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- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784643981124
感想・レビュー・書評
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殴られるのが当然といった戦時中の壮絶な幼少期から原爆の被曝、東京美術学校入学、アルバイト禁止の仕送りだけでの生活、学校で学ぶことでの苦悩、卒業するとちょうどうまい具合に助手になって前田青邨のもとで働くという幸運、苦悩の末の仏教絵画への到達、シルクロード…。およそ成功する画家がたどる王道を歩んだ画家。
日本の文化や歴史といったことについてはそんなに面白くないが、自身の経験に基づく記述には説得力がある。
耳が痛いのは、師匠や人間関係を大切にしろということだ。とくに私には師匠がひとりもいない。過去にもいない。平山郁夫はずっとさかのぼって様々なすばらしい出会いをしている。学生にも「もっとひとと出会うべきではないか」ともらしている。最後は人間性が勝負だともいう。どんなに技術や思想などがすぐれていて、独創的だとして、その自負があっても、そこについて私は圧倒的な負い目がある。それを逆手にとれるかとれないか、ということであろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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