新訳 茶の本 (明石選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750338309

作品紹介・あらすじ

岡倉の「繊細の精神」がとらえた東アジアの芸術精神がいまよみがえる。今日なお広く流布している「大アジア主義者・天心」のイメージを一新、生身の「岡倉覺三」像を提唱する訳者による解説のほか、初版原文を併せて収録。語注をほどこした。『茶の本』新訳決定版。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/60102

  • 訳者の解説がめちゃめちゃ充実してた。
    「茶」というものを通して中国や日本が体現してきた美の姿、芸術的価値観を説明していた。茶道とか華道とか何がいいん?ってゆうひとにとっては読んでみたらいいかも。自分みたいなごりごりの理系ちゃんにとっては、こういった芸術や宗教の考え方に触れることで、よりよく人間らしく生きるためのヒントを多く学ぶことができるはず。

  • ふむ

  • 岡倉天心の名で何度も翻訳されている「THE BOOK OF TEA」を、天心の本名である覚三の名前で新たに新訳として発表された一冊だ。

    あまりにも有名な旧来の「茶の本」との違いは読み比べていないのでわからないのだけれど、掲載されている解説から、「天心神話」なるものが生まれたことに違和感を抱き、あくまでも英雄視、美談化された岡倉天心の「茶の本」とは異なった切り口で訳されているのだとわかる。

    哲学的な内容もあるけれど、訳文が平易なためか存外読みやすい。もともとは1906年と100年以上も前に発表された内容であるけれど、美意識やものの考え方については現代にそのまま通じる内容もあり、古びない。

    現代では「茶道」「家元」などといってすっかり敷居が高くなってしまった茶の湯というものがどこからはじまっているのか、お茶の歴史がよくわかる。中国では宋の時代に発展したお茶の文化が、モンゴルの騎馬民族の台頭により失われてしまい、侵略されなかった日本では生き残った、とされる話(史実かはわからない。岡倉の自説として受け止める)も興味深い。

    何もかも西洋のものが素晴らしいとされた時代に、英語で、英語圏の人々に向けて書かれた、ということも考えると、歴史の一コマとして感慨深い。

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著者プロフィール

没後「天心」と呼ばれてきた。東京美術学校(現東京芸術大学)の創立、東京国立博物館理事、雑誌『國華』創刊、日本美術院創設など、近代日本美術事業の基礎作りに貢献。晩年はボストン美術館に勤務、日本とアジアの美術を世界的視野から評価しようとした。

「2013年 『新訳 茶の本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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