- Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634546806
作品紹介・あらすじ
「何の補償もない」「賠償はすべて解決ずみ」-アジアの戦争被害者と日本政府の主張は、いまも食い違っている。中国侵略から敗戦までの日本軍の行動に、被害者が補償を求めている。その裁判は七〇件近くにおよぶ。アジアの人たちは何を訴え、どのような主張をしているのだろうか。本書は、裁判で問われた問題点をまとめるとともに、被害者の「声」を伝えようと心がけた。その「訴え」は、戦後の日本とアジアの関係を考えるうえで、欠くことが出来ないものだからである。
感想・レビュー・書評
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[ 内容 ]
「何の補償もない」「賠償はすべて解決ずみ」―アジアの戦争被害者と日本政府の主張は、いまも食い違っている。
中国侵略から敗戦までの日本軍の行動に、被害者が補償を求めている。
その裁判は七〇件近くにおよぶ。
アジアの人たちは何を訴え、どのような主張をしているのだろうか。
本書は、裁判で問われた問題点をまとめるとともに、被害者の「声」を伝えようと心がけた。
その「訴え」は、戦後の日本とアジアの関係を考えるうえで、欠くことが出来ないものだからである。
[ 目次 ]
1 今も続く補償問題
2 日本政府の言う「解決済み」の賠償とは
3 植民地出身者に対する差別的取り扱い
4 強制労働に対する補償問題
5 裁かれた「慰安婦制度」
6 戦後補償裁判をめぐる新たな動き
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戦後の民主化、経済復興のなかで忘却され、なおざりにされてきたものの一つ、戦後補償。一言で戦後補償といっても、旧植民地、原爆、集団自決、慰安婦、抑留…など内容は多岐に亘る。
政府側の伝家の宝刀となっている、「皆が被害者なのだから、我慢しましょう」という受忍論は、自分からしてみると説得力のある主張に見える。戦争を経験していないゆえに、この戦後補償のもつ重み、一蹴されてきた人々の「声」を、自分なりに汲み取れていないからかもしれない。
けれどもやはり、「権力側」がそうした立場をとるのはいかがなものか。人々の「声」に耳を傾けず、切り捨てられてくのには怖さを感じる。