エーメショートセレクション 壁抜け男 (世界ショートセレクション 13)

  • 理論社
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本棚登録 : 101
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652203354

作品紹介・あらすじ

幼少期の辛い体験や苦労を重ねた人生の影響が、色濃く現れているエーメ作品。社会の片隅でひっそりと生きる庶民に向けられる共感が、さらにはエーメならではの皮肉っぽい視線が加わった短編6篇を厳選して新訳でお届けする。

感想・レビュー・書評

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  • 1902年生まれのフランス人作家、エーメの短編集。6篇収録。
    私は知らなかったけど、「壁抜け男」という短編が劇団四季でも舞台化されていて有名みたい。パリのモンマルトルにエーメの名を冠した広場があるみたい。

    どれも人間味あふれる庶民的な人たちが主人公で、著者とは生まれた時代も国も違うけれど、なぜか共感できた。

  • 不思議な能力で道を踏み外してしまう中年男の話「壁抜け男」は有名だが、少年が空想の中で自由に使える「七里のブーツ」も良かった。

  • フランスの小説家、劇作家マルセル・エーメの短編小説集。面白かった!
    ヨーロッパ各地を旅したような気になれました。不思議な話の数々。教訓も見出せそうですが、説教くささはなく、いかんともしがたい貧富の差に切なくなりつつも、ほっとするラストを迎える話もあれば、あらあら調子に乗ると、そうなるよなぁ、と呆れる話も。ヨシタケシンスケさんのイラストがとても合っていて、さらに楽しく読めました。この世界ショートセレクションは13冊あり、他のも読んでみたいと思います。

  •  星3.5にしたい。装丁とか、翻訳文体とか、ヨシタケさんの挿絵とかで、何というか「大人の児童書」って感じで読んだ。

     『七里のブーツ』は、魔法のブーツというアイテムが出ながら、実際にそれが使われるのは最後の数行のみ。肝はそのアイテムを取り巻く子供達の感情。
     アントワーヌ少年が退院して帰宅した時に、壁紙が張り替えてあるシーン。お母さんの気持ちも切ないけど、それに対して無性に居た堪れなくて涙が出るアントワーヌの気持ちが痛いほどわかる。

     どの作品も不思議な能力や出来事は作品の補助的な存在で、主軸はそれとは別の所にあるのが面白い。

     時間がある時に他の作品も読んでみたい。

  • フランスの摩訶不思議なエスプリ

  • 時代が遡っていく話が面白かった。他の話に比べて読むのは難しかったけど。
    まだ出会えない未来の友人や、やがて親族になる人たちを見て主人公が色々思うところが読んでて切なかった。

  • 2020/10/28

    壁抜け男もよかったですが、個人的には七里のブーツがもっとも心を打たれました。貧しい母子家庭で育った息子があまりに母親想いなのに、涙が禁じえませんでした。

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著者プロフィール

マルセル・エーメ  作者マルセル・エーメ(1902~1968)は、フランスの小説家、劇作家、児童文学作家。さまざまな職業についたのち文学者として出発、“詩以外のすべてのジャンルにわたる”と言われる多彩な文筆活動を展開しました。代表作『壁抜け男』(小説)、『他人の首』(戯曲)などは、日本でもよく知られています。

「2010年 『ゆかいな農場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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