科学で大切なことは本と映画で学んだ

著者 :
  • みすず書房
3.29
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本棚登録 : 132
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622089780

作品紹介・あらすじ

本から映画、映画から本へ縦横自在に往き来して科学を語るサイエンスライティング。ヴォネガットからダーウィン、寺田寅彦にS・J・グールド、憧れのS・コネリー、「時をかける少女」にアナ雪、およそ170作が次々と。科学の楽しさおもしろさ、いかにも人間味ある科学と科学者を書くことにかけて随一の著者の手になる出色のエッセイ。挿絵山本美希。

感想・レビュー・書評

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  • やはり傾向としては ミステリ小説から

    SF・理系ノンフィクションの本が多いので

    私の好みとはちょっと違ってて

    ハヤカワSFぐらいしか 読書傾向が

    かぶってないのが残念



    その代わりに映画は

    古い物が多いですが 有名どころが

    紹介されて 懐かしい



    堅苦しくなく 雑談のように

    さら~っと読み流す感じ

    長い事SFから離れていたので

    筒井先生の 時かけ を

    本映画共々読み直し見直ししたくなりました

  • ベテラン・サイエンスライターにして東北大学特任教授でもある著者が、本や映画の話にからめつつ、科学のさまざまなテーマを綴るサイエンスエッセイ。
    つまり、シネ(映画)エッセイでもあり、読書エッセイでもあるのだ。

    取り上げられる映画はSFとは限らないし、本も科学本とは限らない。あたかも脳内で連想が自在に広がっていくように、幅広い分野の映画や本に言及されるのだ。

    たとえば、全11編のうちの1編「新しいヒーロー像」は、007のジェームズ・ボンドが鳥類学者の名前に由来するという話から始まる。
    で、鳥類学者のほうのジェームズ・ボンドが書いた名著が紹介されるとともに、映画に出てくる動物学者といえば……という連想から『愛は霧のかなたに』の話になる。
    そこからどんどん話が広がって、映画『ミス・ポター』のヒロインであるビアトリクス・ポターに言及したり、いろいろあって、最後はインドの理系映画『きっと、うまくいく』に着地する。

    ……そんな具合に、科学と映画と本の話が、縦横無尽にくり広げられる。
    分野の異なるものに共通項を見いだして結ぶことで、1+1が10にも20にもなる知的シナジーが生じる。

    また、映画ガイド/ブックガイドとして読むこともできる。
    じっさい、私も本書を読んで、観たい映画・読みたい本がたくさん見つかった。

    著者の語り口は柔らかく、上品なユーモアもあって、内容は高尚なのに楽しく読める。

    それに、『崖の上のポニョ』や『アナ雪』まで登場するなど、ごく身近な人気作品にも多数言及されるので、科学について考えるハードルの低い入り口になり得る。

    読んでいて思い出したのは、早逝した評論家・瀬戸川猛資の名著『夢想の研究――活字と映像の想像力』である。
    同書は、ミステリーをはじめとしたさまざまな本と映画を〝一緒に論じる〟ことによって、思いも寄らぬスパークを生み出す連作エッセイであった。

    著者が『夢想の研究』を意識したかどうかはわからないが、同種の面白さと知的興奮が本書にはある。

  • 科学エッセイを読む参考にしたいと手に取る。が、結局チェックしたのは4冊のみ。映画も「はじめに」で「スローターハウス5」が紹介されていたので(これは)と期待したが数も少ない上「スターウォーズ」のような大作だったりとやや期待外れ(「ガタカ」を期待していたのよね)。エッセーもさらさらっと書かれていて話のさわりは聞いたことがあるものが多かったが、今一つ頭に残りにくいのは当方の浅学故か。あちこちに書いたものを集めたというけど筆致のトーンは統一感あり。後書きが2020年師走なので、メアリー・アニングを取り上げていても丁度そのころ海外で公開された映画(アンモナイトの目覚め)が紹介されてないのはやむを得ないのか。注は単に出版、映画公開のものが大部分だったので頁末より文末に各章で取り上げた本、映画それぞれをまとめて載せたほうが分かりやすいのではと思う。
    山本美希さんのイラストがいい。装丁の明るいレモンイエローと青いトーンのゴジラらしき着ぐるみを着てガリガリ君?を食べる人のイラストの色調があってる。装丁の大倉真一郎氏は最近表紙を見て(おっ)と思う本を手掛けている人だった(例えば『南極探検とペンギン』)。これから要チェックだわ。

  • 本、映画から科学を語る。取り上げる本も映画もジャンルも年代も多岐にわたり、興味を引かれる。
    サイエンスエッセイって何だ?と思って手に取ったが、満足の一冊だった。

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/muroran-it/bookdetail/p/KP00069559/
    学外からのアクセス方法は
    https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#kinoden
    を参照してください。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00623110

    本から映画、映画から本へ縦横自在に往き来して科学を語る。ハメット、ヴォネガットからダーウィン、「時をかける少女」に「アナと雪の女王」、寺田寅彦、中谷宇吉郎、グールドにドーキンス、憧れのS・コネリー、「ひょっこりひょうたん島」、「崖の上のポニョ」、ビッグヒストリー、ダイアモンド、ハラリ……
    芸術も科学も文化。科学の知識があれば人生はさらに楽しい。心おどる科学研究の最先端はもちろん、科学のわき道・回り道、科学と科学者のいかにも人間味ある営みを捉えて随一の書き手の物する無類のサイエンスライティング。
    (出版社HPより)

  • どの本も装丁が美しくて大好きなみすず書房。
    タイトルとイラストに一目惚れして購入。

    たくさんの映画と本を経由しながら科学が語られる。
    好きな作品の名前が挙がると嬉しくなって
    知らない作品にも触れることができる面白さ。
    知ってる作品が多ければ多いほど楽しめる本。

  • 映画や本に登場して物語を彩る、架空の科学者やSF的なエピソード。本書は、それらを取り上げ綴られた40以上のエッセイからなる、科学エッセイ集です。紹介される作品を観てみるもよし、エッセイで話題に上がった、実在の研究者や現実の時事を調べてみるもよし。冬の寒い日に、あたたかな家で、空想や思索にふけってみてはいかがでしょう。
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    東工大学内ネットワークに接続した端末からアクセスできます。「フルテキスト」のリンクをクリックしてください。同時アクセス数1のため、利用後は必ずログアウトしてください。
    https://topics.libra.titech.ac.jp/recordID/catalog.bib/TT00019147

  • 本から映画、映画から本へ縦横自在に往き来して科学を語るサイエンスライティング。ヴォネガットからダーウィン、寺田寅彦にS・J・グールド、憧れのS・コネリー、「時をかける少女」にアナ雪、およそ170作が次々と。科学の楽しさおもしろさ、いかにも人間味ある科学と科学者を書くことにかけて随一の著者の手になる出色のエッセイ。挿絵山本美希。(出版社HPより)

    ★☆工学分館の所蔵はこちら→
    https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT22170348

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著者プロフィール

【渡辺政隆(わたなべ まさたか)】
サイエンスライター。日本サイエンスコミュニケーション協会会長。2019年より東北大学広報室特任教授、2021年より同志社大学特別客員教授。『一粒の柿の種』『科学の歳事記』などの著作のほか、『種の起源』など訳書多数。

「2023年 『知の統合は可能か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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