論評と谷川俊太郎も惚れこんだ魚の絵 / 『クレーの日記』と『クレーの絵本』を読む
    https://jtaniguchi.com/%e3%80%8e%e3%82%af%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%81%ae%e6%97%a5%e8%a8%98%e3%80%8f%e3%81%a8%e3%80%8e%e3%82%af%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%81%ae%e7%b5%b5%e6%9c%ac%e3%80%8f%e3%82%92%e8%aa%ad%e3%82%80/

  • 冬の夜に、100年くらい前に遠い国で書かれた
    画家の日記の、

    今日と同じ日付のところを読んでいると
    ふしぎな気持ちになってくる。

    『クレーの日記』パウル・クレー

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著者プロフィール

20世紀を代表する画家の一人。1879年、ドイツ人音楽教師を父に、スイス人声楽家を母にベルン(スイス)近郊に生まれる。高等学校卒業と同時にミュンヒェンに出て画塾に通うが3年後ベルンに戻り、独学の道を選ぶ。1906年、ピアニストのリリー・シュトゥンプフとの結婚を機にふたたびミュンヒェンに赴く。長い無名時代を経て、1920年、総合造形学校バウハウスから招聘される。ヴァイマール、デッサウの同校で教鞭をとった後、1931年にはデュッセルドルフ美術学校に籍を移すが、2年後、ナチスの弾圧を受けてベルンに亡命。皮膚硬化症を患いながらも制作意欲を失うことなく、その後も数多くの作品を残した。1940年、南スイス・テッシン州の療養院で60年の生涯を閉じた。

「2018年 『クレーの日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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