始皇帝の愛読書 帝王を支えた書物の変遷

  • 山川出版社 (2023年3月14日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784634152168

作品紹介・あらすじ

中国史上最初の皇帝となった秦の始皇帝。東方六国を平定し、天下統一を成し遂げた彼の覇業を支えたのは、数々の書物であった。
始皇帝は各種の書物とどのように出会い、どのように読んでいたのか。当時の書物の読み方を丹念に分析していくことで、彼が生涯のどの時期にどんなかたちで書物から影響を受けて政治を行ったのかが見えてくる。秦王即位の時期には帝王学を学び、六国との戦時には戦略を学び、統一後は統治を学び、そして、晩年は不老不死へ思いを馳せるに至る。現代の私たちも年齢に応じて読書傾向が変わるように、始皇帝自身もその生涯のそれぞれの時期に応じて必要とした書物のジャンルが変わっていった。
生涯を通して様々な書物から考えを取り入れて政治を行った聡明な帝王だった始皇帝だが、なぜ最晩年に焚書坑儒という事件を起こすに至ったのか。書物を通して、新たな視点で人間始皇帝の人生を見つめ直す。

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〈目次〉

はじめに

序 章 始皇帝の時代の書物
第一章 帝王学の書
第二章 外交と戦争の書
第三章 天下統一の書
第四章 晩年の書 方士・医学・老荘の書
終 章 始皇帝の遺詔

参考文献
始皇帝関係年表
本書で取り上げた書物一覧  

感想・レビュー・書評

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  • 「始皇帝の愛読書」は中国史実を十分理解がないと難解だ、特に様々な書物名・著者等は難しい。始皇帝は30歳後半から40歳後半までは敵の多くを殺戮・穴埋めなど卑劣な行動になった、などから帝王学として参考にしたのは「韓非子」「老子」「商君書」及び「呂不春秋」「十二紀」等が愛読書だったに違いない。晩年の愛読書は「卜筮」「易経」「医書」など長寿を夢見た始皇帝(50歳で崩御)らしいものへと変わっている。

  • 思ったより難しかった。半分も理解できていないと思う。そもそもの春秋戦国時代の歴史の知識がもっと必要だった。
    あと漢文。たくさん引用されていたけど、自分は全く読めないから。

  • 始皇帝というと『韓非子』の愛読者である(結局著者を殺害しているけど)こと、焚書坑儒をやったという面でしか書に関する印象は無い。本書を読むと読書量というか文字処理能力が高いことが伺える。紙でなく木簡で読んでいるので文の切れ目が異なっているとか、その為か全文は読んでいないという事だが、これも一を知って十を知るというタイプだったのかもしれない。
    これだけ読書していても最後は神仙思想というか不老不死の本を読むオカルト本愛好家のようなっており人間的に親しみが湧いた。

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著者プロフィール

学習院大学名誉教授

「2023年 『始皇帝の愛読書 帝王を支えた書物の変遷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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