組織行動 -- 組織の中の人間行動を探る (有斐閣ストゥディア)

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641150669

作品紹介・あらすじ

やる気が出ないこともあれば,仕事に没頭することもある。もめごとが起きるかと思えば,1+1が3にも4にもなったりする。人が組織においてさまざまな行動をとる,その理由とは。実際のシチュエーションを想像し,我がこととして考えながら学べるテキスト。

感想・レビュー・書評

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  • 経営学の組織行動論。
    会話形式や質疑応答形式で飲み込みやすく平たくモチベーションや組織の行動にリーダーシップ学術的に紹介。
    プロアクティブ行動には注目しておきたい。
    学びはうまくいっている組織の行動からwhatを見つけて、whyへと抽象化する行動。
    これがわかれば、べつのwhatアプローチが可能と。
    採用後はリアリティショックを意識したフィードバックループを気にしておく。

  • 組織についての要素をまとめた本
    面白くない。要素を話してるだけで使うという視点がないように思える。わかりやすい辞書という感じ

  • 組織において、人はなぜどのように動くのか。またはどうすればどう動かせるのかについての本。
    人事評価やリーダー論、モチベーションや組織文化など。
    「人が集まってみんなで考えることは、各自がバラバラで考えるよりパフォーマンスが悪い」や「組織文化を浸透させるだけでなく、組織文化に馴染まない人をあえて組織に含む必要がある」など、一般に信じられていることが正しくないことも示唆されている。

  • 良い意味でも悪い意味でも教科書。比較的オーソドックスな内容を取り扱っている。ただし、初学者が独学で読んでいくには、説明不足でわかりにくい部分も多い。少しずつ調べながら読み進める必要がある。最後に、ホットな話題に触れられている点は、学習の足掛かりになる。

  • 【264冊目】組織の中での人間行動は、個人での行動を考えるのとは異なる視点を持たないといけない。特に組織や集団をマネージメントする際の前提知識として知る必要があると考え、購入。共著者の服部泰宏先生に注目していることも一因。

    やっぱり学者の方が初学者向けに書いた本だけあって、巷にあふれるマネジメントの本に比べれば硬派な内容で、組織行動論という学問の入り口に読者をいざなってくれる。巷間のビジネス本の中には、著者の成功体験を羅列し、そこにもっともらしい後付けの理由をくっつけるものも散見される。それに対して本書は組織行動論の理論を教えてくれるので、一般化可能性や再現性が高いように思う(もちろん巷間のビジネス本が無用と言っているのではない。本書でも説明されているが、組織行動論がwhatとwhyを説明するものだとしたら、先人の成功体験はhowの一例となるもので、参考とすべき部分も多くあるに違いない。)。

    どの章も興味深く蛍光ペンで線を引きながら読んだが、本書を手にとった動機と直結する内容は第9章「集団の持つ力 グループ・ダイナミクス」。特に集団での協働作業に①加算的協働②連接的協働③離接的協働という3種があるという整理が役立った。以下、我が意を得たりだった箇所の引用。

    「じつは私たちが組織の中で直面している課題の多くは、この離接的な協働にほかならないのです。次年度の予算や生産量の決定から職場のレイアウト変更に至るまで、『誰か』のアイディアを『私たち』のアイディアとして打ち出すことが求められる多くの仕事が、この離接的な協働に関わっているのです。」

    「加算的・連接的・離接的な課題に取り組むにはメンバーの多様性が重要であると指摘してきましたが、ここでいう多様性は、主として深層の多様性を指しています。深層の多様性については、異なる考え方、教育的背景、価値観、知識、スキルを持った人々の組み合わせと相互刺激が、集団に新たなアイディアの創出や成果の向上をもたらすことが指摘されてきました。一方、表層の多様性に関しては、それが組織や集団に対してプラスの影響を与えるのか、あるいはかってマイナスの影響を与えるのかということに関して、確たる結論が出ていません。」

