自閉症連続体の時代

著者 :
  • みすず書房
3.09
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078456

作品紹介・あらすじ

病や障害と認定されるとはどういうことか。認定されなければ社会で生きづらく、認定されれば援助の対象になる。患者にとってそれはよいことなのか。名づけられなければ社会に居場所はないのか。その最前線が、発達障害・アスペルガー症候群・自閉症スペクトラムという「連続体」だ。病と障害のあいだを揺れ動く、このあいまいな「連続体」は、どう社会化されたのか。患者による本や社会の受け止め方を検討し、ともに生きる方法を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 2回通読。くせになる。スルメ。
    読みこなすのにだいぶ苦労して、でも私がいますごく必要としてて、知りたいこと、魔法のこたえが書いてあるような気がして、どんどん読んだ。

    超絶クセのある文章をかなり集中力駆使して、何度か行きつ戻りつして、注釈(これがまた長い)もその都度読んで、

    知りたいことは書いてあった。
    まだ十分に読みこなせてはないと思うけど。
    魔法というのは、そうかんたんには届かないな。

    他著も読みたい。読んでる。
    これまたかなり集中力がいるし、読みこなすには時間がかかる。
    でも、時間かけても立岩節にのめりこむほど、内容•テーマなので、追っていきたい。

    自閉症連続体(ようは発達障害)のところはもちろんだけど、
    水俣病とところも、衝撃だったというか、メカラウロコだった。
    そうかーそういうことになるのかあーと。

    私の中ではまだ、こたえというか、自分の考えを持つには遠い、むずかしいテーマ。

  • Asdとして障害者手帳を発行された私としては勇気づけられる言葉が所々あった。
    発達障害を障害者として認定する事で社会的弱者は生きやすくなる。障害者として認定された事で自分を甘やかすのではなく自分のレベルに応じた社会貢献を前向きに考えたい。
    免責される事を当たり前の権利だと思わずにしたい。

  • 「病や障害と認定されるのはどういうことか」、この本は自閉症スペクトラムとして生きていく中で、社会で経験するであろうすべてのことが専門的な言葉を使わずに書かれている。回りくどいのは当たり前である。何が問題なのか、どのように問題なのか、誰もはっきりとしたことが言えず、浮かび上がってこなかった、しかし当事者と周囲の人間にとって悩ましいことのすべてを記そうとしているからだ。著者は生存学の研究者である。病や障害と共に人はどのように生きるのか、生きていくのがよいのか、とまでいかなくても、一番マシなのか、を研究しているのである。だから、そのような人が生きていく上に身につけておくと良い考えた方も示してくれている。良心的だと思った。もっと本質的なことについては、著者の「私的所有論」をはじめとする文献を読むとよいだろう。発達障害の立ち位置は身体障害や知的障害と異なり、生じている問題も異なると思いがちだが、「できる・できない」という能力主義社会の価値観を押し付けられ、無能力とされれば、社会から排除されていく。それは私たちがCP者に対して行ってきた排除のメカニズムが働いていることがよく分かる。発達障害は何も新しい問題ではないのだ。とても衝撃的な読書体験だった。

  • この本の議論は閉じていて空疎である。どのような読者を想定したのか定かではないが、安い本でもないのに何を言おうとしているのかまったくわからないしわからせようともしていない、かつ引用が多すぎる。で、おそらくこの筆者は自閉症を持つ人と話をしたこともないだろうしその人のことを知ろうともしていないだろうと思われる。読んでしまって時間(とお金)の無駄だったと思った。

  • 以下引用
    ①「普通」の人たちも、ADDの人と同じ失敗をします。両者を分けるのは、失敗の質ではなく、頻度なのです。ADDの人の人生では、失敗はしじゅう起こり続け、重篤な問題を引き起こします。ADDでない人の人生では、失敗は頻度もはるかに低く、いら立つというよりは、冗談の種になってくれます。
    ②何が単なる欠点で、何が障害なのかは区別が難しい。・・・結局、正面から取り組んで改善されるなら単なる欠点であり、正面から取り組んでも非常に効率が悪いか、あるいは改善されないのであれば、障害だと認識したほうがよいのではないか、

  • 「ともに生きる方法を探る。」

    みすず書房のPR
    http://www.msz.co.jp/book/detail/07845.html
    「発達障害、アスペルガー症候群、自閉症スペクトラムという「連続体」はどう社会化されたのか。ともに生きる方法を探る。」
    立岩真也(TATEIWA Shin'ya)
    http://www.arsvi.com/ts/0.htm

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著者プロフィール

立岩 真也(たていわ・しんや):1960年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学専攻。著書に『私的所有論 第2版』(生活書院)、『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』『造反有理――精神医療現代史へ』『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』(以上、青土社)、『介助の仕事――街で暮らす/を支える』(筑摩書房)、『自由の平等』(岩波書店)、『自閉症連続体の時代』(みすず書房)、『人間の条件――そんなものない』(新曜社)など。共著に『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』『税を直す』『差異と平等――障害とケア/有償と無償』『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』(以上、青土社)、『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』(生活書院)ほか多数。

「2022年 『人命の特別を言わず/言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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