清里高原殺人別荘(ビラ): 長編トリック・ミステリ- (立風ノベルス)

著者 :
  • 立風書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784651420073

作品紹介・あらすじ

白い清里高原。逃走中の学生を待ちうけていたのは別荘の妖女・秋江。閉ざされた「迷宮館」で殺人劇は果てしもなく。渾身の本格巨篇。

感想・レビュー・書評

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  • 同時期の「十角館の殺人」と比べると、構築された企みも、ラストの驚きも、やや劣るかもしれない。とはいえ、読んでさほど損はない。
    雪の別荘に集まった学生5人と謎の女性1人。なぜここに?のミステリを抱えながら、別荘内で連続殺人が! 中に謎の人物が隠れているのか? 
    最大のポイントは、まさに彼らが集まった理由にある。そして、生き残った男女二人の「探偵」が推理を展開しながら、実は被害者だった!という逆転が面白い。ネタバレすると、最年少の義信は、実は仲間と思っていた学生たちに誘拐されていた(銀行強盗ではなく)! 義信を別荘に隠し、その間に家族に身代金を請求する、というわけだ。しかしその企てが失敗し、最後に二人の不思議なラブストーリーとなって・・・。ただし、建物の中の説明は読みにくかった。

  • 稀少本なので、図書館で借りて読んだ。地味だが、きっちりと作り込まれている。閉ざされた山荘に抜け穴がないのも高ポイントだ。

  • 雪に閉ざされた山荘に逃げ込んだ銀行強盗犯5人組が殺されていくお話です。 銀行強盗犯の主人公達と、秘密を隠し持っている怪しい女との駆け引きや推理の応酬は特に目を見張るものはなく、「ストレートなクローズドサークルものだなぁ」という印象でした。しかし、最後にインパクトのある大トリックが炸裂します。トリックのアイデアと構図を一気に反転させてしまう手際は圧巻です。隠れた名作だと思います。

  • 雪の山荘での連続殺人というガシェット、ただクローズドサークルではない。
    そして何かをしてきたらしい。
    …すっかり騙されました。
    最近こういう仕掛けの話しを読んだのに…しかも、新本格初期と同じ時期の作品。
    短いながらの秀作です。

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著者プロフィール

1928年岐阜県生まれ。慶應義塾大学文学部英文科卒業。出版社勤務を経て文筆活動に。52年探偵小説専門誌『宝石』に短篇「白い路」が掲載され、ミステリ界へデビュー。77年『透明な季節』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。『海を見ないで陸を見よう』、『リア王 密室に死す』など旧制高校を舞台とした清冽な作品で注目され、『龍神池の小さな死体』『清里高原殺人別荘』『葉山宝石館の惨劇』等、巧緻な作品で、本格ミステリファンの記憶に残る傑作を多数発表。90年逝去。

「2023年 『梶龍雄 青春迷路ミステリコレクション2 若きウェルテルの怪死 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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