- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635049061
感想・レビュー・書評
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手塚治虫『手塚治虫の森』ヤマケイ文庫。
今や伝説となった天才漫画家・手塚治虫が遺した作品の中から『森と人間』をテーマとしたマンガを11編をセレクトした作品集。
様々な設定と奇抜なストーリーで、大人も子供も楽しめる数多くの作品を描いた手塚治虫は本当に天才だと思う。『手塚治虫の山』が好評だったので、二番煎じで『手塚治虫の森』と『手塚治虫の動物』を刊行したのかと思ったら、意外にもなかなか面白いセレクトで驚いた。
『大将軍森へ行く』。『メタモルフォーゼ』シリーズの第3話。南方で戦闘中にただ独り生き残った雨月大将は、たどり着いた無人の村で不思議な体験をする。
『峠の二人』。『サスピション』シリーズの第2話。このシリーズは大人向けのサスペンスで好みだったな。山奥の峠まで追い掛けて来た借金取りは疑心暗鬼の余り……
『熟れた星』。『SFマガジン』に掲載された短編。高度経済成長期に流行った終末思想を感じる。手塚治虫には、このような寓話めいた作品が多いのだ。
『ブルンネンの謎』。『ザ・クレーター』シリーズの第13話。手塚治虫の作品には度々オクチンという名前の男が登場する。本作もまたオクチンが登場し、主役を務める。御殿場にある『ブルネン』という名前の喫茶店をめぐる物語。
『ブラック・ジャック ナダレ』。傑作『ブラック・ジャック』からの1話。ブラック・ジャックが手術した鹿が怪物となり、次々と人間を襲う……
『緑の果て』。地球と似た緑にあふれた惑星に不時着した人間が見た驚愕とは……
『八丁池のゴロ』。天城山の近くに住むキツネの一家と自然破壊を行う人間との闘い。
『三つ目がとおる オハグロ沼の怪物』。『三つ目がとおる』からの1話。意外にあっさりした短編。
『ブッダ アッサジの死』。『ブッダ』からの1話。アッサジは『三つ目がとおる』の写楽じゃないか。自らの肉体を飢えた獣に差し出したアッサジの死を目にしたブッダは何を悟ったのか。
『三人の侵略者』。『ザ・クレーター』シリーズの第7話。宇宙から来た三人の侵略者が脱走した囚人に化けて山荘に押し入るが……まさかの楽屋落ち。
『火の鳥 異形編』。『火の鳥』は永遠の命を求める愚かな人間たちを描いた壮大な物語。過去の自分に殺されるのをひたすら待ち受ける八百比丘尼の数奇な運命と無限ループ。
本体価格1,000円
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ヤマケイ文庫 手塚治虫の森 | 山と溪谷社
https://www.yamakei.co.jp/products/2820049060.html -
諸行無常
因果応報 -
これも良かったです。
三冊とも 色々短編のが入っていて 読み応えありました。
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手塚治虫は大好きな作家。彼の人類への警鐘は、重く受け止めなければならない。
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手塚さんの絵は愛嬌があるなぁ。
子どもの頃と、今とでは受け取る感じが違うなぁ。