星の町騒動記: オオカミさまあらわる

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652204993

作品紹介・あらすじ

伝統ある神社の跡取り息子である星の町中学校2年のワタルは、GW明けのある出来事をきっかけに、学校でも家でもイライラする毎日を送っていた。そんなある日の放課後、所属する「文化伝承部」の活動で「星のかけら博物館」にいたところ、伝説の聖獣「オオカミさま」が見つかったとの一報が入る。ワタルにはただの汚れた犬にしか見えないその生き物は、あっという間に町じゅうの話題をさらい、大人たちを夢中にしていく。そして終には……。オオカミさま発見に大騒ぎする大人たちに愕然とし、時にゼツボウしながらも、なんとかその生き物と自分の心を守ろうとするワタル・十四歳の奮闘。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルと表紙で買って、読み始めると、黒曜石、星くそ村、上の社、下の社、と単語が出てくる。ふたつ山と出てくるが、はてこれはどこだろうかなどと思案する。これは、諏訪地域をネタにした話のようだ、ということで、諏訪人としては俄然興味が湧く。読み進むうちに、おんとうさい、と出てきて、間違いなく諏訪地域を舞台にした話だと確信する。
    そんなわけで、物語よりもネタに注目して読んでしまった。諏訪人には無論おすすめ。テーマは、いじめや同調圧力や、我々の世代を超えてある問題を扱っている。続編を期待する。

  • 大人、もっとしっかりしろという一喝、とてもいい。

  • 伝統ある神社の跡取り息子で中学2年生のワタル
    星の町(旧・星くそ村)に伝わる「聖獣・オオカミさま」が見つかったことから騒動に巻き込まれる

    薄汚れた犬にしか見えないオオカミさまを町興しに利用したい大人たち
    父の失踪など家庭の事情をかかえるうえ、教室で注がれる悪意の眼差しに悩むワタル

    文化伝承部の仲間と世話をする2頭の鹿に危機が迫ったとき、ワタルは……

    《ワタル・14歳、ひとりぼっちのたたかいが始まる》──帯のコピー

    教室で起きた事件と聖獣伝説に浮かれる大人たちがオーバーラップする

    〈なんて俺は無責任なんだろう。そのうえ無能で、つまりは最低だ。〉

    博物館を舞台にした書き下ろし、2022年6月刊

  •  星の町に伝わる伝説の聖獣が現れた、と町中が騒ぎ出した。ワタルにはただの迷い犬にしか思えないのだが、これを機に観光客を呼び寄せようと、町の観光課まで動き出した。

     家が神社のワタルに、情報を求めて来たクラスのやかましい女子達に素っ気ない態度をとったら、その後が険悪になり、ワタルは学校に行くのが苦痛になってきた。

     聖獣騒ぎに踊らされる大人達の姿と、学校での弱いものいじめに同調するクラスが、似ているように思えて来たワタル。自分はどうするべきなのか・・・。

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著者プロフィール

長野県生まれ。2006年講談社児童文学新人賞佳作を受賞。デビュー作『ボクシング・デイ』(講談社)で、第18回椋鳩十児童文学賞、『満月のさじかげん』(講談社)で、日本児童文学者協会新人賞を受賞。その他の作品に、『ぼくたちの骨』『声をきかせて』(以上 講談社)、『ヴンダーカンマ― ここは魅惑の博物館』『星の町騒動記』(以上 理論社)、『星くずクライミング』(くもん出版)などがある。

「2022年 『手で見るぼくの世界は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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