大人のための国語ゼミ

著者 :
  • 山川出版社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634151215

感想・レビュー・書評

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  • 野矢茂樹。読みやすい文章、その書き方、整理の仕方を問題を交えてわかりやすく書かれている。学生時代に読みたかった

  • 人とのコミュニケーションをより良いものにするための国語力を身につけることができる本。
    特にビジネスにおいて相手と分かり合えないことも多くなっていると感じる。もちろん、すべての人とわかりあうということは難しい。ただ、相手とわかり合おうとする努力も必要で、考えは人それぞれで終わってしまうのではなく、相手に理解、納得してもらえる方法や相手のことを理解、納得しようとすることを放棄してはいけない。この本は国語力を使ってそれを教えてくれる、お勧めの本だと思った。

    学びメモ
    ・相手のことを考える。
    伝える相手のことを考えてわかりやすくすることは大事である。
    ・事実なのか考えなのか。
    相手と共有していない意見や見方を含んだ主張をあたかも事実かのようにして語ることは、あなたと異なる意見や味方の余地締め出そうとするものであり、相手を騙そうとしているのに等しい。
    相手が議論の主題をあたかも前提であるかのように決めつけてきたならば、その決めつけを外して、論じるべき事柄として、土俵の上に立たせなければならない。
    ・言いたいことを整理する。
    なんとなく書かれた文章では、相手もなんとなく読むだけで理解されない。読む相手のことを考えた文章を書かなければならない。書く前に下ごしらえすることは重要。
    ・きちんと繋げる。
    相手に伝わるようにきちんと繋ごうとすること。自分では内容がわかっていても、読む人はそうではない。読む人にわかりやすいように道標をつける。それが接続表現である。
    ・文章の幹を捉える。
    文章の幹と枝葉を区別し、要約することは国語力を鍛える最も効果的な方法である。
    ・主張の根拠は何か。
    考えを述べるときには根拠を示す必要がある。
    ・的確な質問をする。
    質問を考えようとすることによって読み方が能動的になり、活性化してくる。質問を練習することで文章を読む想像力と論理力が鍛えられる。質問の形式には、情報の問い、意味の問い、論証の問い、がある。
    ・反論する。
    論証の構造をはっきりさせる。本当か?と立ち止まる。隠れた前提を検討する。類比論法に対しては相違点を見つける。メリットとデメリットを比較する。

  • この本を読んだのは、「文は人なり」という言葉にふれ、国語力を上げたいと思うようになったからだ。
    国語力とは読む力と伝える力だと考える。
    読む力を上げるには、文の構造がどうなっているのか、作者の問いは何か、答えは何か、なぜその答えなのか、能動的に考えながら読むことが効果的である。
    わかりやすく伝えるには、内容の整理と順序、接続表現を考えることが大切である。ただし、相手に伝わったとしても、相手が納得するとは限らないので注意が必要である。相手が理解することと納得することは異なるからだ。

  • 「はじめに」の所にじっくりと考えながら、1ヶ月かけて読んで欲しいと書いてあったので、実際にゼミを受けている感覚で少しずつ読み進めていった。

    私は国語がとても苦手で、基礎の基礎から学ぶ必要があったが、そんな人のためにもすごく簡単な基礎の部分から丁寧に記載されており、私でも理解して学ぶことができた。

    途中、キャラクターが出てくる場面があり、息抜きとなり、楽しみながら学ぶことができた。

    「人の考え方はそれぞれ」と私は常々、使っていたが、その言葉がいかに自身の国語力を低くしていたかを実感した。
    これからは伝える努力、理解する努力、納得する努力をする。

