- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652079065
作品紹介・あらすじ
どうしてぼくたちが天国に行けないか知ってる?引っ越してきた古い家に待ちうけていたものは…背すじを凍らせ心をゆさぶる幽霊ストーリー。ファンタジーの名手がおくる哀しい愛の物語。
感想・レビュー・書評
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『ゴーストハウス』
とにかく暑い。毎日。毎日。
私はあまり怖い本を読まないが、なんとなく涼しくなりそうで、特設コーナーに目を向けた。
まず表紙に引きつけられた。イラストを担当されたのは、七字由宇(シチジ ユウ)さんというそうだ。
子供のような絵、タッチなのに、計算されつくした歪み。怖い。
作家は知らない名前だが、手にとってなじむ単行本サイズ。読んでみようかなとめくった黒一色の表紙裏に
ぼくたちが見えるの?
と一行だけ。
ひえーーーー‼︎である。たち、ということは複数なんだろうか。ゴーストハウスということは、館モノか。これは、、涼しくなれそうだ。
そんな感じで図書館から連れて帰りましたが
結論からいうと、思ったほど怖くはなかったです。
幽霊モノとして怖い、というよりも母親の狂気が先立ってしまって。幽霊だから怖い、が薄らぐ謎展開。私だけかもしれませんが。
子供たちと主人公との絡みがいつ始まるかと期待しながら読み進めましたが、ほぼ絡まない不思議な構成のまま物語は別の展開(主題と回収)をみせて終了します。
好き嫌いわかれるかもしれないです。
幽霊が「風」に物理的に流され、かなり動きに制約をうける、 死んだ後の世界が「天国か地獄」とは微妙に違う類のもの、 といった設定は珍しいのかな。幽霊モノが好きで、一風変わった物語を読みたい方にはいいかもしれません。
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後半の展開。母親がアレから逃げ回るくだりであんなに元気(飛び出していく)だったのかが納得できず、個人的には星2。表紙が良かったので、もうひとつプラス。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半から考えると後半の展開はかなりホラー!小学生向けホラー。
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父を亡くしたばかりの少年ジャックが、母親と引っ越してきた家。そこには子どもたちの幽霊と、女の人の幽霊がいた。
幽霊たちとの心温まる物語が展開していると思っていました。しかし待っていたのはとても怖くとても恐ろしい物語でした。
死の瞬間にあっちの世界からいとしい者が迎えに来てくれる。しかしそれを拒むと幽霊として地上に残ることになる。そして幽霊としてのエネルギーが尽きると、死よりも恐ろしい悪夢の道に飲み込まれてしまう。
娘を亡くしたことにより、あっちの世界に行くことを拒んだ女の幽霊。彼女は自らのエネルギーの補給源として、子どもの魂をさらい幽霊として閉じ込めてしまう。
そこにやって来たジャックに対し、女の幽霊は子どもからの愛情欲しさに近寄る。ジャックから拒絶された彼女は、ジャックの母親の体を乗っ取ることにする。
完全にホラーです。喘息の持病を持つジャックは、ショックや感情の起伏を原因に発作が起きる。命の危機にさらされながら女の幽霊に対抗するのです。
子どもたちの幽霊は必死に女の幽霊に抵抗しつつ、ひとりまたひとりと女の手に落ちていく。
女の幽霊がそこまで子どもに執着するのは何故か。女の娘の死の真相とは。
心臓をぎゅうっと掴まれるような恐怖の先にある、ラストシーンの素晴らしさ。幽霊譚の新たな一幕を見ました。 -
陰惨なようなそうでないような。ラスト泣かされた。
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2016.6.3
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娘が何度も読んだ、というほど好きな本。
やっと私も読んでみた。面白かった。児童書だからといって侮れない。 -
ことのは遊びのシーンがとても好きで。
何よりこの人の作品の有り得ないのに実現してしまう大どんでん返しがとてもしあわせ。 -
母親幽霊が怖すぎて怖すぎて。
幽霊的な怖さよりも、彼女の子供に対する狂気じみた愛がゾッとした。
ラストの一文が凄いですね。
本編をちゃんと読まないと結末が分からない。