アッバース1世: 海と陸をつないだ「イラン」世界の建設者 (世界史リブレット人 45)

著者 :
  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634350458

作品紹介・あらすじ

サファヴィー朝を滅亡寸前の状態から甦らせて、現代イラン国家の礎を築いたシャー・アッバース1世。古都イスファハーン市外に壮麗かつ緑あふれる新街区を建設し、「世界の半分」とうたわれる繁栄をもたらした。アッバースは大胆な改革者でありながら、現実的な保守主義者でもあり、内面に多くの矛盾をはらんだ複雑な人物であった。彼の生涯をたどりながら、その「国造り」を詳しくみていく。

感想・レビュー・書評

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  • アッバース1世のコンパクトな伝記。イランの歴史における彼の意義とともに業績や人柄についてもまとめている。

    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2022/01/23/000000

  • 治績としては、サファヴィー朝を、遊牧政権、宗教国家から、シャーとその宮廷を中心とする集権的な体制に。ペルシア湾につながる南北の交通路を整備。南方の海域とその向こうの世界に着目。オスマン帝国と戦い連戦連勝、領土をひろげた。/中背の優男 偏見迷信おそれず 好奇心に満ち 自由を愛し 美しい建物と庭園を手ずからつくりあげた 一方政治的には保守的、細心、慎重 伝統、規律を重んじ、自らの意のままにならぬものは破壊しつくす 先頭に立ってレジャーにもいそしむが、マメでいそがしい 部下にもそれをつねにもとめてただろう 「気に入られれば出世も莫大な富も思いのまま。しかし、それも命を預けてのことであったのは往時の倣い」/一読の感想は、すごい人なんだろうけどなんぼなんでも人殺しすぎ。よく人がついてきたな、と。即位をめざしても即位後も、晩年も。辺境の有力者を殺して、けど、保守的だからその配下は残して息子に継がせた、って。それ絶対息子も恨みに思うし、そもそも殺す必要無くなかった?と。他にも次から次へと有力者、寵臣、官僚、皇族問わず、邪魔になれば殺すという点では一貫。/それが専制君主の倣いだとしても。それぞれテーマソング持つコーヒーハウスの美少年軍団、世界広場を年に数日女性だけの巨大なディスコにした、といったあたりは文化史的に、興味深いトピック。

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著者プロフィール

【前田弘毅/訳】
主な著作(共著・監訳等含む)として、『グルジア現代史』『コーカサスを知るための60章』『可能性と多様性のコーカサス』『黒海の歴史――ユーラシア地政学の要諦における文明世界』のほか、映画「ジョージア、ワインが生まれたところ」(字幕監修)など。
HP(https://www.hmaeda-tmu.com/)。

「2021年 『シマをなくしたシマウマとうさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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