- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635047548
作品紹介・あらすじ
「山から山へ」生活のすべてを投げうって、独特の単独行スタイルを築き上げた加藤文太郎。薬師岳から烏帽子岳、槍ヶ岳から笠ヶ岳往復など、冬季登山草創期の常識を塗り替える驚異的な冬季単独縦走を次々と成し遂げ、昭和十一年一月、運命の槍ヶ岳・北鎌尾根に挑む。残されたわずかな資料を超えて、加藤文太郎の真実に迫る完結編。
感想・レビュー・書評
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孤高の人との対比が面白い。
そこで描かれていた加藤文太郎より、より人間臭いというか・・・山に関する実績はやはり物凄いのだろうが、よく考えたらダメだろう、この人、的な。
人の事は言えない所は多々ありますが・・・。
本人著の単独行も読んでみたいものです。 -
新田次郎の孤高の人を読んでから読みました。結果的にはその方が良かったと思う。
加藤文太郎のパートナーの人物像が大分違ったから、読む順番が逆だとこんなに感動というか、鳥肌は立たなかった。もう最強タッグじゃんって思っていていつまでも心に残った。 -
谷甲州が満をじして書き上げた加藤文太郎を題材にした山岳小説。
新田次郎の『孤高の人』は余りにも有名だけどそれとは違う切り口で書かれている。
山岳描写は谷らしく臨場感に溢れる。
登山をする立場からすると、夜間の行動は今一つ賛同出来ない。本書で書かれてるように自分でも経験をした上で、判断してみようかなと。 -
余りにも情熱的で、頑なであり続ける加藤文太郎の山に賭けた生涯を力強い筆致で描き切った傑作山岳小説。単独行の是非について悩みながらも加藤文太郎は普通の生活も、肉親をも捨てて厳冬期の過酷な登山にのめり込んでいく。
その姿は余りにも真摯であり、何かに追われるようでもあり、夢に向かうというよりも、死に急いでいるかのように思えた。
とにかく凄い山岳小説。読めば解る。