アッバース1世: 海と陸をつないだ「イラン」世界の建設者 (世界史リブレット人 45)

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  • 山川出版社 (2022年1月22日発売)
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治績としては、サファヴィー朝を、遊牧政権、宗教国家から、シャーとその宮廷を中心とする集権的な体制に。ペルシア湾につながる南北の交通路を整備。南方の海域とその向こうの世界に着目。オスマン帝国と戦い連戦連勝、領土をひろげた。/中背の優男 偏見迷信おそれず 好奇心に満ち 自由を愛し 美しい建物と庭園を手ずからつくりあげた 一方政治的には保守的、細心、慎重 伝統、規律を重んじ、自らの意のままにならぬものは破壊しつくす 先頭に立ってレジャーにもいそしむが、マメでいそがしい 部下にもそれをつねにもとめてただろう 「気に入られれば出世も莫大な富も思いのまま。しかし、それも命を預けてのことであったのは往時の倣い」/一読の感想は、すごい人なんだろうけどなんぼなんでも人殺しすぎ。よく人がついてきたな、と。即位をめざしても即位後も、晩年も。辺境の有力者を殺して、けど、保守的だからその配下は残して息子に継がせた、って。それ絶対息子も恨みに思うし、そもそも殺す必要無くなかった?と。他にも次から次へと有力者、寵臣、官僚、皇族問わず、邪魔になれば殺すという点では一貫。/それが専制君主の倣いだとしても。それぞれテーマソング持つコーヒーハウスの美少年軍団、世界広場を年に数日女性だけの巨大なディスコにした、といったあたりは文化史的に、興味深いトピック。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月9日
読了日 : 2022年2月5日
本棚登録日 : 2022年2月9日

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