詳説世界史研究

制作 : 木村 靖二  岸本 美緒  小松 久男 
  • 山川出版社
4.14
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (575ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634030886

感想・レビュー・書評

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  • 世界史を学びなおすために読んだ。単なる事実の羅列ではなく、その背景を考察して意味を考える手助けを与えてくれる。高校で世界史を真面目に勉強しなかった僕でもそうなのだから、きっと高校レベルでもきちんと世界史を学んだひとならより一層楽しむことができるだろう。

  • 長年、勉強しなかったことにちょっとしたコンプレックスを感じていた世界史。40代後半にもなって、酔狂なことにこの世界史に手を出しました。
    でも、知れば知るほど面白い。これほんと。今ある現代はすべて過去の結果であるわけで過去を辿ることで現在が理解できると考えております。

    で、本書ですが、めちゃくちゃ教科書感満載です。というか教科書にしか見えません(実際教科書がベースだそうです)。だからか、興味があって購入し読み始めたものの、疲れてたりすると眠気が襲ってきます。そういう本です。

    さて本書の強みですが、何といっても網羅性だと思います。世界史の端から端までしっかり勉強できます。特に密度が濃く感じらるのは19, 20, 21世紀を扱う最後の3章。国民国家、エスニシティ、グローバリゼーション等にも言及があり、読みごたえがありました。

    また、所々で挿入されているコラムは歴史的事象を違った切り口から紹介しており興味をそそるものが多かったと思います。
    例えば倭寇について。倭寇という名とは裏腹に中国人の参画も多かったそうですが、その多くは自国での生活苦・困窮が原因であったとか。なんて書かれると中国の往時の政治体制にも興味が出ませんか? またフォードがT型で成功した後にGMに追い抜かれた理由の一つが、GMがレバレッジを利かせて(つまり借金して)多くのモデルチェンジを仕掛ける一方、ユダヤ人嫌いのフォードは銀行からの借り入れを拒み、失速することになったとか。なんて書かれると米国の金融史や陰謀論にも興味が湧きませんか? ま私だけかもしれません笑

    反対にイマイチだったのは、やはり文字なので、注意力を維持するのはなかなか難しいということ。ゴシックで強調とかはありますが、塾や映像授業のように「ここ大事」とかの注意喚起は当然ないので、これだけのものを集中して読むのには苦労します。まあ本がいけないわけではないのですが。

    ・・・
    ということで、世界史をヘビーに勉強してみたいという方にはお勧めできます。私は別途子どものために契約した「スタディサプリ」の世界史を見つつ、資料集として帝国書院「最か新世界史図説 タペストリー」も横に置いて読みました。

    まあこれだけ読んで偉いわけでも褒めてもらえるわけでもありませんが、自己満足度はかなり高いです。おかげで家庭内でのウンチク垂れが増えたと思うのですが、家族の皆が受け流すのが上手(というか聞いていない)なので助かっております。

    もし皆さんが世界史を高校時に学ばれていないのであれば、是非この機会に世界史を学ばれてはいかがでしょうか。そこにはまさに「世界」が広がっています!

  • 西洋史の割合が大きく、従来のヨーロッパ中心史観による世界史の残滓のようなものは感じられるが、それでも少ない分量ながら西欧や中国以外にもページを割いており、マシにはなっている。比較的よくまとまった内容。各所にコラムが配され、出来事や人物をさらに掘り下げてくれている。近年の説などを反映した記述もある一方、すでに疑問を呈されるようになった従来説をそのまま載せている箇所も一部見られるのは残念。とはいえ地図や図版も多く、また教科書よりも詳細に事物の背景や流れの説明がされているので、世界史のおさらいには非常に良い。

  • 一般教養として、世界史の通史を一通りおさえようと購入。
    記述はかなり詳細で、読み始めは読解に苦労しましたが、繰り返し気楽に読み流しました。何度も読むうちに、とても味わい深く、思想書というか哲学書のように感じます。読むたびに理解を深める楽しみがあります。
    高校の検定教科書「詳説 世界史B」と構成は同じ。運転中などにオーディオ・ブックを聴いて、イメージを膨らませています。

  • 世界史の学び直しの教材として使用中。

  • 参考図書

  • 世界史の通史を学習する時に,常に脇に置いておきたい本。

  • これいいなあ。

  • 教科書の副読本という位置付けなんだろう。教科書を併用しないと、これ一冊では世界史が完成しない。

    多分、教科書の解説にさらに詳述すべきものがない部分は、カットされている。
    たとえば、古代ゲルマン社会についての解説はない。従士制と恩貸地制が結びついて封建社会が成立したという解説もない。(旧版にはあったようだ)
    また、20世紀以降の文化史もない。アインシュタインの相対性理論とかもない。

    教科書の単元、章立てにあわせているのだと思うが、叙述の順序がおかしいと感じる部分がある。
    政治的な変遷を長々と記述したあとに、その要因となった社会経済的変化の解説があったりすると、そっちから記述した方が分かりやすいのにと思う。
    十字軍の説明は、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、イスラム社会のそれぞれの章に分散しているので、十字軍とは何だったのかがまとめて分かりにくい。

    そういう問題は、教科書の副読本という性格を踏まえて、割り切って読むしかない。そうすれば、内容的には面白いところが多い。

    しかし、冷戦期の米ソのとった行動の思惑を解説した部分などは、見当違いに感じるところがある。
    たとえば、米国がベトナム戦争終結を模索するために、中国との関係改善を図ったという解説は、本当にそうだろうか。むしろ、ベトナムを孤立させる戦略ではないか。実際、ニクソンと毛沢東が並んだ写真をベトナムにばら撒いたというし、ニクソン訪中後も北爆再開しているし、米軍撤退まで1年、サイゴン陥落まで3年も戦争は続く。
    ここらへんは、当時の観測をそのまま米国の思惑だと紹介しているだけで、歴史的経過を振り返って再検討しているとは感じられない。

  • 全面的に書き改められているようだ。レイアウトや紙質は教科書に近くなり、個人的には見にくくなった。基本的に断定を避けるようになっており、誠実ではあるが、わかりにくくなってもいる。旧版とは一長一短なので、両方持っていた方がよいかも。

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