  • 義務教育頃、ダントツで国語が苦手だったことを思い出した。
    その理由が本書から明らかになった。。文書の読み方を教わることがなかったからだ。

    野矢さんの言葉がスラスラ入ってくる秘訣根幹に分かり合うための言葉の力の努力の仕方を知り、少しずつだが本書の内容を踏まえて国語力を磨いていきたい。

    少しでも分かり会えたことを喜ばなくては。精神を大切にしてきたい。

  • 『論理トレーニング』が「国語」になった。

    (自分の理解+納得)+(相手の理解+納得)
    =分かり合うための実践的国語教育。

    日本語によるロジカル・ライティングの試みとして捉えてみたい。

  • 内容としては、「相手のことを考える」「主張と根拠を明確にする」など、言われれば当たり前ことを、いかに重要であるかを問題を使いながら優しく解説してくれます。イラストもあり難しい言葉を使っていないので、とても読みやすいです。

    これを読んだ効果として、文章や発言対しての感度が上がり、「どのように表現すれば相手が理解し納得できるのか」を、普段から考えるようになりました。そして、今まで自分が如何に曖昧にして文章を書いていたのか、発言をしていたのかが痛感させられました。またもう1つの効果として、論文や学会発表の作成にもとても有効だと思いました。論文や発表は、簡単にいうと、主張や根拠を分かりやすくまとめるということであり、この本ではその方法がわかりやすく学べます。

    最後に1つ気をつけなければならないのは、筆者も述べていますが、コミュニケーションに関しては考慮されていないので、常にこの本のように論理思考だと嫌がられるかもしれません。

  • 4-2まで読んだ。
    図書館返却期限のため返却。

  • 文が冗長になりがちな自分にとって、いかに言葉を削りながらも意味の通る文にしていくかという難しさを改めて感じさせられた。流し読みよりも、例題に取り組むことも含め何度も読む方が効果が上がる本だと思う。

  • 演習が、たのしくできる。

  • 文章には、幹を、中心とした構成となっており、そらを補う上で枝葉が書かれている。
    幹が何かをしっかりと理解することが重要。
    「要約」の作業は、幹の部分だけを抽出していく作業のため、いい練習になる

  • 文章を論理的に読む方法。
    なんとなくわかっていたものを、言葉でちゃんと説明されていてすごい納得。
    問題演習をちゃんとやってないので、時間見つけてやろうと思う。

  • 物事を理解する上で必要な文脈の理解が大切であることがわかった。
    出ている結論に至るまでの論理の組み立てをきちんと把握する事が重要である。

  • 役立つ

  • これまで言葉に対してボンヤリとしていたことに気がついた。理解、納得した振りもしていたように思う。会話を発展させる努力もしていなかった。

    これからは言葉の勢いに流されないように、どこかおかしなところはないかな?と踏み止まってみる。質問をしてみて、理解、納得へと繋げてみてみたい。

    問題に全て満足できる回答が出来なかったので、もう一度挑戦してみよう。今度はアドバイスを読まずに。

    著書の中に出てきた「たった一つを変えるだけ」も気になったので、こちらにも手を伸ばしてみよう。

  • 30歳を超えていますが、自身には未だにロジカルさが足りないと感じています。

    本書では「きちんと伝えられる文章を書き、話す力、そしてそれを的確に理解する力」を鍛えるべく構成されている。

    具体的な問題文とその回答・解説を繰り返しみていくことで、どうすれば伝わる、理解できる話ができるかが分かります。

    私も含め、このような話し方を出来ていない人が多いと思います。学校では教わらないことなので、大変参考になりました。


  • この本は国語力の根本的な基礎を学べる本である。そして、必ず日を生活に活かすことができる本でもある。



  • 全ての人にとって必要だが、大人であるがゆえに見過ごされやすい基礎的な国語力を学べる良書。

  • この本はまさに自分のための本だった。特にプログラミングとかする人は是非読んでみて今一度国語力を確認して欲しい。

  • 人事ネタでよく取り上げられる「コミュニケーション能力」。とても曖昧な定義で人によって測り方が違うものであるが、社会人経験を通して、まさにこの書に取り上げられる能力(読解・要約・質問・反論)のことでだと理解できた。単なる「話が面白い人、続く人」で定義している弊社人事に本書を突き付けてやりたい。

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著者プロフィール

1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『増補版 大人のための国語ゼミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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