黄金州の殺人鬼――凶悪犯を追いつめた執念の捜査録 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII)

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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516141

作品紹介・あらすじ

「ジャンルの垣根を超えた傑作。
ページをめくる手が止まらない」
スティーヴン・キング 絶賛!

ニューヨーク・タイムズ
ベストセラー 1位

1970 -80年代に米国・カリフォルニア州を震撼させた連続殺人・強姦事件。30年以上も未解決だった一連の事件の犯人「黄金州の殺人鬼」(ゴールデン・ステート・キラー)を追い、独自に調査を行った女性作家による渾身の捜査録。

アメリカでベストセラーとなり、現在HBOがTVドキュメンタリー・シリーズを製作中の話題作。強盗、強姦、殺人を十年以上にわたって繰り返し、DNA鑑定の網をくぐって闇に消えていた犯人を、作家である著者が独自の捜査で追いつめていく手に汗握るノンフィクション。

序文寄稿:ギリアン・フリン(『ゴーン・ガール』著者)

ワシントンポスト、「エスクァイア」誌、Amazon.com、ニューヨーク公立図書館、 シカゴ公立図書館他で “2018年 ベストブック・オブ・ザ・イヤー"受賞!!

本当に手に汗握る作品だ――「ピープル」誌
息を呑む野心的で見事な筆致――「ニューヨークマガジン」誌

読者が知るべきは、なぜこの本が特別なのかという理由だ。それは、この本が向き合っている二種類の強迫観念である。一つは光に溢れ、もう一つは闇の中にある。
「黄金州の殺人鬼」は闇であり、ミシェル・マクナマラは光だ。
気が滅入るほど邪悪。聡明かつ、断固とした決意。本書はこの二つの心理への旅路である。
私は本書を愛してやまない。 ――スティーヴン・キング

感想・レビュー・書評

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  • 事件マニアが30年前の未解決事件(連続強姦強盗殺人事件)を執念で調査していたが、そのルポルタージュが未完なまま、膨大なメモを遺して急逝。夫が出版にこぎつけるが、その直後に容疑者が逮捕され…と、ウソのようなホントの話の当該書がこれ。
    看板に偽りはなく、正真正銘このとおりの話なのだが、それ以上のものが何もない。なんといっても著者が逝去しているのだからいたしかたないのだが、出オチ感は否めないのである。
    肝心の原稿も、「モツレク」や「トゥーランドット」のようにはまとまっておらず、執筆途中だった著者および後に遺された人々の未整理と混乱ぶりがそのまま伝わるよう。ある意味なまなましいとは言えるが、単純に読みにくい。
    半生を懸けてこの容疑者に挑んだ著者が、みずから完成させることができていたら…と、思うだに惜しい。

    2019/10/14~10/15読了

  • これはシリアルキラーによって、人生を狂わされた人々の記録だと思う。生き残った被害者のトラウマ、残された遺族の癒えることのない悲しみ、怒り、途方もない量の各種のデータ、物的証拠、証言、暗中模索の捜査員たちの疲労と強迫観念、そして著者とその家族の人生そのものが黄金州の殺人鬼追跡を中心に書かれている。正直、殺人鬼の背景なんてどうでもよくなる。犯罪の動機についてとか家庭環境がどうだとか、そんなの専門家がきちんと分析すればいいのだ。犯人の悍ましさを伝えつつ、これらの犯罪に巻き込まれた人々の姿は克明で、読んでいて辛かったがページをめくる手は止まらなかった。素晴らしい仕事ぶりだ。

    最後、犯人が逮捕されて良かったよ。
    著者の仕事と人生に敬意を。

  • 変わった本。いい歳した子育て中の中年女性が、生活と健康を犠牲にしてここまでのめり込む何かを持っていてもいいのだ、という一種の安堵が得られる。
    犯罪ノンフィクションとしても、逮捕されたシリアルキラー本人のことは逮捕前だから当然描かれていない。未解決事件として40年の間、捜査官たちが何をしてきたかと、著者含め捜査官ではない人たちと技術がどう事態を進展させ貢献したか、が書かれている。
    ひたすら未解決事件がいかに未解決かが主なのに目が離せない。

  • キング絶賛…という帯を見落としていた。
    これを知っていたら買わなかったかもなあ。
    時系列もバラバラ、下手な比喩(アメリカ人特有?)、飲みにくいことこの上ない。
    それでも、犯人逮捕につながっていたのなら、まだ納得もいく。
    が、犯人逮捕とこの本は全くの無関係、というお粗末なオチ…
    かなりテンションが下がった。
    「殺人犯はそこにいる」みたいなものを期待していたのだが…期待外れ。

  • 黄金州の殺人鬼の正体を突き止める事に、執念を燃やす著者。膨大な調査資料、当時の捜査員や被害者やその家族に対する聞き取り、それに基づく著者の推測などが、レイプと殺人を繰り返す犯人を追い詰める。

  • 読みづらい文章で苦労しました。。。
    結局、この著作が直接的な証拠を見つけたわけではないようなのでスッキリしないです。

  • 結局、30年住んでも気づかないものなのでしょう。不思議です

  • 100冊ビブリオバトル@オンライン第5ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。
    2020.08.22〜23

  • 2018年4月24日、アメリカ合衆国でひとりの男が逮捕された。
    名前はジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロ。アメリカ海軍の
    元軍人で元警察官、元トラック整備工。年齢は72歳。

    1974年から1986年までの間に、13人の殺人、50人以上の性的暴行、
    100件以上の強盗を犯し、「黄金州の殺人鬼」と呼ばれたシリアル・
    キラーだ。

    30年以上も未解決だった事件をある種の情熱を傾け、犯人に辿り
    着くことを願って独自の捜査・考察を重ねていたのが本書の
    著者である。

    残念ながら、著者は犯人逮捕を見ることなく、本書執筆中に
    心疾患でこの世を去ってしまった。そんな著者の意思を継いで、
    夫と編集者が残された遺稿をまとめての出版である。

    時系列が飛ぶ箇所が度々あるので、若干の読みにくさはある
    ものの、未解決事件を追う著者の緻密な資料集めに脱帽する。

    確かに、未解決事件というのは人を魅了するものがあるんだよね。
    語弊があるかもしれないが、私も好きだもの。ああでもない、
    こうでもないなんてとりとめのないことを考えるのが。

    しかし、胸糞悪い犯行の数々を読むのは苦痛だったが、「よくぞ
    ここまで詳細なメモを残し、捜査資料を読み込んだな」と感心する。

    本書が操作に与えた影響はなかったようだが、それでもほとんどの
    時間を「黄金州の殺人鬼」の正体を暴くことに費やした著者に、
    犯人逮捕を見届けて欲しかったと強く思う。

    2020年8月21日、犯人には仮釈放のない終身刑が言い渡された。
    「刑務所でくたばればいい」は、公判で被害者のひとりが口に
    した言葉だ。

    犯人の年齢を考えると、被害者の言葉通りになるのはそう遠くない
    未来だろう。

  • 悲惨なアメリカの犯罪の実情を知ることができ、筆者の粘り強い事件への執念を感じることができた。
    ただ日本人には外国人の名前や地名等、なかなか頭の中にずっと入ってこなかったので、読み終えるまではかなりの労力を費やした。
    事件の描写が細かいが、被害者やその家族に配慮しているとも感じた。

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