アイテムで読み解く西洋名画

著者 :
  • 山川出版社
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本棚登録 : 259
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634150331

作品紹介・あらすじ

薔薇、葡萄、うさぎが暗示することとは?きれい、すごい、だけじゃない名画のひみつ。西洋美術に欠かせない50のアイテム。

感想・レビュー・書評

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  • 先ごろ、美術展を訪れる機会があり、500年ほど前の宗教画中心の作品から、印象派以降、ゴーギャンやピカソ、シャガールなど近代美術の巨匠たちの作品まで鑑賞したのだが…いかんせん、教養不足で印象派以前の宗教画は特に、どれも同じように見え何が言いたいのやら今ひとつピンとこない。
    本書が何かの参考になるかと借りてみた。

    そもそも宗教画は、その昔文字を理解できない人にも聖書の内容を理解してもらうために描かれたものなのだそう。だからこそ、見ておよその内容が理解できるように、何々が描かれていたらこれこれのこと、など約束事が必要だったということだ。いわゆる風景画や静物画も、もとは宗教画から派生して生まれたものであるため、その中に宗教的な意味を持ったものが描かれていることが多いのだそうだ。
    本書では、絵画に多く登場するアイテムごとにその謂れや意味するところを実際の作品を例に引きながら説明しているので、絵画鑑賞のガイドブック的な使い方ができそう。

    美術展に行く前に、本書を見つけて読んで行けたらもっとよかったのになと少々残念ではあるが。
    次回機会があれば、予習していくとしよう。

  • 2022/06/05

  • 西洋の絵画はまずキリスト教を知らないと意味がよく理解できないものが多く、さらに絵の中に描かれた物(動物、植物、静物、人間など)にも一つ一つ意味があったりするので、こうして”これを持っている人はこの人”などという決まりを紹介してくれる本があるとありがたいです。覚えられるかはまた別問題ですが。そして同じ物でも反対の意味を指すこともあり、結構難しいかも…。

  • S図書館
    アトリビュートの説明
    分かりやすかった

  • ただなんとなく鑑賞していた絵画も、この本で約束事を学び知ることで何十倍も面白くなる!
    美しいイラストと写真で読みやすく、みるみる引き込まれていきます。お気に入りの絵画も見つかるかも?!

    子供が美術を好きになるきっかけになるかもしれない。
    これは是非家に置いておきたい一冊です。

  • 宗教画を鑑賞する時には描かれた花や木、動物に意味がある。鑑賞者はそれらを見て何が描かれたかを知ることが出来る。キリスト教徒には当たり前のことなのかも知れないが、日本人には解説が必要だ。

  • 植物や動物、静物や肉体等、それらを持つこと(配置すること)によって特定の人物を示す。その読み解き方の入門書。ざっくりしているので次は絵全体の、細かい意味が知りたくなりました。

  • 絵を見る時に、ただ見るだけでなく、少しでも分かって見れたらきっと、もっと、楽しい。
    2015/11/29

  • 西洋絵画はキリスト教をテーマにしたものが多い。
    しかも、ある一定のテーマが好まれたり、あるいはそうでないと見せかけてアイテムでわかる人にはわかる、としているものあったりする。
    だが、キリスト教に馴染みの薄い日本人にとっては一体何が何を指し示すのか全くわからない。
    そこで、これらを解説するものが必要となる。
    とはいっても、文字だけだと飽きちゃうし、いまいちピンとこないんだよなあ.....
    そんな人にオススメ。
    オールカラーで有名な絵画を見ながら知らず知らずのうちに身についている。
    この本一冊で西洋絵画を見るのがさらに楽しくなること間違いなしだ。

    リンゴといえば、青森、長野.....ではなくて。
    西洋絵画では「禁断の果実」、として描かれることが多い。
    実は旧約聖書でアダムとイヴが食べたのはバナナかもしれない、なんて研究もあるのだが、ラテン語で悪を意味することからイメージが結びついた、と言われている。
    黄金のリンゴなら勝者を意味するというから、色も重要なポイントだ。

    カラス。
    日本では八咫烏(サッカー日本代表のユニフォームについていた、あの鳥だ)として、神の使いとみなされることもあるが主に不吉な存在として描かれる。
    確かに真っ黒で大きくて、ゴミ(絵画では屍肉)をあさっている姿はあまり好ましいモチーフとは言い難いイメージだが、ちょっと気の毒な気がする。
    同じように、蛇や猿も日本では祀られていることがあるのに、西洋においてはマイナスイメージなのは文化の違いだろうか。

    鍵。
    アクセサリーのモチーフとしても好まれる鍵は、魂の解放、正当性など良い意味で使われることもあるが、男女の不貞を暗示することも......。

    いろいろ見てみると、良い意味と悪い意味が入り混じっていることが多いのに気がつく。
    さりげなく置いてあるように思えるものたちにも、画家は意味をもたせている。
    そしてそれを鑑賞者は読み解いて楽しむ。
    美術館では、せいぜい30秒しか眺めない絵画であっても、じっくり眺めてみれば、面白い物語が隠れている。
    そこにこそ、絵画の面白さが詰まっているのだ。

  • 4〜5

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著者プロフィール

監修:佐藤晃子美術ライター。日本、西洋の絵画をやさしく紹介する書籍を多数執筆する。明治学院大学文学部芸術学科卒業。学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了(美術史専攻)。著書に『国宝の解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『画題で読み解く日本の絵画』(山川出版社)、『この絵、どこがすごいの?』(新人物往来社)、『常識として知っておきたい日本の国宝50』(河出書房新社)など。

「2023年 『音声ガイドで 聴く名画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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