- Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634346802
作品紹介・あらすじ
礼は日常生活で私たちが使っていることばです。しかし、その由来はあまり知られていません。この字はかつて文明そのものを意味していました。漢語を共有する東アジアのなかで、礼をめぐる文化は国ごとに微妙に異なります。日本には儒教の礼が浸透しなかった結果、どうなったか?中国における礼概念の起源にまでさかのぼり、儒教の成立とともにこの語が担うようになった重みや、王権の変質にともなう歴史的変遷を検討してみると、私たちがいま直面している大問題の様相が見えてくるのです。
感想・レビュー・書評
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中国を中心として、儒学・儒教の礼の発展段階と、周辺地域への受容された様相について、一応時系列的に概要を記述した本。恐らく、色々書きたい部分を削り落としながら書いたのであろう感じで、説明不足というか、説明がないと分かりづらい箇所が非常に多く、このシリーズにしては珍しく、個別の内容(諸子百家や王莽、朱子学とか陽明学とか清朝考証学など)が分かっている人向けの本になっている。よって、この一冊で手っ取り早く儒教について学ぼう、という人向けではない。昨今、儒教に対する誤解が広まっているということで、著者は憤りを表明していたが、入門書に位置づけられるようなものがこれだけ分かりにくいのでは、一般層が分かりやすい誤った(としている)見方に納得してしまうのも無理はなかろうと思われた。
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(後で書きます)
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儒教の礼論を喪礼を骨格とした思想ととらえ、その観点から東アジア儒教史を描く。「郊祀」「宗廟」の存在から中国の各時代および日本・朝鮮における儒教の受け入れられ方の違いを指摘するあたりが参考になった。その中で、礼が最も深く社会に根付いたのが朝鮮であることもわかりやすく説明されている。
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学者のかく文章がわかりにくいのはなぜだ!