  • 読みたい理由:学生時代に読んでた参考書シリーズ。この分野で良さそうな本がパッと見つからず、目についたので。ほんとは行動心理学とかももっと知りたいけど組織視点での行動心理学のほうが実務にいかせそう。あとは人事コンサルとして理論としてインプットしたいニーズ。
    →組織行動論はかなり人材採用業務に近いのでもっと学ぶべき。導入編としてはとってもわかりやすくて勉強になった。

    ・MPS(motivation potential score)p46
    ワーカー業務でもつかえそう!
    職務特性
    ・技能の多能性
    ・職務の完結性
    ・職務の重要性
    ・自律性
    ・フィードバック

    心理状態(有意義、責任、結果への理解)

    仕事上の成果(内発的動機付け、業績への満足度、成長への満足度)

    成長欲求(達成、学習、進歩)への強さ

    MPSの改善方法
    ・仕事の組み合わせ(大きな仕事の単位に)
    ・自然な仕事ユニットをつくる(完結までみえやすく)
    ・顧客からの声をきけるようにする
    ・上司の仕事をわたす
    ・直接、即時的なFB



    ・第3章 やる気を引き出す評価
    業績の評価と報酬のシステムp63
    タイムリーな業績評価>適切で建設的なFB>きちんとした報酬システム>安定した良い結果
    →これがしっくりきてないときたしかに不満あるよなあ。

    ・第4章
    2つのマッチング
    期待のマッチング:仕事内容、勤務地、雰囲気、教育など。
    能力のマッチング:従来どおりのイメージ
    RJP理論:売り手市場、競争率が高い、わかりづらい仕事、のときに機能する
    →期待と能力のマッチングが機能させられるなら、採用難易度の高い仕事は無理にRJPを押し通さなくてもいいのでは。


    ・制約された合理性モデル:
    探索と見積もりを繰り返し、満足な選択肢に出会った時に探求をやめ意思決定する
    └求職者の心理状態、企業の選定心理状態

    ・第5章 組織に馴染むプロセス
    p96
    ○心理学者 ジョージア・チャオ
    会社組織
    └経済的な組織体
    └人々の共同体

    組織社会化
    一次的成果:人間関係、価値観
    └人間関係
    └政治(組織内での権力に関する情報)
    └言語(専門用語、内輪での言葉遣い)
    └組織の目標と価値観
    └歴史

    二次的成果:パフォーマンス、コミットメント、職務満足
    └仕事のパフォーマンスの向上
    →GRCと同じ考え方。

    プロアクティブ行動 p100
    ○経済学者 ロバート・レン
    └既存社員に適応するための行動
    └フィードバック探索
     ※求められていることを理解し、パフォーマンスがあがる
     └組織文化に影響をうける
      └探索コスト(誰からFBをもらえばいいか)
      └対面コスト(実際にFBをもらう時間)
      └探索と実行のコスト(FBを理解し、実行する) 
    →だから人間関係が大事!

    ○心理学者 シャイン・エドガーp105
    組織社会化段階の新人がクリアすべき課題
    ・組織の現実を受け入れる
    ・新しいやり方に対する抵抗に対処
    ・働き方を学ぶ
    ・上司との付き合い方と評価の仕組みを学ぶ
    ・組織における自分の位置を定めアイデンティティを確率する

    第11章 貢献を引き出す
    組織コミットメントの三次元モデルp223
    └情緒的:愛着 want to
    └規範的:義務感 should to
    └継続的:デメリット、代替的な選択肢の欠如 need to
    ・1つが高ければ組織のメンバーであり続ける
    ・それぞれは独立する場合もあれば並存することもある

    ASAモデル:組織は文化を保存したがる(>この文化に人はコミットしていく傾向もあり)
    A:attraction魅了
    S:selection選抜
    A:attrition淘汰

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著者プロフィール

神戸大学教授

「2022年 『キャリアで語る経営組織〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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